軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

無双活性

「さてと……」

最近はスキルに魔力を込める練習だ。

息をするように使えるようになれば良いと思ってやっている。

難点は魔力の消費がでかくて調整できないという所だ。

エアストシールドでさえ、二発が限界である程の魔力を消費する。

後、わかった事はスキルによって変わるがクールタイムも比例して伸びて行く。

ポータルシールドも魔力を込めると転送人数を増やせるみたいだ。元康が言っていた六人という制限の中で俺が七人飛ばせたのは無意識に魔力を込めてしまっていた。という事だったのだろう。

自覚した分、調節が出来なくなってしまっているけどさ。

どうにか出来ないものか……。

なんだかんだで魔力の消費が激しい。自然回復を待つのが面倒だ。

魔力水がもったいないから節約しないとなぁ。調合でも使う。

でも良い物を作る時は魔力を使うと良いし……親父が言ってた素材の声に耳を傾けると言うのも重要そうだし。

考えたらキリが無い。

最近はラトに錬金術を教えてくれないかと俺自身も勉強を始めている。

一部の盾に初級錬金術という技能があったので、覚え始めた。

盾に作らせるのも良いけど、自分でも作れるようになると更によくなるのを知っているからな。

「尚文様」

「なんだ?」

「精度は上がったように感じますが、まだ綻びがありますよ?」

俺が放ったエアストシールドの弱い部分をアトラが刺す。

一応、強度は上がったみたいなのだが、何度も突かれて行くうちに壊れてしまう。

「そこなんだよな」

どうもまだ未完成であるような気がしてならない。

もっと、根本的な何かが足りないと思う。

ただ、女騎士の攻撃は完全に無効化させるに至った。

稽古していた女騎士に勝負を持ちかけ勝負した。

女騎士は変幻無双流の剣技を使いこなす。

錬相手には勝てるみたいで、錬も毎日楽しげに相手をしている。

やはり錬はカースシリーズに浸食されている時よりも平常時の方が腕は良いようだった。

女騎士に攻撃を当てる頻度は遥かに高い。

俺は耐える専門だからなぁ。怒りに呑まれていても相手の攻撃を受けなきゃ始まらない。

これで殴りに向かったらボロが出るのだろうとは思う。

と、そんな事は良いんだよ。

実戦でプリズンが上手くいくかを女騎士に試したんだった。

「イワタニ殿との勝負か、では本気で行かせて貰う」

「抜かせ、もう防御無視、点は通じねえよ」

「では受けてみるが良い! 多層崩撃!」

女騎士の特技である防御無視が俺に向かってくる。

一発目を盾で受け流し、二発目を小手で方向を変える。

三発目はかわしてを繰り返し、高頻度で混ざる点を受けた時は体の流れに乗せて弾く。

「シールドプリズン!」

攻撃に意識を集中していた女騎士の隙を俺は見逃さず、プリズンを出現させて閉じ込める。

「く……だが――」

檻に閉じ込められた女騎士が、中からゴンゴンと攻撃をする。

しかし……、檻は壊れる気配が無い。

三分くらい音が響いていたかと思ったがやがて静かになった。

そして……五分後。

檻が消失すると、女騎士が体育座りで俯いていた。

「私の努力はなんなんだ? やっと覚えた流派がもう破られてしまった……」

ブツブツと呟いている。

「何落ち込んでいるんだ?」

俺が声を掛けるとハッと我に返って勝気な目で俺を睨む。

「フッ! 今回はやられてしまったが次はそうもいかないから覚悟しておけよ。免許皆伝を貰いはしたが、私はまだ基礎だけなのだ」

「あっそ」

女騎士はアトラほど弱い個所を突く能力は無いようだ。

次はリーシアか。

「リーシアー」

「な、なんですか?」

最近、空気化が進みつつあるリーシアを呼んで試す事にする。

コイツ、Lvの関係もあってかなり強いんだよな。

「ちょっとお前をシールドプリズンで閉じ込めるから壊してみてくれないか?」

「はぁ……わかりました」

剣を取り出して構えるリーシアに女騎士と同じように閉じ込める。

「えい!」

三回くらいゴンゴンと檻を突いた所だっただろうか。割と早く破壊されてしまった。

やはり女騎士よりもリーシアの方が上か。

ステータスの差……だけなのか?

変幻無双流の差異がわからない。

「そういえばさ……変幻無双流ってどんな流派なんだ? 伝承だけじゃわからないから教えてくれ」

「あ、はい……師匠から聞いた話で良いですか?」

「ああ、勇者に匹敵する有名な流派とか伝承者がババアだけだとかは聞いたから良い」

四聖勇者や七星勇者に匹敵する伝説があるとは聞いたけど、実態を知らなかったから聞いておこう。

「そうですね……師匠の話では発祥は勇者に頼らず、危機を打破したいと思った冒険者が始祖だそうです」

勇者に頼らずね……ま、この世界って何か困ると勇者召喚とか、七星勇者に頼ってそうなイメージがあるからなぁ。

その勇者に頼らず、強くなる方法を模索した流派ね。

普通に考えれば四聖勇者と七星勇者の11人だけに世界を任せるとか、狂気の沙汰だ。

できるできないの差異はあっても、自分達でどうにかしようと考える奴がいる方が自然だよな。

それも異世界から召喚した第三者に自分達の命運を任せるとか……。

いや、能力的に任せるしかなかったんだろうが、それで納得ができなかった連中が居たって事か。

「神気を扱えるようになってやっと基礎、技はその先だそうです」

「ふむ……」

「私は神気を扱えるようになった所で休暇が終わってしまった。他の技は一部だけと、元々の流派の応用だ」

「免許皆伝だと師匠も褒めていたじゃないですか」

「そうなのだが……老師はまだ奥があるように言っていたではないか、ラフタリアには奥義を施しているのだろ? リーシア、お前にも私が知らない事を教えていると見た」

「そ、そうなのでしょうね」

「無双活性の持続時間が明らかに違いすぎるではないか」

「無双活性?」

「ああ、イワタニ殿に攻撃する瞬間や避ける時だけ私は使っている。言わば援護魔法に近い気の扱いだ。リーシアはその活性を長時間維持する事に長けているのだ。私が同じ真似をすると一分と持たないだろう」

「へー……」

女騎士は殆ど一瞬しか使えない技能を、リーシアは長時間発動できる?

あれだ。ゲームとかで言うオーバードライブとかそんなスキルとか攻撃。

一定時間物凄くパワーアップ出来るけど、消費が激しいとかそんな攻撃があるのか。

むしろ、リーシアの方が長時間維持できると言う点で資質が高いとかなのか?

節約しながら使っている女騎士と長時間使えるリーシア。

効果も女騎士の方が弱そうだ。

現に女騎士の得意の攻撃は既に無力化させているし、プリズンで閉じ込める事が成功した。

錬の奴、驚くだろうな。自分よりも強い女騎士を俺が無力化させたと知ったら。

言わないけど。

どちらにせよ、女騎士が使えるんだから俺でも使えるだろう。

仮に使えなかったとしても、原理さえわかれば応用できるはず。

問題は、そんな技を使っていた事を今まで気付かなかった事か。

攻撃の瞬間だけ魔力が膨れ上がるのは、当たり前の事だと思っていた。

現に俺が見た全ての戦闘で、攻撃する奴は瞬間的に魔力を使っている。

となると、魔力とは違う要素でもあるのか?

最近、リーシアや女騎士、アトラと話をしていて、齟齬を感じる時がある。

神気とか言い出す時だ。

良くわからないが、この三人をもう少し注意深く観察しておくとしよう。

「私の強さは、もう頭打ちになってしまったのか? と何時も悩む。だがこの程度で負けてなど居られん! リーシア! 稽古に付き合え!」

「は、はい!」

と、女騎士はリーシアと稽古を始めてしまった。

「アトラ、意味がわかったか?」

「えっと……確かに攻撃や避ける瞬間だけエクレールさんの内部から気が膨れ上がります。その事を言っているのでしょう。真似してみましょうか?」

「頼む」

「では行きますね」

アトラが、力を貯めてから俺に向かって飛んでくる。

速い! 普段の数倍の速度だ。

「これは……確かに体や気が持ちませんね」

そして俺に向かって突きを放つ。

ぐ……アトラの放った防御無視攻撃を往なしきれなかった。

体の中で僅かに暴れられた。

なるほど、確かにこれは凶悪だ。

というか、見るだけで真似出来るってやっぱアトラは天才タイプなんだな。

既に女騎士じゃ止められないだろ。

とまあ、こんな感じで修業をしていた。