軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

聖戦

「イーグルピアシングショット!」

樹がピンポイントでお義父さんに狙いを定めてきましたぞ。

確か貫通能力を持つスキルだったかと思いますぞ。

お義父さんの強靭な防御力もこの手のスキルの前では無意味となる厄介な攻撃ですな。

ですが、お義父さんは俺が教えた強化方法を実践し、更に盾にそういう厄介な能力を逸らす盾を付与してくださっているでしょう。

「エアワンウェイシールド!」

お義父さんは樹の放った貫通スキルに対して方向を逸らす盾を作り出す事で弾きましたぞ。

「樹! お願いだから話を聞いてほしいんだ。俺達は戦争なんてしている暇は無いんだ!」

「くどいですよ!」

どうやら樹は死なない程度に痛めつけて黙らせないといけない様ですな。

どちらが上かを知らねば、聞く耳を持っておられない様子。

いえ、ここで挫折を経験すればお義父さんの話を聞いて下さるようになるかもしれませんね。

圧倒的な実力差がここにあるのを……目の前で体験した方が良いでしょう。

ですが、あまり高火力のスキルを放っては殺してしまいますぞ。

「そうです。これは聖戦なのです」

教皇が偽者の武器を振りかざして地面に突きたてると、こちらに地割れが起こりましたな。

みんな避けられない事は無いですが、お義父さんに向かって足元からマグマが噴出しましたぞ。

「うわ!」

お義父さんが盾で防御いたします。

傷一つ付いておりませんな。

ちなみに地割れを起こしたスキルは、アースイグニッションというスキルですな。

ゲーム時代は自身の周辺をランダムで地割れを発生させてダメージを与えるスキルでしたぞ。

方向を意識すれば片方だけに飛ばす事も出来るようですな。

「さあ、今ここに悪である盾の悪魔を駆逐する時……皆さん、裁きの詠唱に入るのです」

「メルロマルクの連中に負けるな! こちらも儀式魔法の詠唱に入る!」

シュサク種の代表とユキちゃん達が後方で援護の儀式魔法を唱え始めましたぞ。

「ナオフミ、大丈夫?」

サクラちゃんがお義父さんに駆けよります。

「うん、問題ないよ。サクラちゃんも気を付けて」

「サクラもちょっと怒った」

サクラちゃんがフィーロたんが良く使う構えを取りました。

コウは、メルロマルク兵に向かって蹴りを入れて、ボーリングのように薙ぎ払っていますぞ。

「はいくいっく――すとらいく」

おや? サクラちゃんの攻撃はフィーロたんとは、似ている様で違う感じですな。

教皇までの道のりに居たメルロマルクの兵士達の間を高速で通り過ぎました。

バサッと翼に付いたゴミを払うかのようにポンポンと払っておりますな。

「モトヤスーこれで道は開けたよ」

サクラちゃんが振り返ると同時に、メルロマルクの兵士達は血反吐を吐いてその場に倒れました。

まあ、高速で通り過ぎて、直線上にいた相手をボコボコにする攻撃でしたので当たり前ですがな。

「ありがとうですぞ」

この中で一番厄介な相手は教皇ですからな。

今の内に仕留めますぞ。

と、俺が一歩踏み出した時、メルロマルク軍の後方に居た増援が到着しました。

「おお、我がメルロマルクの援軍達よ。盾と槍の悪魔を滅するのだ!」

しかし増援は……メルロマルク軍を攻撃しましたぞ。

「な、何故じゃ! 何故我がメルロマルクの者達が同胞を攻撃する!?」

「ブヒ!?」

クズと赤豚の声が裏返り、信じられないと言うかのような声が聞こえてきましたぞ。

「それはお前達がメルロマルク軍では無いからだ!」

馬に乗った騎士が、ゲンム種の老人と共にメルロマルクの兵達を薙ぎ払ってお義父さん達の方へやってきましたぞ。

おや、あれは……。

「え、エクレールさん!」

「すまない。助けに来るのが遅れてしまった」

「どうしてここに? フォーブレイの方へ行ったんだよね?」

「もちろん、行ってメルロマルクの女王に国の状況、勇者召喚の経緯、そして王の蛮行を全て説明した」

その様子を遠くからクズが見ているのか忌々しそうな声を出しながらこちらに声を出していますぞ。

「お前はエクレール! 裏切り者がどの面を下げてメルロマルク軍を引き連れているのだ!」

「先程も申したと思います。お前達はメルロマルク軍ではない! ただの邪教集団だ! ここに女王の言葉を代弁して宣言する!」

エクレアは羊皮紙を広げ、映像水晶を高らかに掲げましたぞ。

すると映像水晶から女王の姿が浮かび上がりました。

「此度の争い、メルロマルク軍を主張する集団は我が国にありません。我がメルロマルク軍はその賊を……シルトヴェルトと共に討伐する事に労力を惜しまず。同時にシルドフリーデン軍と敵対する事をここに宣言します!」

女王の姿がその言葉を発すると共に消えましたぞ。

「な……馬鹿な……妻がワシを裏切ると言うのか! ありえん! ありえんぞ!」

「……貴方は英知の賢王を騙る偽者であると……メルロマルクの女王は宣言しております。本物の英知の賢王はメルロマルクの城に現在も居るとの話で、偽者を捕まえて本国へ連行する命を私は授かっております」

クズは信じられないと言うかのような声を出し、絶叫するように言い放ちました。

「そやつこそ偽者だ! メルロマルクの兵と三勇教の者達よ! 偽者のメルロマルク軍を殲滅せよ!」

「「「おー!」」」

喊声が聞こえてきますな。

「……しょうがない」

エクレアが俺の隣に立って耳元で囁きましたぞ。

「キタムラ殿、お願いする。その神の如き強さで、世界が争っている暇が無い事を証明してくれ」

ですが、同時に樹の様子に変化があるようですぞ。

「だそうだ。樹、どっちが正しいかわかったか?」

お義父さんが語りかけると樹は一歩下がって、うろたえる様な素振りを見せます。

「う……いいえ! オルトクレイ王の言うとおり、貴方達が悪! ここで引導を渡してくれます!」

何処までも愚かですな。

おっと、教皇の背後で魔法が完成しかかっておりますな。

この元康、サクラちゃんが開いた道を急いで通りぬけますぞ。

「槍の偽者ですね。神の名を騙った罪は重い……神の名の元に滅しなさい!」

教皇が勝ち誇って、ブリューナクを放ってきましたぞ。

「ふん」

ですが、所詮は偽物の武器ですな。

威力が雑魚すぎますぞ。

俺は槍で弾いて、方向を逸らし、儀式魔法を詠唱中の三勇教徒にぶつけてやりましたぞ。

「「うわぁあああああああ!」」

「「ブヒィイイイイイイイイイイイ!」」

豚共の心地良い悲鳴が聞こえますな。

信じられないと目を見開いて教皇が俺を見つめますぞ。

「これでわかりましたかな? お前はお呼びでないのですぞ」

俺は教皇の胸倉を掴んで上に投げつけ、チャージしていた槍のスキルを放ってやりますぞ。

「ブリューナクⅩ!」

「ぐ――か、神よ――」

偽物の武器ごと、教皇は消し炭にしてやりましたぞ。

その光景を見て、三勇教の連中は絶句していますな。

「教皇様があんなに簡単に……」

「い、いや、教皇様はやられた振りをなさっているのだ。すぐにまたこの地へ舞い降りる! 皆の者、祈るのだ!」

と、何やら現実逃避の祈りを始めましたぞ。

「祈って奇跡が起こるのならいつまでもやっているといいですぞ」

お? 考えてみれば、お義父さんと戦っている樹は背後ですな。

本物のメルロマルク軍と偽者のメルロマルク軍&三勇教が何処にあるかはっきりと別れてますぞ。

これなら容易く倒せますな。

「キタムラ殿、オルトクレイを主張する主犯だけは生け捕りにせよとの命を受けている。奴が死ねば七星武器が飛んで本物だとバレてしまう。それではメルロマルクという国の存続に関わる。不満に思うだろうが……頼む」

「わかりましたぞ! エイミングランサーⅩ!」

俺は槍に意識を込めてスキルを放ちました。

マルチロック機能が発動して、敵軍の至る所が発光します。

やがてロックを完了し、広範囲に放って偽者のメルロマルク軍と三勇教徒を討ち貫きますぞ。

「「「うぐはぁああああああああああああああ!」」」

戦場に流星の様に光り輝くエイミングランサーが降り注ぎ、偽者のメルロマルク軍を壊滅へと導きましたな。

「エアストジャベリン!」

残った連中は刈り取るだけですぞ。

「儀式魔法『台風!』」

その頃になってユキちゃん達が唱えた儀式魔法が形となり、残った偽者のメルロマルク軍を仕留めて行きます。

シルトヴェルト軍も善戦し、偽メルロマルク軍は本物のメルロマルク軍に任せて、シルドフリーデン軍と戦っております。

残ったのは本陣のクズだけですな。

兵士共に守られて、クズが絶句している姿が見えますぞ。

「まだです! 僕達はまだ負けていません!」

樹が懲りずにスキルの準備をしていますな。