軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

フィロリアル配合議論

「ちょうど来たみたいだよ。詳しくは聞いたら良いと思うよ」

お義父さん達の元にフィロリアル生産者が近寄っていきますぞ。

「こりゃあ……随分と増えたなぁ……」

「どうですか? ある程度は要望に応えられると思いますが」

「言うまでも無い。戦闘面でも十分な程の能力を兼ね備えているみたいだしな」

「後はみんなクラスアップするだけという状況です。準備が終わり次第、波に備えた配備をする予定ではありますね」

「配合とかはどうするんだ?」

「個人に聞くという状況ですね……」

と、お義父さんは生産者に向かって言いますぞ。

生産者は何故か眉を寄せていますな。

「話が成立する相手に、命令し辛いな……」

「その相手と子供を産めとはとても言えない外見をしてますからね」

「俺だったら断るぞ」

樹と錬が何やら同意してますな。

「言って聞いてくれたら良いけどね」

「育成ゲームというジャンルをリアルでやるとこんな問題に当たるんですね」

「慣れていくしかないのかな?」

「慣れたくはないな。特に尚文の場合はサクラとガエリオンがあってやり辛いだろ」

「あはは……まあね。錬も樹も未成年だし、18禁な事をあの子達がやっている光景を見るのは……ね」

「高校生でもやっている人はいますよ? でも幼女と少年の絡みはちょっときついですね」

む? 婿入り嫁入りですかな?

その話、詳しく聞かせて欲しいですぞ。

「まあ、どっちにしても産まれて一週間やそこらじゃ体が出来て無い。俺がその辺りは管理してやるから、もう少し先だな」

「お願いできますか?」

「やる時はちゃんとフィロリアルの姿になる様に命令してくれよ」

「間違っても天使形態でやって欲しくないね」

「卑猥な話はこれくらいにしましょうよ。とりあえず、カルミラ島でのLv上げは一区切りにして、フォーブレイで起こる次の活性化が発生するまでの間、波に備えて訓練をして行くのが良いんじゃないですか?」

「……そうだね」

「ま、これだけいるなら足の速い奴をフィロリアルレースに出してみてぇな」

生産者はどうやらレースへの情熱があるようですな。

遠くからフィロリアル様達を見ている目に意志を感じますぞ。

フィロリアル様達も走るのは好きですからやってくれるでしょう。

おや? ユキちゃんがフィロリアルレースと聞いて興味深そうに見ておりますぞ。

「ユキちゃんはフィロリアルレースに興味があるのですかな?」

「ありますわ! このユキ、誰よりも速くなりたいと思っていますわ」

おお! ですがそれはフィーロたんすらも追い抜くと言う意気込みの現れですぞ。

良いですかな? ユキちゃん。

それはフィーロたんを超えるという事。

がんばってみると良いですぞ。

まあ、フィーロたんの本気の走りに追い付けるか見物ではありますがな。

「お義父さん! ユキちゃんがフィロリアルレースに興味があるそうですぞ」

「じゃあユキちゃんはフィロリアルの中でLvは高い方だし、お願いしてみようかな?」

「やりますわ!」

「という事で、訓練って訳じゃないですけど、ユキちゃんをお願いします」

「わかった……とはいえ、歩調や筋肉の付き方から見て、専門家でもわからない所がある。牧場に戻って様子を見るぞ」

「じゃあそろそろみんなー! 島から出て国に戻るよー」

「「「はーい!」」」

フィロリアル様方がみんなフィロリアル形態になって海へと泳いでいきますぞ。

もちろん、お義父さんが用意したフィロリアル様用の船の方へと向かうのですな。

乗り切れない子達は後を追う様ですぞ。

「じゃ、俺達もカルミラ島から出て次の行動へ移ろうか……フィーロって子を探すフィロリアル探しへ」

「なんとも間抜けな光景だな……」

「フィロリアルばかり見ていたので、エクレールさんやガエリオンさんが新鮮に見えますね」

既に船に乗って手を振っているエクレア達を、樹や錬は何やら複雑な心境と言った目付きで見ております。

「勇者殿達ーどうしたのだ?」

「フィロリアル臭い島になったなの……早く島を出た方が良いなの」

「うん。イミアちゃんが襲撃される事、8回もあったもんね」

「なの。フィロリアルは野蛮なの」

「えっと……」

エクレア達が各々俺達の方を見て呟いていますぞ。

「じゃあ出発だね」

お義父さんの言葉に頷き、俺達は一路、港を目指して出発したのですぞ。

メルロマルクに戻った俺達はフィロリアル様をクラスアップさせてから様々な国へとフィロリアル様を派遣する事を決めたのですぞ。

城の近衛と言う訳ではありませんが、波に対する切り札として各国で歓迎されました。

もちろん、フィロリアル様の能力は高いですからみんな頼りにしている感じでしたぞ。

一応、ユキちゃんやコウをリーダーとして色々と教育をして行くそうですな。

波に備えつつ、俺達はフィーロたん探しを続けるのですぞ。

「盾の勇者、私に会わせたい人って誰よ?」

「ああ、ちょっと協力というか意見を聞きたい感じかな? フィロリアルの研究をさ」

「こいつは何者だ?」

「えっと、この人はラトティルさん。フォーブレイで魔物の研究をしている錬金術師で魔物に凄く詳しいんだ。だからフィロリアルにも詳しいと思う」

お義父さんは生産者と主治医を出会わせてフィロリアルの研究をしようとしている様でしたぞ。

今、俺達は生産者の牧場でフィロリアル様を自由に遊ばせております。

数が増えたフィロリアル様のお陰でにぎやかになっていますな。

「手伝って欲しい訳ね。ま、これも研究の一環として資料に目を通すとしましょう」

「お前、本当にフィロリアルに関して詳しいのか?」

生産者は若干ガラが悪いですからな。

主治医に対して懐疑的な様子ですぞ。

「ある程度はね。ちょっと前に見たフィロリアルの遺伝子分析をした感じだと、血中に存在する――」

そこから先は何やら専門用語の羅列でしたぞ。

よくわかりませんな。

俺も勉強すべきですかな?

「そこまでわかってるなら話が早い。じゃあ勇者様達に育ててもらって様子をみたい組み合わせはかの名羽アルコリアンと――」

ですがフィロリアル生産者の方は主治医が何を言っているのかわかった様ですな。

「アルコリアンはフィロベーリル種でしょ? 配合表は見たけど、その組み合わせだと脚部不安になるわね。勇者補正があってもこれ以上の組み合わせはかえって遅くなりかねない……いえ、フィロリアルの遺伝子を見るとYU型因子の活発化が判明しているからフィロアリア種の――」

そこから先はかなり熱い答弁になったようですぞ。

意味不明な会話が繰り返し行なわれました。

「元康くんはルナちゃんって子の調達をお願い出来る? いなかったらしょうがないけど、メルロマルクの女王様には話を通してるから城に行くだけで調達出来ると思うよ」

「わかりましたぞ!」

「で、俺達はクラスアップした連中の底上げにでも行くか……」

「そうですね。波に備えた準備……確か近日中に波が隣国であるらしいですから、そっちの準備をしておきましょう」

ちなみに魔物商はメルロマルクの裏路地にあるテントにおりました。

女王が帰還してしばらくしたら戻って来たらしいですぞ。

お義父さんの斡旋で既に卵の確保は出来ていたので、譲り受けました。

女王の心添えですな。

ルナちゃんの卵は運良く残っていました。

お義父さん曰く、次の活性化イベントで育てるそうなので保管しておくそうですぞ。

ルナちゃん……そう言えば思い人であるキールは何処でしょうな?

ま、何処かで会えるかもしれませんな。

「みんな! 世界の為に戦うのですぞ!」

「「「おー!」」」

俺の掛け声にフィロリアル様は元気に答えて下さいますぞ。

夜はフィロリアル様に囲まれて眠る生活……充実していますな。

「日に日に元康がフィロリアル臭くなっていくな」

「装備もフィロリアルの羽で集めた物で固めて行くみたいですね。マントが既に羽毛のマントになってますよ」

「元康はどこまで行くんだろうな……」

などと錬が疲れた様な声で呟いてますな。

俺はどこまでも行きますぞ。

「まあ良いんじゃない? あ、そういえばブリーダーからユキちゃんをフィロリアルレースに出す話が決定になったよ」

「フィロリアルレースですとな!?」

俺がお義父さんの方に身を乗り出して尋ねますぞ。

フィロリアルレースで活躍するユキちゃんを想像します。

……最高の光景ですな。