軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

邪魔

「じゃあ、どれくらい戦えるか俺が判断してやる。進んで行って見るとしよう」

「何? その上から目線。相手を尊重する事も出来ないの? 盾の勇者は私達がどんな出自でも意思を尊重してくれるわ。勇者と言っても全員が全員――」

「ウィンディアちゃん、その辺にしとこうぜ?」

不愉快そうに助手は言いましたがキールやライバル、サクラちゃんが間に入って宥めたそうですぞ。

それから錬とキール達は島の奥地の方へとんとん拍子に進んで行ったそうですぞ。

「この先にボスが出てくる場所があるはずだ。お前等はそっちの方へ行かずにこの辺りで戦え。お前等のLvなら戦えるはずだ」

と、島でかなり歯ごたえがある分類のボス手前の地域で錬は命令したそうですぞ。

この島のボス程度なら今のキール達でも楽勝だと思いますが。

まあ錬は強化方法を知らないので、そう判断したのでしょう。

「そのボスには挑まないのか?」

「ボスには苦戦するだろ? ここで魔物の生態をちゃんと確認してから行動するんだ。間違っても勝手にボスを倒しに行くんじゃない」

「あー……うん。わかったよ、剣の兄ちゃん」

「あんまり無茶をするな。適正ギリギリだからな」

「あれ、兄ちゃんと一緒に戦わないのか?」

「群れて戦うと効率が悪い。お前等はちゃんと連携して戦うんだぞ」

助手がムッとして一歩踏み出す前に錬はボスが出現する祭壇を挟んで反対側の方へ勝手に行ってしまったそうですぞ。

それにしてもこの頃の錬はまだパーティーよりもソロを重視していたのですな。

なんか最初の世界で会った錬はいつも誰かと群れていた気がしますが……。

「何よアイツ!」

助手が不快そうに呟きながらキール達は魔物を仕留めて行ったそうですぞ。

やがて出てくる魔物が弱くて暇になってきた頃に錬が戻ってきたそうですぞ。

倒した魔物の死骸を当然の様に剣に収めたとか。

「中々、上手く戦えているようだな」

「あんまり歯ごたえが無いぜ?」

「そうそうー弱すぎて眠いー……」

「その油断が命取りになるんだ。お前等に合った狩り場はここなんだからな」

「何を偉そうに……」

「弱すぎて体が鈍るの」

助手はずっと喧嘩腰ですな。

まあ親の仇なので、しょうがないとも言えますが。

「もうボスの方へいかねえか? いい加減、飽きてきたぞ」

「ふん、しょうがない。足手まといになりそうになったら早く離脱するんだぞ」

「そうならねえようにがんばるぜ! な、みんな!」

「そうそうーメルちゃんにお土産持って行きたい」

「どっちが足手まといになるのかしらね」

「お姉ちゃんもう少し我慢するの」

で、無謀な挑戦だと錬はキール達を鼻で笑っているのが分かっている中、島の最奥部にある祭壇に来たそうですぞ。

「で、お前等の得意攻撃はなんだ?」

「聞くのが遅すぎるんじゃないかしら? 盾の勇者は戦う前に聞いていたわ」

「なんだと?」

「ウィンディアちゃんまあまあ! 俺は短剣の二刀流で切り裂くぜ!」

「サクラも剣の二刀流ー魔法も使えるー」

「……魔法で援護」

「噛みつきとブレスなの、接近戦が得意なのー」

とまあ、錬にそれぞれ得意な攻撃に関して説明したそうですぞ。

「そうか。職業に偏りがあるが、尚文の仲間ならしょうがないか」

「んー?」

この時に出てきた魔物はカルマードッグだそうですな。

先ほどまでカルマードッグファミリアを容易く仕留めていたのですから、この時の戦いもあっという間に済むと思ったそうですぞ。

「よし! お前等、俺の指示通りに戦え!」

「わかったぜ! 何をすれば良いんだ?」

「まずはこの魔物の攻撃を避けて注意を引く。で、その後は各々の一番強い攻撃を放て!」

俺も単純な戦い方は好きですぞ。

樹達の仲間を連れて一撃で仕留めて行きましたからな。ボスも含めて。

で、カルマードッグの攻撃の速度はキール達からすればずいぶんゆっくりとした様に見えて、避けられなくはない相手だったそうですぞ。

「あんまりコイツ強くなさそうだな。兄ちゃんと戦った魔物の方がまだつえーぞ」

「尚文と? その油断が命取りになるんだぞ」

「あなたはそればっかりね」

「まあいいや。とりあえず倒そうぜ」

キールは敵の攻撃を素早く避けようとしたそうですが、逃げる先に錬が立っていたそうですぞ。

「兄ちゃん邪魔!」

そう言いながらキールは急転回して避ける方角を変えたのですが、カルマードッグファミリアは錬に目標を切り替えました。

「俺に擦り付けてどうするんだ! もっと考えろ!」

「兄ちゃんだったら掴んでるぞ。足止めもできねーのか?」

キールが若干不快そうに答えたそうですぞ。

この犬は怒鳴られるのが嫌いですからな。

なんでもお義父さんに買われる前がどうのと言っていた気がします。

「尚文が耐える? 冗談は程々にしろ、避ける方が正解なんだ」

「んー?」

サクラちゃんが錬に襲いかかろうとするカルマードッグを剣で受け流して弾こうとすると錬に襟首を掴まれて引き寄せられそうになったそうですぞ。

「何するのー?」

「それはこっちの台詞だ! あんな魔物の攻撃を受け止めようなんて馬鹿か!」

「逸らせば平気だよ」

「ガエリオンがいくのー!」

パタパタと飛んでいたライバルが急降下して噛みつきをしようとしたそうですぞ。

「流星剣! あ、勝手に攻撃するんじゃない」

錬が得意の流星剣を放ったそうですぞ。

星がカルマードッグを含めてライバルにも飛んで行きました。

「危ないの! もっと考えるなの!」

紙一重で錬の攻撃を避けてライバルが異議を申し立てたそうですな。

そうライバルが言った頃には助手は魔法の詠唱に入っていたそうですぞ。

「ランド・スパイク!」

土の槍を出現させてカルマードッグの動きの阻害をしようとしておりました。

が、錬が駆けだして攻撃する直前だったそうですな。

「うおおお――な、なんだ! タイミングを考えろ!」

土の槍に遮られて錬が不快そうに言い放ったそうですぞ。

「なあ、剣の兄ちゃん。一番連携が出来て無いのはきっと剣の兄ちゃんだぜ」

「サクラもそう思う。さっきから一人で右往左往してるよ」

「ガエリオンもそう思うの。落ち付きがないの」

「剣の兄ちゃん、そんなに走り回って疲れねーか?」

「そんな訳無い。お前等が無謀な攻撃と仲間への配慮が足らないんだ。さあ、魔法担当のお前、ウィンディアだったか。援護魔法を掛けろ。一気に決めるぞ」

と言う所で、錬は一旦下がって助手に援護魔法を要請したそうですぞ。

魔法の集中を終えてから状況に気付いて助手は不快そうに錬を睨みます。

「ガエリオンに何するのよ!」

「連携も考えずに突撃するからだ! 勇気と蛮勇を履き違えるな! お前等は弱いんだから、ちゃんと連携を考えないと死ぬぞ!」

そこで助手の我慢も限界を超えたそうですな。

ぶちっと何かが切れる様な音がキールやサクラちゃん、ライバルには聞こえたそうですぞ。

ゆっくりと助手は錬に近づいてボスとは反対側へ思い切り突き飛ばしたそうですぞ。

「うわ――」

お義父さんによって資質を強化された助手の突き飛ばしの威力は高く、錬が思い切り後方に突き飛ばされて大きな木に激突したそうです。

「アンタが一番邪魔! そこで引っこんでろ!」

メラメラと助手の魔力が体から漏れ出し、ドラゴンを形作っていたのだとか。

にわかに信じがたいですな。

「ウ、ウィンディア……ちゃん?」

「お、怒ってる」

「お姉ちゃん落ちつくの、我慢しないとなおふみに怒られるの。ガエリオンはなおふみのポイントを稼ぎたいの。コウみたいにはなりたくないの」

などと説得になっていない言葉を投げ掛けたそうですが、助手は聞かずに続けたそうです。

「もう我慢も限界、早く仕留めてからわからせないと!」

「キャ、キャウン……」

カルマードッグも助手の殺気に脅えて尻尾を縮めていたそうですぞ。

それからギロっと助手はカルマードッグを睨んでから、指差しました。

「みんな……突撃!」

「お、おー!」

「おー!」

「怖いの!」

助手の殺気に追われる形でキールとサクラちゃん、ライバルが一斉攻撃をしてアッサリとカルマードッグは仕留めることが出来たそうですぞ。

まさしく数分の出来事だったとか。

で、吹き飛ばされて悶絶していた錬が起き上がって駆けつける頃にはカルマードッグは息をしていなかったそうですな。

「いきなり何をするんだ、お前は!」

「何をする? それはこっちの台詞よ!」

助手は激怒する錬に向かって怒鳴り返したそうですぞ。

「ふん、何をムキになっているんだ。お前等の戦い方が滅茶苦茶だから俺が注意してやっているんだろうが!」

「注意? 邪魔をしているの間違いでしょ!」

「俺の良く知るブレイブスターオンラインにもいるな。お前等の様な奴らが」

見下げるように錬は腕を組んで助手を睨んだそうですぞ。

ネットゲームのタイトル名を言われてもわからないと思いますぞ。

「ボス戦だというのに気迫が無い。その癖上前だけ撥ねる様なやる気の無い……いや、やる気はあっても戦い方を知らない素人が、尚文は甘いのかもしれないが俺はそうじゃないからな」

「盾の勇者の何が甘いって言うのよ! あの人なら私達が戦いやすいように怪我をさせない細心の注意を払ってくれるわ! それなのに貴方は何? 一歩間違えたらみんな怪我をしていたのよ!」

「ふん、尚文が頼りになる? 相当のLv差でお前等の面倒を見ているんだな。ありえない」

お義父さんを鼻で笑った後、錬は更に決定的な台詞を言ったそうですぞ。

「もう少し回りを見て戦え! お前等はボスの注意を引き付けていればいいんだ! その間に俺がトドメを刺す」

再度、先ほどよりも大きな何かが千切れる音がしたそうですぞ。