軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

腐敗した政治

お義父さんは助手と一緒に小さなライバルに餌やりをしておりますぞ。

「むー!」

「はいはい、サクラちゃんもあんまり甘えない」

サクラちゃんが嫉妬してべったりですな。

助手はお義父さんには割と心を開いて来ている様ですぞ。

ライバルのお陰ですかな?

「これからどうしますか?」

「エクレールさんの領地辺りを見て回った後はすぐにポータルでフォーブレイに移動かな?」

「そうだな。エクレール、どの辺りを見て回る予定だ?」

現在、俺達は東の村周辺におりますぞ。

さすがの三勇教も俺達がメルロマルクに舞い戻っている等掴みきれないのか、刺客は今の所居ませんぞ。

まあ、とは言っても俺達は一般冒険者のフリをして潜伏するのが関の山ですな。

「うむ」

エクレアがメルロマルクの地図を広げますぞ。

最初の世界でお義父さんが領地にしていた区域ですな。

「この辺りをある程度周っておきたい。村や町がどれだけ被害に遭っているのかをこの目にしておきたいのだ」

「何だかんだでエクレールさんの親が亡くなった影響で庇護が無くて大変なんでしたっけ?」

「ああ……キタムラ殿の話では異なる時間でイワタニ殿が再興したと言うがな。女王やフォーブレイに報告する意味も兼ねて事前調査はしておきたいのだ」

「証拠固めと言う事か……」

「ついでにキタムラ殿が証言した三勇教の隠れ砦も下調べしておこうと思っている」

錬と樹が真面目そうに地図を見ておりますな。

俺は三勇教の砦のある位置に印を付けておきました。

「では錬さんとユキさんは砦と近くの町のチェックをするのはどうでしょう?」

「わかった。潜伏はスキルを取ったから出来ると思う。樹、お前はどうするんだ?」

「僕はコウさんと一緒に領地内の海岸線を中心に見ておきます。元康さんは山奥で他の竜帝を倒して欠片の確保をして頂けますか?」

「そうだね。まだガエリオンちゃんは戦えないし……俺とウィンディアちゃんは……ってサクラちゃんは手伝いたくないみたいだし、元康くんも嫌だろうからLv上げとかどうしようかな」

お義父さんはそれからエクレアに尋ねますぞ。

「エクレールさんはどうする? 誰かの付き添いをして貰えると良いと思うのだけど」

「ではイワタニ殿達が少々心配でもあるから付いて来てくれないだろうか? 領地内のアマキ殿とカワスミ殿が確認しない地域を調べたい」

「分かったよ。とは言っても、あんまり無理はしないようにね。ウィンディアちゃんもガエリオンちゃんもまだ戦える訳じゃないから」

「ガウ?」

お義父さんにじゃれる形でライバルが自己主張しますな。

ちょっとイラっとします。

助手に関してはお義父さんのマントを掴んだまま離れませんぞ。

「面倒見が良いから一任しているが、確かに尚文達だけじゃ心配だな」

「時間を決めて交代で調べて行けばいいんですよ。一日で調べきれるものじゃないですからね」

「……そうだな。だが、人の業を見る事になりそうな予感がする……樹、注意しろよ」

「ええ……状況次第で別れて調べずに固まって移動した方が良い場合になるかもしれません。定期的に集まりましょう」

こうして俺達は別れてそれぞれの役目を受け持ったのですぞ。

最初の一日で俺はメルロマルク国内の大きなドラゴンの生息地を周り、竜帝の欠片をゲットしました。

そこまで強い相手ではなかったので楽勝でしたな。

後は隣国で強めのドラゴンが出る地域を探しまわる所ですな。

なんて考えながら一日目は終わりました。

錬と樹の表情は険しい感じでしたぞ。

「元康の言う通り砦があったな。結構大きいのに見つけるのに苦労した。外からでは良くわからないが人の出入りを確認している。近隣の町は酷い物だ……廃村や廃墟となっている」

「こっちも似たような物ですね。亡骸が放置されていて腐敗を超えて白骨化している死体を何人も見ましたよ」

溜息ばかりですな。

まあ奴等の業を考えれば、理解できますが。

「かと思えば隣町では普通に住人が生活していて……さりげなく隣町で何があったのか聞いた所、『天罰で滅んだ』とか凄い台詞を笑顔で返されましたからね」

「樹、あんまり肩入れしすぎない様にした方が良いぞ。とはいえ……町の処刑場で磔にされて見世物にされた罪人……らしい奴を見ると胸糞悪いな。見た限り亜人だった」

「……」

お義父さんは黙って夕食の料理をしておりますぞ。

何分、そんな亜人達の神と言われる盾の勇者ですからな。

亜人をその場の感情だけで助けるのは錬や樹も良くは無いのは理解している様ですが。

「シルトヴェルトでも似たように人間が見せしめに処刑されている所を目撃はしたが……」

「アレを見ていなかったら僕は飛び出していたかもしれません。かと言って、結局は何もせずに帰って来た僕に何が出来るのか」

樹は強く拳を握りしめて不快感を見せますぞ。

「波は天罰だったとでも言いきってるんだろうね。腐敗した政治、貴族……まさしく何処の世も腐ってる所は腐ってるってことか」

ポツリとお義父さんは呟きますぞ。

「一度被害に遭うのも、彼らの為かも知れないね。あんまり素早く波を鎮めるのも考え物かな?」

「確かに……そう思う所はありますね」

「まだ悪い所だけを見ているに過ぎないかもしれない。もう少し町を巡って調べてみるつもりだ。樹、お前も……亜人を大事にしている町とかを見かけはしただろ? 一概に悪い奴だけじゃないと確認するべきだ」

「……そうですね。酷い町もありますが、まだ亜人を守ろうとしている町も確かにありました。エクレールさん、他にありますか?」

「ふむ……勇者殿達とフィロリアル殿達の動きが早くて助かる。残りはこの地域だ」

エクレアは地図を広げておりますぞ。

錬と樹、そしてお義父さんとエクレアが調べた地域を丸く囲っております。

一応、それなりの範囲を調べ終えた様ですな。

「そういえば奴隷狩りが活発らしいですね」

「ああ……亜人を抱えている町は奴隷狩りを警戒していたな」

「本来は国の騎士や兵士が国賊を狩る為に派遣されるのだが……」

「確かエクレールさんの話じゃ、騎士や兵士が率先してやってるんだっけ?」

「ああ……今や己の身は己で守らねばならない状況になっている」

歯痒そうにエクレアは言いますぞ。

「フォーブレイに行く途中で聞いたのだ。奴隷狩り組織の話を。せめてその組織を潰せないかと思ったが……早いうちにフォーブレイへの旅を再開しよう」

「うん、そうだね。とりあえずガエリオンちゃんとウィンディアちゃんをもう少し戦えるようにしたら、可能な限り早く行こう」

お義父さんが俺の手土産である竜帝の核石をライバルに与え始めましたぞ。

「はい、ガエリオンちゃん。あーん」

「ガーウ♪」

ライバルは機嫌よくお義父さんから核石をもらって頬張っておりますぞ。

「早く大きくなってね、ガエリオン」

「ガウ♪」

助手も機嫌が良いのか、ライバルを抱えて手をぶらぶらさせております。

仲が良いのは問題ないですが、サクラちゃんの気持ちになれですぞ。

お義父さんを独占するのは頂けないですな。

「はい、サクラちゃん」

「はーいー! ガエリオンには負けないもん」

お義父さんもなんだかなとばかりにサクラちゃんにご飯を上げていますぞ。

「成長は……早いのかな? フィロリアル程じゃないけど」

「そうなの?」

今のライバルの大きさは助手と同じくらいですな。

前回、初めて会った時よりもまだ小柄ですぞ。

「まあ、俺だけだとLvがね……サクラちゃんはやる気が無いと言うか、元康くんの手伝いに行っちゃったし、エクレールさんと一緒に徒歩でとなるとね」

「Lv上げか……」

そこに錬と樹が近づいてきますぞ。

助手はお義父さんの背中に隠れてしまいます。

「何ならこの後、夜間演習をしますか? 勇者同士は経験値は入りませんがウィンディアさんとガエリオンさんには経験値が入りますよね」

「余裕があるなら良いかもしれないけど……良いの?」

「聞いた話なんだが、この辺りで波から溢れた魔物の残りがまだ徘徊しているらしい。治安維持のためにも狩っておいて損は無いと思う」