軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

ダンジョンに挑戦

「確かにあのユータという人の話を聞くね」

移動した町の冒険者ギルドで勇者の足取りを聞いていると、ギルド員が人探しならこの方に依頼するのが良いですよ。

と、お義父さんに説明したそうですぞ。

その人物がコーラなる人物で、中々に実績があるんだとか。

「最近注目を浴びているという事なんでしょうね」

「ただ……このユータって人、出身地が良くわからないみたいだよ?」

お義父さんがギルド内の冒険者名簿から経歴を閲覧していますな。

「冒険者をしている奴に出身まで詳しく必要なのか?」

「まあ、その辺りは偽ることは簡単そうだね。元康くんの話で出てくる最初の世界の錬や樹もやってそう」

「そうですね。何でも屋で、依頼を達成した人が報告するという点では潜伏しやすそうですよ」

「冒険者ギルドもピンからキリまである。先ほどの者達では無いが、仕事さえ出来れば生まれは不問な所も多い」

エクレアが後押しとばかりに同意してますな。

上手く回っているとも言えますが、俺達には大きな障害となっておりますぞ。

「勇者の足取りは掴めず、この辺りの町ではあのユータって奴の話で持ちきりか」

「達成した仕事は、凶暴な魔物の討伐、ダンジョンの制覇、盗賊の討伐ですか」

「冒険者としては目まぐるしい活躍だね。新しい仕事を探しに町を移動しているみたいだし」

「では奴に人探しを依頼するのですかな?」

「うーん……」

お義父さん達は期待の眼差しを向けるギルド員への返答を迷っている様ですぞ。

まあ腑に落ちない所も多いですからな。

何より今回のお義父さん達は人間に対して、やや不審気味なので、見ず知らずの冒険者を雇う事に不安があるのでしょう。

「ワザワザ呼びつけるのもなぁ。よそよそしかったし、依頼しても断りそうじゃない?」

「……俺達が依頼を請けている状態なのに、それを別の奴に任せてどうするんだ」

「確かにそうですな。しかし……」

俺は今までの経緯と投擲具の勇者の足取りを書かれた物に目を向けますぞ。

召喚されたばかりの記述ばかりで、ほとんど抽象的な文が続いています。

「消息が掴め無さ過ぎでは無いですかな?」

目撃証言からなにまで召喚されて数日でわからなくなっていますぞ。

これでは探しようが無いのではないですかな?

「そうなんだよね。山奥にでも潜んでいるのかってくらい足取りが掴めないし」

「フォーブレイの七星勇者を信仰している教会の明かりを見る限り生きてはいるみたいですけどね」

「こんな砂漠に落ちた針を探す様な作業を波の合間にやっていられるのか?」

「うーん……思ったよりも難航しそうだね。正直、ウィンディアちゃんかラトさん辺りを強くさせて鞭の勇者になってもらいたい所だよ」

「元も子も無いですが気持ちはわかりますね」

「小手は元康くんのポータルである場所にいけるし……対応した使い手を育成する事を視野に入れるのも手かもね」

「槌はサクラさんが前回の周回で所持していたのでしたっけ? 元康さんの話では」

もはや捜索を打ち切るかの算段に入っていますぞ。

俺達の時間は有限ですからな。

確かに波など造作も無いほど強くなっておりますが、いつまで経っても見つからない投擲具と斧の勇者を探すくらいなら、タクトから奪った七星武器と所持者が見つかっていない小手の新たな持ち手を探す方が有意義かもしれませんな。

「フォーブレイでは連日、七星勇者の召喚をやってるんだっけ?」

「らしいですよ? ただ、成功はしていないそうですけどね」

お義父さん達の溜息は深いですな。

毎回七星勇者は俺達を困らせますな。

「ま、調査日数はもう少しあるし、サクラちゃんやウィンディアちゃんのLv上げにダンジョンに潜って見る?」

話題を切り替えるかの様にお義父さんが提案しました。

「良いかもしれませんね」

「イミア、お前も最近じゃ腕が良くなってきている。勇者の助けなしで戦って見るのも良いかもしれない」

「うむ。私直伝の小剣を上手く使いこなせるようになったからな」

「は、はい!」

モグラは何だかんだで錬とエクレアのレッスンを受けて上達して来ているそうですぞ。

確かにお義父さんの意見には同意できますな。

「ウィンディアちゃんやサクラちゃん、他に槌や小手……ハンマーとか使いこなせそうな人や素手で戦えそうな人を育てるのも視野に入れるべきかもね」

「フィロリアルさん達は揃ってツメとか使いこなせそうですね」

そう樹が言いました。

よくわかっていますな。

俺は気分が良くなりますぞ。

なんせ、ツメは最初の世界でフィーロたんが使っていた武器ですからな。

「フィーロたんはツメの勇者に選ばれましたぞ!」

「となるとフィロリアル達にもがんばってもらおう。俺達は十分過ぎるほど強くなっているし、テクニックや心持を鍛えないといけないのかもしれないがな」

「勇者としての資格がどんな物なのかわからないのが問題かもね」

「元康さんの話ではありませんが、戦いへの気概が関わっているんじゃないんですか?」

「どうなんだろうね? どっちにしても、見つからないなら次の波までに戦力の増強を視野に入れて、ダンジョンや危険な魔物の生息する場所に行ってLv上げをしようよ」

「異論はありませんよ。と言うか……」

樹が俺の方に視線を向けますぞ。

「簡単なのは今までの周回で誰が所持者になっているかじゃないのですか?」

「元康くんの話だと、タクトを倒した時に俺達の仲間が大抵選ばれたらしいからね。それに合わせれば良いんだろうけど……」

「その元康の話が曖昧な所ばかりだからな。大体フィロリアルか尚文の話ばかりだ」

おや? そうでしたかな?

ですが自然の摂理として、フィロリアル様の話、そしてお義父さんの話が増えるのは当然ではないですかな?

俺が笑みを浮かべるとお義父さん達が溜息を吐きました。

「最初の世界では、ツメはフィーロたん、槌はフィーロたんのお姉さん、小手はお義父さんが使役していたハクコ種の奴隷が持ち主でしたな」

「ツメと槌はフィロリアルか……小手は尚文が育てた奴隷か」

おや? 錬が何やら勘違いしていますぞ。

槌はお姉さんですぞ。

これは訂正しないといけませんな。

「前回は槌がサクラちゃんだったんだっけ?」

訂正する前にお義父さんが俺に尋ねてきました。

なのでお義父さんの質問を優先します。

「ですぞ。投擲具はユキちゃんでしたな」

「じゃあこの近くにあるダンジョンでフィロリアル共のLvを上げて、七星武器に選ばれるか挑戦するか」

「ふふふふーガエリオンもがんばって強くなってツメの勇者を狙うなのー!」

ライバルがここで宣言しますぞ。

そんな真似は絶対にさせませんぞ!

「あの……勇者様方……」

投擲具の勇者の顔を知る者がここで申し訳なさそうに喋りましたぞ。

「Lv上げをする事に異論は無いが、勇者殿達、投擲具の勇者探しもしてほしい」

エクレアが汲み取って提案しましたぞ。

「わかってるって、どっちにしても捜索範囲を広げないといけないし、その為の人手もいるでしょ。元康くんが考えたフィロリアルプランもある程度はやりたいし、その下地作りも兼ねてるんだよ」

お義父さんが俺達の考えを説明しました。

間違いないですな。フィロリアル様は絶対に必要ですぞ。

俺はうんうんと頷きます。

「じゃあ何処のダンジョンに行こうか? 錬や樹はその辺り知ってる?」

「そうですね。ゲームの頃と同じなら……」

ギルド内にある地図に目を向けて俺達は何処へ挑戦するかを決めますぞ。

「僕達がずっと助けていたらイミアさんやウィンディアさんはLvが高いだけのタクトの仲間みたいになりそうですからね。ある程度は見守れるように、この辺りが良いんじゃないかと思います」

と、樹が一つのダンジョンを指差しました。

俺達的には、少し戻る事になる場所ですな。

「近場で片付けるなら妥当だな。もちろん、ゲームだった頃の話だが……だが、ここは必要Lvが若干高めだぞ?」

「良いんじゃないですか? クラスアップを経験して少し程度ですから」

「無茶をさせ過ぎるのは良くないし、かと言って簡単過ぎても意味が無いからね。適正Lvが良い経験になるかもね」

「では行きますぞ!」

俺が先頭に立とうとした所で、お義父さんと錬が俺の肩を掴みました。

これはどういう事ですかな?

「なんですかな?」

「元康くんは一番後ろね? ウィンディアちゃんやサクラちゃん達の経験を得るためなんだから」

「そうだ。班分けしてダンジョンの攻略を並列でやっていく予定を組んだんだからな」

「わっかりましたぞ!」

色々と難しい事はお父さん達に任せる事にしますぞ。

俺は言われた通りに行動すれば良いのですな。

そうすれば未来は俺達の物ですぞ!