軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

カクテル

「おー? 岩谷様のカクテルですかー是非とも飲んでみたいですねー」

「ヴォッフー! 飲みたい!」

「ああ、どんな代物なんだ?」

若干目が据わってきている奴隷たちがお義父さんに尋ねますぞ。

「再現も大分出来るかな? まあ、早飲みで悪酔いされるよりは一旦、落ち着くために作ってあげても良いか。その手の道具ある?」

お義父さんが使用人に尋ねるとワタワタと使用人たちは焦ったように厨房と領地内の酒場に道具を集めに行ったようでしたな。

その間にもヴォルフ達は酒を飲んでますぞ。

やがて道具と氷が届きましたな。

「じゃあカクテルでも作れば良いかねー」

カカカっと氷を手際よくアイスピックで砕いて行きますぞ。

「おお、酒はアタイの親も管轄外だからびっくりさね」

「まあラーサさんのお義父さんは食事の方だね。とは言っても知らない訳じゃないみたいだよ。ラーサさんは子供って認識なんだろうね」

「ケッ! アタイはもう大人だってのーさね!」

カチャカチャと手際よく手始めとばかりにパンダに向かってカクテルを作っていますぞ。

「既に食後なのはわかってるからスタンダードな奴から行くのが良いかな?」

コップを冷やすように氷を入れて複数のお酒を投入後に静かにスプーンで回してましたぞ。

やがてもう一つのコップ……グラスに出来たのか移して差し出しましたな。

「はい。なんちゃってマティーニ。まずはシンプルにね」

「あいよ」

サッとパンダがカクテルを受け取り口につけるとオッと言った顔になりましたな。

「度数高めだけど味が良いねぇ。気づいたら今、飲みたいって味さね」

「辛めのが飲みたそうだなって思ってからやってみたけど良かったよ。それとさっぱりするのもね」

「へいへい。ったく、その辺りは親と同じく察するのが上手さね」

チビチビとパンダがお義父さん特製のカクテルを飲んでる合間に、お義父さんは次の作業に入りますぞ。

「次は……ヴォルフにしようかな?」

「ヴォッフー」

「ヴォルフは甘口好みみたいだしー早く出して欲しい様だから」

で、シェイカーに入れて手際よくカシャカシャとリズミカルにお義父さんはやってグラスに静かに注ぎましたな。

「はい。アレキサンダーっぽいの」

スッと出しましたぞ。

アレキサンダーとは大王の事でしょうかな? きっと違うでしょう。

入れている酒がパッとわかりませんぞ。ですが、これはお姉さんのお姉さんにお義父さんが良く作っていた気がしますぞ。

俺も結構、お義父さんの料理を嗜んでいましたがお酒にまで意識は向けてませんでした。

思えばお姉さんのお姉さん達を相手にする際に当然のように出していたような気がしますぞ。

酔い潰すための手段でしょうか。

「ヴォフ! お、甘い!」

グイっとヴォルフは一気に飲んで行きますな。

後に響きそうな強い酒のはずですぞ。

お義父さんも策士ですな。

「で、次はテオかな? あんまりお酒は飲みなれてないだろうからなー」

「岩谷様がボクに似合う奴を作って下さい」

何やらキザに指を鳴らしてお義父さんを指さしますぞ。

フッと何を決めているのですかな?

「あはは」

お義父さんも苦笑交じりに層が別れたカクテルを作って出すのですぞ。

かなり手際よく作っておられてすぐに出てきましたぞ。

「おお、綺麗なカクテルですなー」

子供の頃に思い描いたカクテルみたいのですぞ。

「メロンクリームソーダみたいですぞ」

真ん中には透明な層がありますが下が緑色で上が白いのですぞ。

「はは、まあ色合いがそれっぽく見えちゃうかもね。グラスホッパーっぽい奴だよ」

「綺麗ですね」

で、なぜか二つありますぞ。

「元康くんの分もね」

「この人と一緒ですか……」

ウサギ繋がりとばかりにウサギ男が俺に視線を向けてますぞ。

「ユキちゃんが早く元康くんにも配膳してほしい顔をしてたからなんとなくね」

「わかりましたぞー!」

という訳で俺の分もゲットですぞ。

お義父さんの作ったカクテル、少しずつ飲みましょうかな。

とは思うのですが……とてもきれいに出来ていて口をつけるのが惜しい位ですぞ。

カメラがあったら撮影しておきたいくらいには層がくっきりしていて、作りが良いのですぞ。

「ああ好みの層から飲みたいって思うならストローとか用意するべきだったか……ちょっと失敗しちゃったか」

見栄え重視でプース・カフェスタイルで作っちゃった。ごめんねとお義父さんは謝って来ましたぞ。

「気にしないで良いですよ」

スッとウサギ男が芸術のようなお義父さんのカクテルを飲みますぞ。

「あ、良いですね。果物みたいな風味がジュースみたいです。お酒なんですか?」

「飲みやすい奴を選んでるからねー」

俺も飲みますぞ。

おお……日本に居た頃に飲んだような覚えがありますが、その時のカクテルよりも格段に味がしっかりとしつつ匂いが濃いですぞ。

思い出せるのはチョコミントみたいな奴でしたがこれはもっと爽やかですな。

「ヴォフー……家にあるお酒でいろんなのを作ってる」

「ま、ちょっとした裏技でドロップ品で味付けもしてるよ」

フフっとお義父さんが出来上がるカクテルに追加していると補足しますぞ。

簡単にできる事ですかな?

「そんで静かに待っていたシオンには何を作ってあげようかな? 何かリクエストは?」

「よくわからん。そこまで酒を嗜んでいない」

「まあ、むしろラーサさんやエルメロさん、サディナさん辺りが俺達の所だと酒の銘柄に詳しいポジションだろうからね」

「女ばかりなのはどうなんだ?」

思えばそうですな。

「ガエリオンちゃんを含めたドラゴン辺りも詳しそうだよね。長く生きてるから」

「ライバルなんぞ知りませんぞ」

酔えればよいのではないですかな?

奴にそんな趣味があるとは思いませんな。

「意外と飲んでるっぽかったけどね。まあサディナさんがのん兵衛だから印象が薄くなっちゃうのもあるかもね」

などと言いながらお義父さんはワニ男にカクテルを作って出しましたぞ。

「シオンにはクレオパトラっぽい奴にしてみよう。度数も似た感じにしたよ。別名アラビアンナイト。なんかシオンを見るとそっちのワニ系の神様が思い浮かんでね」

「頂こう……む? お茶や茶菓子っぽい風味」

「うん。ラムっぽい酒の風味がそう感じるのかもね」

くいっとみんな口直しに飲んで行きますぞ。

お義父さん特製のカクテルですからな。

「美味しいですねー飲み比べの休憩には良かったですよー」

「後はそうだなーこっちの世界で飲んだカクテルとかもあるよ。リユート村の酒場で飲んだ奴」

「レシピを聞いたんですか?」

「まあちょっとね」

シャカシャカと手際よくカクテルを作って行って本当、お義父さんは飲食は得意ですな。

「料理だけじゃ無く酒も知ってるのか」

「だから別にそこまで飲み歩いてないから詳しくはないよ」

「十分いい味出してるさねー」

「ふむ……本当、素直に美味しいと言える代物だった。なんか頭から味が離れない」

「気を付けて下さいよ。料理と同じですよ」

「わかってる」

「まあ、材料さえあれば夕食で暇だったら作ってあげるよ」

「感謝する」

「ヴォフ」

などとワニ男やヴォルフとお話してましたぞ。

ちなみに俺がウサウニー姿でお義父さんにリクエストすると人参に似た野菜を茹でて潰したのを混ぜたオレンジ色のカクテルを出して下さいましたぞ。

絶品でしたな。

「そう言えばフィロリアルってお酒は飲まない子多いよね」

「匂い的にあまり好きではないですわ」

「飲む子も居ますぞ。飲み過ぎて千鳥足で歩くのですぞ」

ヒヨちゃんが後年飲んでましたな。

他にもお酒を飲むのが好きな子がいましたぞ。

お義父さんが酔いどれ鳥も居るのかと仰いましたが非常に少ないのですぞ。

カーっと飲むと叫ぶ子も居ますぞ。

お義父さんが鳥饅頭とニックネームを何故かつけてました。