軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

幼女か大人

「そういえば……」

フィロリアル様を買いにポータルを使った俺ですが、とある事に気付きました。

あのフィロリアル生産者にはユキちゃん達の成長を全く見せておりませんな。

見せよう見せようと思っている内に行く暇が無くなってしまうのですぞ。

まあ、今回も変わらずユキちゃんとコウ、サクラちゃんの卵をゲットですな。

相変わらず良心的な価格でフィロリアル生産者は俺に譲ってくださいました。

お義父さんが武器屋の親父さんを慕っていた様に、俺もこのフィロリアル生産者を慕っても良いのではないですかな?

今度こそ時間が出来たらユキちゃん達を紹介するとしましょう。

「ただいま帰りましたぞー」

宿に戻るとお義父さん達は思い思いに寛いでおりました。

錬は部屋の隅で剣の手入れですかな? 聖武器に手入れは不要ですぞ。

樹はヘルプを読んでいるのかベッドに座って熟読しております。

お義父さんは部屋の窓から外を見ていますな。

「あ、元康くん、お帰り! さっきさ、パンダとかゾウの獣人が歩いているのを見たよ!」

「尚文さん、子供みたいにはしゃいでましたよね」

「だってパンダとゾウだよ? 異世界ってのを実感しない?」

「気持ちはわからなくもないが、エクレールの事も考えてやれよ。目を輝かせた尚文を注意するのに苦労していたじゃないか」

「目なんて輝かせてないよ」

「窓にアレだけ引っ付いていて何を言うのやら」

「イワタニ殿は獣人が好きなのだな。さすが盾の勇者と言った所か」

「そういう方向なの?」

おや? お義父さん達のテンションが良くなっています。

パンダですかな?

そういえばパンダ獣人はこの国にいるのですぞ。

余裕があったら勧誘しますかな?

「で? 買ってきたの?」

「はいですぞ」

俺はユキちゃん達の卵を見せますぞ。

「へー……これがフィロリアルの卵なんだ?」

「いつ孵るんだ?」

「孵化器があるようですけど、時間が掛るのではないですか?」

「登録をすれば明日には孵りますぞ」

「さすがは異世界だね。便利な道具があるもんだ」

「明日孵化して、元康が育てて……俺達が戦えるのは明後日辺りになりそうだな」

「いや、エクレールさんがいるんだから少しくらいの外出は大丈夫かもよ」

「そうですね。出来れば少しでも戦えるように明日辺りに安全そうな魔物と戦うのが良いかもしれませんね」

「今夜は元康くんから強化方法を教わる勉強会があるしね。試すには良いかもよ?」

「少々不安だが……キタムラ殿の強さを見せてもらおう」

エクレアが立ち上がって出発の準備をしました。

俺の強さを十分に見せてやりますぞ。

「俺達は騒ぎを起こさない様に宿で隠れていようね」

「ああ」

「これで襲撃があって僕達が皆殺しにされた……とか元康さんが記憶する様な結果になったら嫌ですね」

「あはは……まったく笑えないね」

「そうだな。冗談でも言うもんじゃないな」

どうも気になっていたのですが、お義父さん達が若干臆病になっている様な気がしてきましたな。

何が原因ですかな?

きっと、クズと赤豚に殺されそうになった所為ですな。

もはやこの世にいませんが、死んでも碌な事をしない連中ですぞ。

「後は登録をして孵化を待つだけですな」

俺はユキちゃんとコウの卵に刻まれた魔物紋に血を垂らして登録しましたぞ。

問題はサクラちゃんですな。

前々回は俺が登録をして育てました。

するとユキちゃん達と同じ天使の姿になったのですぞ。

ですが前回は何故かエクレアのような身長の、少々ユキちゃん達よりも外見の年齢が上になりましたな。

きっと俺が登録すると幼い外見に、お義父さんが登録すると大人っぽくなるのでしょう。

「これがサクラちゃんの卵なのですぞ。そこでお義父さんに質問があるのですぞ」

「何?」

「お義父さんはサクラちゃんがどんな子になって欲しいですかな?」

「どういう意味?」

俺はお義父さんにサクラちゃんに関して説明しました。

幼女か大人ですぞ。

究極の選択ですな。

「ループしなきゃわからない事ですね。それは」

「そうだな。同じ個体じゃないと成長の差異を特定する事は難しいからな。ゲームとかでもある話だ」

「セーブデータのバックアップをして初めて分かる奴ですね」

「その理屈だと、元康くんがフィーロって子の卵を手に入れても当たりとわからないんじゃない?」

「いいえ、俺はフィーロたんを匂いで判別できますぞ」

「匂いって……」

「尚文、元康だ」

「ええ、これだけの強さを持ったクレイジーな人ですよ」

「そうだったね」

心で通じ合うって素晴らしいですな。

きっと前回のお義父さんも喜んでいますぞ。

「で? どうしたいの?」

「サクラちゃんはお義父さんが登録するか聞くのですぞ」

「んー……俺を守ってくれる子かー。エクレールさんがいるけど……」

チラッとお義父さんはエクレアを見ますぞ。

「出来れば、サクラちゃんの為にもお願いしますぞ」

サクラちゃんはお義父さんを大切にしていましたからな。

お義父さんの言いつけを守るとても良い子でしたぞ。

俺が育てても結局、お義父さんに一番懐いたのですから、お義父さんの元で育ててもらった方がサクラちゃんの為ですぞ。

「わかったよ。元康くんが俺に預けたいって言うのなら登録しておくね」

お義父さんはサクラちゃんの卵の登録をしてくださいました。

「この卵を大事にしてれば良いんだね」

「そうですぞ」

「へー……この卵からどんな子が生まれるか楽しみだなー」

俺も楽しみですぞ。

前回は悲しい別れをしましたが、もう一度出会えるというのは嬉しいものですな。

これから新たに皆で一緒に過ごすと考えるだけでワクワクしますぞ。

「元康、俺達のは無いのか?」

そこで錬と樹が訪ねてきました。

俺は卵の数と今ここにいる面子を数えました。

きっとユキちゃんが俺を乗せたがりますな。

単独ではユキちゃんの背に乗ることが多かったですな。

コウは……その時々ですぞ。

サクラちゃんはお義父さんを乗せるとして……おや?

コウが錬と樹を同時に乗せるのですかな?

乗れなくは無いですが、窮屈でしょうな。

ま、錬達のLv上げはユキちゃん、コウ、サクラちゃんにそれぞれ任せれば問題ないでしょう。

「最終的に馬車を引いてもらうので問題ないですぞ」

「フィロリアルって馬車を引くのが好きなんだっけ? さっきエクレールさんが教えてくれたよ」

「良く考えたら、どんな生態なんだ? 色々と問い詰めたくなる」

「ゲームではいなかったの?」

「似た魔物はいたが少し違うな」

「へー」

「しかし、尚文さんだけ卵ですか……」

「元康もだろ」

「そうですけど……」

「何ならこの先の事を考えて何処かで売ってないか探してみようか? ちょっと危ないけど商売なら得意だからやってみるけど」

お義父さんが錬と樹に尋ねております。

それは良いですな。

お義父さん達が自発的にフィロリアル様を増やすのは喜ばしい事ですぞ。

「そこまでじゃないから別にいい」

「ええ、あんまり多くても困りますからね。元康さんの話が完全に真実かどうかをまずは見極める程度で良いでしょう」

む、そうですか。

まあ数に関しては問題ないですな。

んー……後で小回りが利くように再度購入するか考えておきましょう。

考えてみればクロちゃんは最初にループした時以外は出会えていない気がしますな。

魔物商の所で少々値が張りますが探しますかな?

しかしフィーロたんの卵は一体どこにあるのでしょう。

前回はお義父さんが予約までして下さったのに見つかりませんでした。

前々回は魔物商のテントにあるクジ以外のフィロリアル様の卵でも見つかりませんでした。

お義父さんは何処で購入したのか……。

ルナちゃんもどうするか考えましょう。

そういえばルナちゃんの色合いだけはなんとなくフィーロたんに似ていましたな。

全体が総じて白いのに模様が藍色でした。産まれた時は藍色でしたのに。

フィロリアル様には謎が多く隠されていますな。

ルナちゃんはキールが好きでしたな。

可愛いのが好きだったと言うべきでしょうか。

フォーブレイに俺達が行けば三勇教は完全に潰せると思うのでエクレアの領地復興で奴隷狩りの連中を罰する事は出来るでしょうな。

そのついでにルナちゃんとキールを回収しますかな?

……前回の事を考えるに早めに事を解決すべきでしょう。

「エクレア」

「キタムラ殿! 人の名前をちゃんと覚えろ!」

「少しでも早くお義父さん達を強くしてフォーブレイに行き、三勇教の連中を罰する様に行動するのですぞ。でなければ領地の者が犠牲になるのですぞ」

「あ、ああ……」

「時々元康くんって真面目な顔して真面目な事を言わない?」

「そうだな。アレが常時続けば良いんだけどな」

「疑ってはいないんですけど、ちょっと頭のネジが飛んでますよね」

さて、今日はエクレアのLv上げ&底上げですな。

元々エクレアは強いのでちょっと強めの所に挑みましょう。

「ではお義父さん達、ゆっくりと休んでいてくださいですぞ」

お義父さん達に手を振り、俺はエクレアを連れて夜まで狩りに行ったのですぞ。