軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

代わる代わる

「あ、はい。色々と大変でした」

「ブフフフ、話は聞いておる。メルロマルクも多大な被害を受けたそうじゃな」

「ええ、まさか三勇教があそこまで暴走しているとは予想外でした。勇者でなければ対処できたかどうか」

「ブフフフ、そのようじゃな。全世界単位で三勇教は邪教として認定、もはや息など出来んじゃろう」

何やら豚王が涎を垂らしておりますな。

タクトの豚共を接収したのに、次は三勇教の豚共ですか。

忙しそうな連中ですな。

「それに……勇者達によって連行された女もワシの元に送られたしの」

「ああ……確か三勇教派のシスターとかの生き残りが王様の元へ送られたんでしたっけ?」

「ブフフフ、そうじゃ。まあ、そこまで多くはないがの」

ここで錬がお義父さんに内緒話をしますぞ。

「妾を取りすぎじゃないか?」

お義父さんは人差し指を立てて内緒と応じます。

まあ、お義父さん達は詳しく知りませんからな。

あくまで嫌な相手の嫁にさせられる刑罰だと思っているのでしょう。

「この世界の罰則って良くわからないからね。きっと面白い話じゃないし、とりあえず聞き流そうよ」

豚王もお義父さんと錬の内緒話の間を待ってくれていますぞ。

地味に慎み深い豚ですな。

さすが豚の王。

「それで盾の勇者さん。槍の勇者さんから聞いた映像水晶によるワシの女とのプレイを――」

「い、忙しいので結構です! 色恋に現を抜かしている暇はありませんし、間に合っていますので」

それとなくお義父さんはエクレアとかに視線を移しますぞ。

おや? そんな関係だったのですかな?

エクレアの方は若干不快そうに眉を寄せました。

豚王は錬や樹に目を向けますが、錬と樹もブンブンと首を横に振ってエクレアに助けを求めるように目を向けます。

「ブフフフ、そうかそうか。やはり勇者達じゃな! ワシとは仲良くなれそうじゃ! 今夜、一緒にせんか?」

「お断りします!」

「な、何か納得されちゃいましたよ!?」

「一体何を察したんだ!」

「まさか……」

おや? お義父さんが何かを察した様ですな。

青ざめた表情でエクレアと錬と樹を見ます。

「な、何かわかったのか?」

「多分、王様は俺達が代わる代わるエクレールさんを――」

「イワタニ殿」

エクレアに注意されてお義父さんが話をやめますぞ。

錬も樹も察した様ですな。

俺はユキちゃんとコウと手を繋いでその様子を見ておりますぞ。

「ブフフフ、さて、では勇者達には次の依頼を受けて頂こう。とは言うが各国の波を鎮める仕事じゃ」

「はい、随時各国へ移動してポータルネットワークを構築する予定です」

「勇者達は働き者じゃな。では余裕があったら他の仕事もして頂ける事を祈っておるぞ。ではワシは失礼する。ブヒヒヒヒヒ」

こうして豚王は公務を終えて、タクトの豚共との戯れに帰った様ですな。

何だかんだで豚王派の大臣達も豚王が遊んでいる方が良いのか、仕事は順調に進んでいるとかで感謝されました。

それにしても最後の雄叫びはなんだったのですかな?

「ブヒヒヒヒー! って言ってたーぶひひー」

「サクラちゃん、マネしちゃダメだからね!?」

お義父さんがサクラちゃんに注意しています。

確かにあんな風に鳴くフィロリアル様は……それでも俺は受け入れますぞ!

しかしお義父さん達は嫌らしく、錬と樹も加わって注意していました。

やがて、その話題が終わるとお義父さんが言いました。

「あの王様、やる時はやる人みたいだけど、ぶっちゃけ色欲に現を抜かし過ぎなんじゃ……」

お義父さんの言葉にその場に居た殆どの者が頷いて溜息をもらしますぞ。

「全くだ。私がイワタニ殿達の娼婦扱いにされたぞ!」

エクレアが不服そうに腕を組んで言いました。

その通りですぞ!

お義父さんが、こんなお菓子みたいな名前の奴に発情するはずがないですぞ!

「ホントごめんね。そんなつもりは無かったのに……」

「すいません……」

「ああ、俺達がエクレールに手を出せるはずないだろ。悪かった」

「……何だろうか。これはこれで不服な気がするのは」

エクレアが微妙な顔をしておりますぞ。

俺はその間に、ユキちゃん達と戯れておきますかな?

「元康くんは完全に蚊帳の外だね」

「まあ……元康さんはどんな人なのか大体見ればわかりますからね」

「まさか元康を羨ましがる時が来るとは思わなかった」

おや? 俺が注目されている気がしますぞ。

ではここで親指と人差し指の間の部分を顎に当ててアピールをしますぞ。

昔練習した、歯を輝かせる動作も同時に併用します。

キラッ☆

「カッコいいですわ、元康様!」

「やめろ元康。ウザい」

「ウザいですね」

「……無言でやられるとね」

おや? お義父さん達が若干不愉快そうですな。

別に俺はお義父さん達を困らせようとしている訳ではないのですぞ。

「ホントなの! なおふみはガエリオンが狙ってるから、えくれーると関係があるって言うのはダメなの」

ここでライバルが謎の自己主張をしますぞ。

「んー? なんのお話?」

サクラちゃんは首を傾げておりますな。

ここで反応しないとお義父さんを取られてしまいますぞ!

「サクラちゃん! お義父さんの純潔を守るためにライバルと睨み合いをするのですぞ!」

「えー? わかったー!」

俺も参加しますかな?

ん? ライバルが目をチカチカさせようとしております。

俺が入るとフラッシュさせるつもりですな。

く……どうしますかな?

「元康くん、また睨み合いをしようとしてるけど、危ないからやめてね?」

「わかりました。ですがライバルにはお義父さんはやりませんぞ」

「ああ、はいはい。ウィンディアちゃん、ガエリオンちゃんを止めてね」

「はーい。さ、ガエリオン」

「うー……お姉ちゃん、ガエリオンはなおふみを諦めないなの!」

ライバルは助手には弱いですからな。

中にいる親の方は本当に地味ですな。

「まったく……毒気が一瞬で抜かれた気がする」

「とりあえずは、次の仕事をしましょう。尚文さんじゃありませんがポータルで各国に一瞬でいけるようにしないといけませんね」

ここで大臣っぽい奴が手を上げて間に入ってきますぞ。

「その点に関してなのですが、タクト一派から接収した汽車や飛行機械の類をご利用ください。移動魔物よりも遥かに短時間で目的地に到着できるでしょう」

「ありがとうございます。汽車もあるんですね」

「ガ……」

そこでライバルを含めてフィロリアル様達も唖然とした表情を浮かべております。

「ガエリオンの仕事が取られちゃったなの!」

そして頬に両手を当ててガーンとばかりに異議を唱えておりますぞ。

「元康様! 私達はお払い箱なのですか!?」

おや? 前回の周回でもタクトから接収した乗り物は利用しましたぞ。

にも関わらずこの反応は何なのですかな?

サクラちゃんはピンと来ておりませんな。

「どうしてそうなるの!? ガエリオンちゃん達も疲れちゃうでしょ。だから利用できるモノなら利用すればいいと思うよ?」

「ガエリオンのプライドの問題なの!」

「プライド……」

「フォーブレイ内じゃ汽車もあるのに乗り物としてのアイデンティティまであるのですか?」

樹がユキちゃんに尋ねますぞ。

何を当たり前の事を聞いているのですかな?

「当り前ですわ! 汽車など私達にとっては敵なのですわ」

「フィロリアルって……」

「んー? そう?」

「サクラの反応からすると、個人差である可能性はとても高いな」

「んー?」

「コウさんも同様ですね。ガエリオンさんとユキさんだけみたいですよ」

難しい問題ですな。

ですが前回はライバルも大きく騒ぎませんでしたぞ。

いや、もしかしたらお義父さんが事前に何か説得でもしていたのですかな?

「ガエリオン、あんまりワガママ言わないの」

「なの! なの! でもなおふみを乗せるのはガエリオンなの!」

異議を唱えるようにライバルは助手を説得しようとしていますな。

完全に失敗しています。

「まあ、ガエリオンが乗るのもなおふみなのだけど……なの」

何やら惚気気味にほざいておりますぞ!

ぶち殺してやりましょうか?

俺が槍に力を込めようとした所で、お義父さん達はライバルを無視して歩き始めました。

「さーて、じゃあとりあえず波に備えて移動しようか」

みんな同じ認識なのか、完全に蚊帳の外なのはライバルと俺とサクラちゃんだけですな。

「むー! させないもん!」

「みんな無視しないでなのー!」

「させませんぞー!」

そんなお義父さん達を俺は追い掛けました。