軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

フィロリアルレース

会場は言ってしまえばスポーツの会場のような空気のあるドーム状の建物ですぞ。

俺も昔、野球に始まり、サッカー、バスケット等、いろんな趣味を持つ豚達とスポーツを楽しんだモノですな。

その時の会場を思い出しますぞ。

ですが、客の方は何やら血走った雰囲気を持っておりますな。

競馬場には行く事はありませんでしたからな。

あ、競輪にも似てますな。

そっちは行った事がありますぞ。

豚の一匹にそういう趣味の豚がいましたからな。

「レースが始まりますぞ!」

チケットを買わずに俺達は観客席で状況を見守りますぞ。

フィロリアル様達が連れられてアピールをしておりますぞ。

確かパドックと言うのですぞ。

「うーん……ちょっと興奮気味ですね。レースにどう影響が出るか――」

解説の声がスピーカーを通じて聞こえてきますな。

見た感じだとテンションや体の様子から3-6辺りがトップになる様な気がしますぞ。

ちなみにフィロリアルレースはいろんな種類があるのを俺は知っておりますぞ。

今回は騎手が上に乗って、シンプルな周回レースをするようですな。

障害物レースとかも見てみたいですぞ。

「わくわくーなんか楽しいー」

コウが目を輝かせて、辺りを見渡しております。

ソワソワと体が揺れてますぞ。

きっと会場の空気に当られているのですな。

これもフィロリアルレースの醍醐味ですぞ。

「どのような方々が走るのか興味ありますわ」

ユキちゃんはコースを凝視していますぞ。

むしろコース以外は興味無さそうですな。

確かにユキちゃんは走る事の方に意識が強いフィロリアル様ですぞ。

実は馬車を引くのに関して、フィロリアル様の中では興味は低い方ですな。

もちろん、フィロリアル様なので引くのが嫌いという訳では無いですぞ。

むしろサクラちゃんはフィーロたんと同じく馬車を引くのが好きですぞ。

これはフィロアリア種の特徴らしいですな。

ラッパのような楽器が鳴らされてフィロリアル様達が一斉にゲートに入ります、するとゲートが閉じましたな。

フラッグが降ろされると同時に閉まっていたゲートの扉が開いて一斉にフィロリアル様が飛びだして走り始めました。

「おお……」

なんとも感動的な光景ですな。

フィロリアル様が一生懸命走って一番を競い合っているのですぞ。

「……ちょっと遅いですわね」

ユキちゃんが分析をしている様ですぞ。

「あの速度ならむしろサクラの方が速いですわ……ですが、出るとなったら一位を狙いますわ!」

ユキちゃんのライバルはサクラちゃんですぞ。

おっとり屋のサクラちゃんは滅多に走りませんが、ユキちゃんに負けない速度があるのですぞ。

なのでユキちゃんはサクラちゃんに良く勝負を頼んでいるようですな。

結果は俺の読み通り3-6でしたぞ。

「いやぁ、中々楽しいレースですな!」

「ペース配分や走り方、馬車との違い……色々と勉強になりますわ!」

ユキちゃんの話だとペース配分や走る時に普段はやらないステップ等、色々と学ぶ場面はあったそうですぞ。

これだけでも来た意味はありますな。

その日は次々と開催されるレースを俺達は食い入るように見ていたのですぞ。

そんなこんなで夜になり、俺は宿に戻ってきました。

「あ、元康くんおかえり。どうだった?」

「とても有意義なレースでしたな」

「それは何より。俺の方も流星盾を習得出来たよ」

「これで戦いが楽になりますな」

「そうだね。実験した感じだと癖も無くて便利だよ」

おお、お義父さんも伝統の流星盾を習得出来た様で良い事尽くめですな。

レースを含め、今日は最高の一日ですぞ。

「元康くんはもう食事を終えた感じかな?」

「まだですぞ」

「お腹空きましたわ」

「ユキちゃんはブリーダーの人に体重を管理してくれって言われてるけど……」

「レースの為にダイエットも出来ますわよ?」

「まあ、問題がある場合は魔法である程度加重や軽さを調整できるから良いの……かな?」

「正々堂々やりたいですわ!」

色々とフィロリアルレースには複雑な事情がありそうですな。

俺も後で生産者から聞きだすとしますぞ!

ライフワークに出来そうなくらい楽しい場所でしたからな。

「適当な所で食事しようって話になったんだ。元康くんも来る?」

「もちろんですぞ」

「じゃあ錬と樹達が来るのを待ってから行こうか」

「わかりましたぞ!」

ちなみに錬と樹、エクレアはコロシアムを見に行ったそうですぞ。

後で俺達も行きますかな?

そんな風に考えていると丁度錬達が帰ってきました。

「ただいま戻りました」

「あ、樹、錬、それにエクレールさん。コロシアムはどうだった?」

「傭兵達の一騎打ち……中々熱い戦いをしていましたね。映画でも見ている様な気分になりましたよ」

「そうだな。技術だけ見ても面白いモノを感じた」

錬が樹に合わせて頷きますぞ。

「傭兵の武術は野蛮な物が多いと聞くが、アレはアレで効率的な戦い方だな。学ぶ物も多い」

エクレアは元から技術はありますからな。

エネルギーブーストを使いこなす流派の話を聞いて、がんばってはいる様ですぞ。

「やっぱりみんな参加してみたいとか?」

「樹はきっとパーフェクト=ハイド=ジャスティスとか、そういうリングネームで出場するのですな!」

「なんですかその恥ずかしいネーミングは!」

なんですかも何も、最初の世界で樹が使ったリングネームだと聞きましたが。

まあ実際に見た訳ではないですがな。

「最初の世界でお義父さんが樹を小馬鹿にしている時に呟いた台詞ですぞ? なんでも樹がコロシアムで使っていたとか」

「尚文さん!?」

「え? 俺の所為になるの!?」

心外だとばかりにお義父さんは首を振っています。

そうですぞ。愚かな樹が自爆しただけですぞ。

「道化をしていた樹の話だろ。今は違うんだ、気にするな」

「……わかりました。けど、なんですかその直球過ぎるネーミングは……僕は僕がわかりませんよ」

「正義に溺れてたんじゃない?」

「そうなんですかね……でも実際にやりそうで怖いんですよね」

「そういや尚文、イミアの親戚は見つかったか?」

錬の台詞にお義父さんは首を横に振りましたぞ。

「それが全然でね……そういう話はゼルトブルじゃ割と当たり前にあるらしくて、一日じゃあ手掛かりも掴めないんだ」

「やはり詳しそうな人を国に頼んで斡旋してもらうしかないか?」

「かもしれないね。まあ、どうにかして見つけて見せるから、イミアちゃんも安心して待っててね」

「は、はい……」

モグラはお義父さんに諭されて俯きながら頷いておりますぞ。

大丈夫ですぞ。お義父さんが本気になれば出来ない事など無いのですからな。

「ふふ、イミアは本当にイワタニ殿の事を信頼しているんだな」

エクレアが微笑ましいとばかりに呟いておりますぞ。

モグラはますます俯いてしまいました。

「エクレールさん。イミアちゃんをからかっちゃダメだよ」

「冗談だ。イミア、すまなかったな。では食事に行くとしよう」

「そうだね。ゼルトブルの名物料理とか食べに行こう」

なんて感じでワイワイと俺達はゼルトブルの夜の街へとみんなで踏み出しました。

ゼルトブルは夜でも活気が溢れており、俺達が全員で歩いていても違和感が無いのですぞ。

それだけ複雑な人種が混在していて、雑多な感じの都市なのですぞ。

「何処が良いかな?」

「庶民的な店が良いんじゃないですか? お酒とか」

「未成年」

「尚文さんは真面目ですね」

「そうだそうだ」

錬が異議を唱えますぞ。

そんなに酒が飲みたいのですかな?

「尚文さんって酔わないんでしたよね」

「うん。だから飲み会とかは幹事を良くやってたね。みんな泥酔する事が多い事多い事」

「便利だと思う反面、少し可哀想に思いますね」

「だからって樹と錬が酒を飲む事は許可しないからね」

「なの! ガエリオンはお酒飲みたいなの。銘酒は体に染み渡るらしいなの」

ライバルがそう答えるとお義父さんは困った様に助手の方を見ますぞ。

「ドラゴンは酒豪」

「うーん……その外見でお酒を飲まれるのはちょっとなー……」

忘れガチですがライバルはサクラちゃんに張り合って幼女姿ですからな。

「じゃあ後でドラゴンの姿になるなの!」

「サクラはー?」

「フィロリアルは酒飲みの性質はあるのかな? 元康くん?」

「聞いた事はありませんな」

「じゃあダメ」

「お酒ー?」

「わからずに聞いてたのか……とにかくサクラちゃんは飲んじゃダメだよ」

「あの匂いがイヤー」

お義父さんが転びそうになっていますな。

微妙な笑みを浮かべてお義父さんは『じゃあ果物のジュースを飲もうね』と言っています。

するとサクラちゃんは喜んでますな。