軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

フィロリアル計画

「とりあえず、いろんな所からフィーロって子の特徴をバラバラに募集しようと思う」

「白にサクラ色ですか?」

「そう、体色とは違う目の色、雌限定とかね。その中での一番に条件が適合するフィロリアルを集めて行けば……正解に近付くかもね」

おお、お義父さんは権力や財力を得てもそれをフル活用する考えを持っているのですな。

しかも二度手間にならない様に細かな配慮もしているのですぞ。

「捜索範囲はメルロマルク近隣に絞れば、大分確率もあがるかな。もちろん、何かしらの条件でフィーロって子になるかもしれないから俺達はカルミラ島でフィロリアルの育成をするけどね」

「色々と面倒な事をするんだな……」

「これも元康くんの為でしょ?」

さすがお義父さん。

権力があればあった分だけ捜索範囲が拡大して行きますぞ。

「そうだな。色々と困ってはいるが、元康には沢山助けられたからな」

「そうですね。何度ループしても好きな相手に会えないのはつらいでしょうし」

と、錬と樹は同意しています。

くっ……今回の錬と樹は良い奴ですな。

見直しました。

「エクレールさん、今日はこの足でメルロマルクの城へ行って女王様に手配してもらう予定だけど、良いよね?」

「問題は無い。波に関しても勇者間で管理出来ている訳であるしな」

「と言う事で、俺達はこの足で城に向かってフィロリアル探し、とりあえず白いフィロリアル探しだね」

「むー……複雑な心境ですわ」

おや?

ユキちゃんが何やら難しそうな顔をしていますぞ。

「元康の情報だとひな鳥の時の姿がわからないのが問題だな。今までの傾向から白系だとは思うが……」

「召喚されるよりも後に産まれた命であると言うのが問題ですね。下手に行動すると出会えないとは……」

「しかも話によるとクジとかで当てた可能性があるとなると、歴史通りにさせたとしても引き当てる確率がね」

お義父さんがポツリと呟いたその言葉が、俺に重く圧し掛かった様な気がしましたぞ。

ああフィーロたん、あなたは何処に居るのですぞ。

「まだガエリオン持ってないとダメなのー?」

俺の後ろでサクラちゃんがお義父さんに質問していますぞ。

「なのー……ちょっと乗り心地悪いなの……」

ライバルはざまあみろですな。

ですが、サクラちゃんが乗り心地悪いという意見は気に食わないですぞ。

なら最初から来るな、ですぞ。

「とりあえず、明日の交渉が終わったらサクラちゃんの親戚筋を重点的に購入して出発になるかな?」

「サクラの親戚ー?」

「そうそう、妹とか弟とかね」

「んー?」

サクラちゃんは首を傾げておりますな。

フィロリアル様に兄弟の概念はちょっと薄いですぞ。

「もしかしたらサクラちゃんの親戚に元康くんの大好きなフィロリアルがいるかもしれないんだってさ」

「そうなんだー? モトヤスがんばれー」

「サクラさんは完全に他人事ですね」

「フィロリアルの中で一番天然でおっとりしてるからな」

「コウは牧場で何かするのー?」

錬と樹がコウに対してゆっくりと顔を見ますぞ。

やはりお嫁さん探しを勧めるのですな?

「コウさんは特に何かする必要は無いと思いますよ」

「そうだな。卑猥な事は俺達の見えない所でやってくれ」

「アマキ殿やカワスミ殿は……まあ、私も出来れば見たくない。コウがな……」

「んー?」

「みんなコウが子供のままで居て欲しいと思っているんだよ」

と、お義父さんがコウの頭を撫でますぞ。

親心という奴ですな。

「んー?」

ますますコウは首を傾げました。

「とはいえ、フィロリアルに発情期とかあったらどうなる事やら……」

「ありますぞ」

お義父さんが呟いた言葉に俺は同意しますぞ。

フィロリアル様には恋の季節がありますぞ?

その時のフィロリアル様はちょっと凶暴ですな。

まあ、フィーロたんが過ちを犯さない様に阻止するのは大変でしたが。

お義父さん達がゆっくりとサクラちゃん達に視線を向け、ゆっくりと俺の方へと戻りましたぞ。

「フィロリアル様達は確かに天使ではありますぞ。恋は重要という事ですな」

「尚文、フィロリアルの育成計画はお前が色々と大変な事になるんじゃないか?」

「そうならない様に厳重に管理するよ。今日会ったフィロリアルのブリーダーの人にも協力してもらってね」

「んー?」

コウが首を傾げながら樹を見ますぞ。

何故そこで樹なのですかな?

「仮にですよ。コウさんが僕の髪に興味を持った時の様に群がられたら……」

「がんばらなきゃね」

「所詮は魔物なのー」

「お前もだろ」

「ガエリオンさんが言っても説得力は無いですよ?」

まったくもってその通りですな。

高貴なフィロリアル様と下賎なドラゴンを一緒にしてもらっては困りますぞ。

そんなこんなで翌日になったのですぞ。

あのフィロリアル生産者は翌日までの間にお義父さんが登録したフィロリアルの変化を確認して商談に乗る事を決めた様ですな。

「昨日の話、受けさせてもらう」

お義父さんがくると同時に握手したのが印象的でしたな。

「ありがとうございます。さっそく俺達はカルミラ島という保養地兼、活性化現象が発生している地へと出発しようと思うのですが、来れますか?」

「出来なくはないがー……」

「船の手配は済んでいます。後はフィロリアルの提供をして頂ければすぐにでも可能です」

「わかった。じゃあ倉庫にある卵を持っていくとするか」

と言う所でお義父さんがさりげなく尋ねますぞ。

「それでですね。サクラちゃん……俺達と同行しているサクラ色のフィロリアルの親戚筋で研究を行いたいので、兄弟姉妹の同じ配合で産まれた卵を持って行ってくれませんか?」

「ん? ちょっと待ってろ」

生産者はリストからサクラちゃんの事を調べ上げているようですな。

「んー……血統書がある種類じゃねえな。ぶっちゃければ食肉用と食卵用の種類みたいだ。こんなのが優秀に育つのか?」

「サクラちゃんは性格的に若干おっとりではありますが潜在的にはかなり優秀ですよ? 血筋も研究対象になりますけど、勇者が育成するとなると別の資質も影響を受けるかもしれない。なのでお願いできませんか?」

おお、お義父さんの切り返しも筋がある様に聞こえますぞ。

フィロリアル生産者も一理あると頷いて、若干手間取りながらも情報をかき集めた様ですぞ。

「俺の所にあるのはこんなもんだな。後は出荷しちまって足取りを追うのは面倒だな」

「追跡調査をお願いできますか? 勇者の伝承に白くてサクラ色の……こんな色合いの雌のフィロリアルの潜在能力が高いとありまして、クイーンにさせてみたいんですよ。ああ、年齢も三カ月以内と限られているそうです」

と、お義父さんはフィロリアル生産者に俺が描いたフィーロたんの絵を見せました。

確かにこの方法なら自然とフィーロたんを探し出せますからな。

錬と樹が感心したように親指を立てております。

エクレアは逆に何やら呆れた様に溜息を洩らしましたな。

「ほー……わかった。調べてみよう。ここまで条件があるなら見つかるかもしれないな」

そんなこんなでフィロリアル生産者と共に俺達は大量のフィロリアル様の卵を持ってカルミラ島へ向けて出発する事になったのですぞ。

で、カルミラ島ですな。

若干、時期に遅れがちに島に辿り着いて、到着した日には活発化が完全に始まっていました。

お義父さん達は若干観光気分で島の本島でレクチャーを受けております。

俺はというと大量の卵を手に入れてウキウキな気分で登録をしている最中ですぞ。

「食料に関しては島で手に入れた魔物とかを現地で捌いて餌として与えるのと、持ち込んだ食材を与える班で分ける様にしたから」

「ああ、ブリーダーの人との相談ですね」

「食事一つで結構影響出るらしいからね……まあ大丈夫だと思うよ」

「のびのびと育てないのですかな?」

「そう言うだろうから元康くん達は好きに育てて良いよ。登録者の個人差もあるだろうしね。今回持ってきたのは協力者のブリーダーから50、メルロマルクから35、フォーブレイから35という振り分けだから」

「そんなに預かったのか……」

錬が呆れた様な口調で言いましたぞ。

何がおかしいのですかな?

俺は前回の周回で100羽のフィロリアル様を育てましたぞ。

これから天国が始まるのですな。

フィロリアル様計画、始動! ですぞ。

「一応、数が多い方が当たりを引き易いし、統計も取れると思うんだ。それに波に備えたいのと各国の協力かなー? 夜には定期会議を予定しているから錬達もお願いね」

「確か元康さんの話だと、僕達が勇者としての強化をこの島で話し合ったそうですが……」

「今回はフィロリアルの育成会議になるのか……先が思いやられるな」

「みんなが育てたフィロリアルがどう変化するのか楽しみにしてるよ」

「真面目にがんばりましょう!」

おや? 樹がやる気を見せていますな。

その調子ですぞ。

お義父さんの手となり足となり働くのが至高の幸福なのですからな。

「そういえばお義父さん、この島で見つけた石碑に目を通しましたかな?」

「これからかな? もしかしてあのトーテムポール?」

「ですぞ」

「あそこに魔法があるのか」

「十分に勉強したから読めますよね?」

「結構大変だったもんね」

という感じでお義父さん達は石碑に描かれている魔法を読んで習得をしました。

前回のような失敗はもうありません。

勇者総出でフィロリアル様の育成と言う夢のような状況が今、展開されて行くのですぞ。

さあ、フィーロたん。貴方を見つけるのは後少しですぞ!