軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

Eフロート

「さて……」

親父に頼んだお陰で色々と省略出来た。ラフタリア達に合流するのも良いが女王とこれからの方針を話し合うのも悪くは無い。

どうせ中古の装備を譲ってもらおうと思っていたし。

城に帰り、女王が何処にいるかを尋ねる。

会議も終わり、部屋で書類を纏めているらしい。

「女王」

「イワタニ様ですか、どうしました?」

「倉庫の装備品は譲ってもらっても良いんだよな」

「はい。問題はありません。ただ、今回の戦いで少々劣化したものが多いですが」

「分かってる。しばらく使いたいし、いらないのなら欲しいだけさ」

「領地の経営ですね」

「そうだ」

「そうそう、イワタニ様に頼みたいことがあるのですが……」

女王が申し訳なさそうに俺に言う。

「なんだ?」

「他の国と協議したのですが……波での勇者の雇用問題です」

「ふむ……」

青い砂時計がどういったものなのかの謎は解けていないが、赤いほうが再び動き出した場合だよな。

赤い方は残り三日位だったから、いきなり動き出されると準備に困る。

未だに勇者三人が行方不明だし、戦力的に問題は山積みか。

「依頼状況がイワタニ様に集中し、他の勇者は入国拒否という状況の国が多数です」

「そりゃあなぁ……」

一応、秘匿されてはいるが災害を起こした連中を国に入れたくはないだろう。

他国なら他人事にできるが、自分の国で同じ事をされたらたまったもんじゃないしな。

「仮に生存していることを前提なのですが、発見した場合は捕獲をして貰えないでしょうか?」

「全治三カ月の奴に酷な指示を出すな……」

「無理を承知でお願いいたします。一応、それとなく我が国に来るとは思いますが……」

「なんでだ?」

「ギルドの類も国と繋がりがあります。風聞もあって我が国以外は活動に制限が掛る事になっています」

「それって勇者の独占じゃないのか?」

なんとも……手のひら返しの結果、強大な戦力が集中しているような気がするのだが。

「盾の勇者以外は偽物だったんじゃないかと……」

ああ、納得できるかも。コロコロと形状が変わる武器は作れそうだし。

過去の産物とは言っても模造品なんてのもあるしな。

「イワタニ様以外の四聖勇者は偽物であり、七星勇者の方が頼りになるかもしれないという民衆心理が働いているのです」

どんな状況だよ。

不安に駆られた人の心理は良く解らないな。

……俺はその七星勇者とやらがどんな奴なのかも知らないんだけどさ。

「決め手なのは前回の波の時に流れた噂ですね」

「俺以外が負けたという話か」

「はい。如何せんこちらの方は目撃者が多く、民衆も噂では誤魔化せない状況になってきています。それを払拭するために各国の波に派遣して貰ったのにこんな災害を起こしては……」

偽勇者か……。

俺も下手な事をして信頼を失うと逆戻りって訳か。気を付けるとしよう。

「強さにも疑問が残ります。確かに強いが、あれ位なら勇者じゃなくても出来るのではないかと口にする者も……」

実際どれくらいなのか知らないけど、アイツ等、本当に強くなっているのか疑問ではあるんだよな。

恐らくは四聖武器の効果をまだ完全に引き出せていないんだ。

「我が国まで拒否をすると目も当てられなく……従って保護は我が国が代表してする事になりました」

強くなる方法は影経由で行き渡ったはずだけど、自分の信じるゲームと同じ異世界だと信じ切っていたからなぁ。

もしかしたら……中途半端だったのかも。

相手を信じるとか状況的に不可能な事を実現するだけで四倍だもんな。

俺でコレなんだから、アイツ等の四倍だったら攻撃力的に凄い事になりそうなんだが……。

正直な話、Lv40のクラスアップ前のラフタリアやフィーロに苦戦しているような連中だ。

それが80になろうが、単純な強さで言えば勇者と呼ぶには厳しい。

ちゃんと装備を強化した俺はラフタリアやフィーロの攻撃を耐えきれるけど、奴らはどうだろうな。

「そういやビッチはどうなんだ?」

「反応は微かにあるのですが……下手に罰則を発動しようものなら――」

「死んでも良いと思うがなぁ……」

「……ビッチには他にも利用価値があるので、死なれると困ります。それも兼ねて目撃したら捕縛をお願いいたします」

「利用価値?」

「イワタニ様を楽しませるのもありますが……本当に反省が無い場合の手段がね」

「へー……」

何をしてくれるんだろう?

教えてくれたらやる気も出るような気もするけど。

「何をするか知りたいですか?」

「いや、いきなりの方が楽しそうだ」

悪い話なら事前に聞きたいけど、こういうのは聞かずにいた方が楽しい気がする。サプライズパーティー的に何をするのかを楽しみにしておこう。

「後は、霊亀の素材やその他はもう集まったか?」

「はい。丁度、イワタニ様をお呼びしようと思っていた所です。倉庫前の訓練場に集めたのでお納めください」

「分かった」

俺は女王と別れて城の倉庫前に文字通り訓練場を覆い尽くして山積みになっていた霊亀の素材や使い魔を盾に吸わせた。

「おいおい……」

そうやって作業の様に盾に吸わせていたのだが、山の中から大きな目玉や、脳ミソが出てきて驚いた。

解体して倉庫前まで頭を持ってきたのか。

この頭はきっとラフタリア達が切断した時の物だよなぁ。

他に心臓を解体したものや苔っぽい何かもある。木材まであるぞ!

多いなぁ……吸わせていたら日が暮れてきた。肉類は食料用に残して……。

霊亀の甲羅の盾の条件が解放されました。

霊亀の皮の盾の条件が解放されました。

霊亀の肉の盾の条件が解放されました。

霊亀の骨の盾の条件が解放されました。

霊亀の血の盾の条件が解放されました。

霊亀の体液の盾の条件が解放されました。

霊亀の免疫細胞の盾の条件が解放されました。

霊亀の筋の盾の条件が解放されました。

霊亀の心臓の盾の条件が解放されました。

霊亀の心筋の盾の条件が解放されました。

霊亀の血管の盾の条件が解放されました。

霊亀の心臓眼の盾の条件が解放されました。

霊亀の瞳の盾の条件が解放されました。

霊亀の神木の盾の条件が解放されました。

霊亀の使い魔(蝙蝠型)の盾の条件が解放されました。

霊亀の使い魔(雪男型)の盾の条件が解放されました。

……etc

霊亀シリーズのコンプリートを出来るくらい途方もない数の盾が出た。

統一して防御力が高く。

一番高い霊亀の甲羅の盾に関して言えば、基礎の能力はキメラヴァイパーを遥かに凌駕する。

こりゃあ強化するのが楽しみだな。

で、内容は……っと。

お? 解放でスキルを習得できるのを発見。

霊亀の甲羅の盾 0/40 C

能力未解放……装備ボーナス、スキル『Eフロートシールド』

専用効果 グラビティフィールド Cソウルリカバリー 魔法防御(大)

熟練度 0

Eフロートシールドか……エアストの略称かな?

どんなスキルなんだ?

試しに変えて、唱えてみる。

「Eフロートシールド!」

すると視界にONという字が浮かび上がり、空中に盾が出現した。

……エアストシールドみたいな物か?

そう思いながら近づくのだが……。

俺が歩いた分、盾が移動する。

なんだ?

俺を基軸に出現する盾なのか? 位置的に言えばエアストシールドと流星盾の間のスキル?

と、思いつつ、効果時間を測定する。

……消えない。

効果時間が長い。付き合っていられないな。何時消えるかは後で確認するか。

Cソウルリカバリーは霊亀と戦った時の事を考えると攻撃を受けるとSPが回復するとかその辺りだろう。

グラビティフィールドに関してだけ言えば、霊亀の装備品にはかなり混じった効果だ。

字面から想像するに、重力場……。なのだが。訓練場には俺しかないので試す事が難しい。

うーむ……。

考え込んでいると俺の目の前でEフロートシールドがくるくると回り始めた。

なんだろう……これ。

つーか邪魔だ。どけ。

そう思ったら思い通りに逸れた。

……思った場所に移動する魔法の盾か。

こりゃあ便利だな。

射程範囲は1メートル程度。

ONとOFFが出来る所を考えるにセミパッシブスキルの可能性が高い。

SPは……三十秒毎に少量ずつ減っている。

燃費自体は悪くない。さすがは霊亀の素材から出た盾といった所か。

「チェンジシールド」

チェンジシールドを唱えるとEフロートシールドもそれに合わせて形状を変える。

おお……結構便利なスキルだなこれ。一枚しか出せないのがネックだけど。

当面はこの盾をメインに育ててみるか……? 親父に作って貰う盾の性能しだいだな。

他の盾は……単純性能は高いけどステータス系や耐性アップ系が多い。

お? 変わり種の盾を見つけた。

霊亀の心臓の盾 0/45 C

能力未解放……装備ボーナス、HP回復力増加(小)

専用効果 Cマジックスナッチ Cグラビティショット 生命力増強

熟練度 0

Cマジックスナッチ……多分、魔力を奪う反撃だろうな。同様にCグラビティショットも反撃系だろう。

生命力増強は何だろう? ゲーム知識で考えれば体力が増えるとかその辺りだな。

まだ解放出来ていない盾も多いから、後で再確認しよう。