軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

巻き添え狙い

「く……言わんとしている事を今はわからなくもないですが、腹立たしいですね!」

「リスーカにしてやろうと思ったのはお義父さんとの決闘の翌日のクズに報奨金を要求した時の俺への態度ですぞ!」

「確かにあの時の樹は滅茶苦茶調子に乗っていたのは事実ではあるが……。あれだけ尚文にボコボコにされて機嫌が悪かったのはわからなくもないが、何かあったのか? 俺はあいつらに任せていたから知らんが」

「お義父さんが赤豚に襲い掛かったなんて戯言をまだ信じていたのですぞ」

「その後、尚文さんへの請求書を筋違いだと破棄させたじゃないですか!」

「あんなの知りませんぞ! 役満でメルロマルクの真実に目を反らそうとしたから教えてやろうとしたのですぞ」

間違いなくあの流れだとずっとお義父さんを悪と信じる樹のままなのですぞ。

「僕だって疑ってましたよ!」

「それも喉元過ぎたら忘れるのですピョン! 俺はループして知ってるのですピョン」

どうせこの後、フレオンちゃんを育成するので樹は本当の正義に目覚めるのは予定路線ではありますがもっと早く目覚めさせる手伝いをしてやったのですぞ。

「ああ……樹がボコボコにされても変わらないループがあるって事なのね。なんか物分かりが凄く悪いとは言ってたけど」

「どんだけ僕の目が節穴なのかって言いたいのですか!?」

「むしろあれだけの状況でまだ尚文が悪いと言える可能性がある樹、お前を矯正するのに必要な事だと言いたいらしいな」

カカカ! っと樹が矢を三本出して俺に狙って放ってきたので磔にされてますが巧みに軸をずらして受け止めてやるのですぞ。

「だからと言って今の僕が受けた痛みや屈辱は無かったことにはなりませんよ!」

「まあまあ樹も落ち着いて、一応元康くんがこんな事をした理由は無い訳じゃないって事だから……」

お義父さんが樹を宥めますぞ。

ヴォルフ! お前はドサクサに紛れてお義父さんに肩車して貰っているんじゃないですぞ!

樹もですが容易く乗るんじゃないですぴょん!

「樹が酷い目にあった理由に関してはわかった。俺はお前とそんな敵対的じゃなかっただろ!」

「まあ、クロちゃんに絡まれてたし、酔いが酷くて倒れてたもんね……挙句、国の茶番に気づいてたし」

確かに錬に関しちゃあの後、しばらく放置してても平気だったでしょうな。

「クロちゃんとの交流でいずれ闇聖勇者に目覚めると思ってましたが……」

「ふざけるな! なのになんでこんな真似をしたんだ! お前はどんな気持ちで綱渡りをさせられた俺を突き落とした!」

「そりゃあもちろん……」

ラフミの真似のように間をおいてやりますぞ。

「樹のついでですピョン。特に深い意味は無いですぴょん! 綱渡りに関しては作業で何とも思ってないデスピョン」

満面の笑みで言い切ってやりましたピョン!

「うわ! 心の底からの笑顔だって誰の目から見ても明らかだ!」

「お前はゼルトブルで暗黒料理人ケルススでもやって居ろと、凄い力が宿る包丁を近くに置いて置いたのになんで料理人をしないのですかな?」

「ああ……あれってやっぱりそういう意図があったのか」

「ふざけるなぁあああああ!」

錬の怒声が響き渡りましたぞ。

「お前の所為で俺がどれだけみじめな思いをしたと思ってるんだ! それがついでだと!? いい加減にしろ!」

「ほ!」

錬の怒りによる攻撃で磔にされていた際の縄を切って脱出してやりますぞ。

「ふははは! この程度で俺を捕まえられると思ったら大間違いですぴょん! どーれ、遊んでやるのデスピョン」

「く! 巧みに縄を狙っているとは思ったが抜けられた!」

「逃がしませんよ! この時をどれだけ待ちわびた事か! 絶対に殺す!」

錬と樹が脱出を図った俺に向かって攻撃してきたのですな。

「く! 元康の奴、小賢しい! 俺と樹の間に位置を意識して巻き添えを狙ってくる」

「ちょこまかと! 僕を舐めないで貰いましょうか! 早打ちだって得意なんですよ!」

「命中の異能ですな! ですがお前が放った直後の位置から避ければ当たりませんですぴょん!」

ついでに錬を掴んで盾にしてやれば良いのですぴょん!

「錬さん! 間抜けにも当たったらしょうがないですよね? 最低限の犠牲です」

射線上に錬がいるように立ち回って樹の攻撃を妨害してやろうとしたのですが樹は錬諸共のようですぞ。

「コラテラルダメージとでもいう気か樹! 仲間割れを狙っている元康の思惑に乗せられているぞ」

「知った事では無いですね! ウサウニーを仕留めるのに犠牲無しでは不可能という事です! 錬さんも死にたくなければ死ぬ気で相手をするほかないですよ!」

「樹! きさまぁあああ! くうう!」

錬と樹の命がけの連携攻撃ですな。

ですが俺がその気になれば練度の足りないお前たちなど容易く捌けるのですぴょん!

「くそ! 強化は十分なはずなのに技術が追いつけない! うおおおおおお! 樹、邪魔をするな!」

錬が集中モードになって俺に飛び掛かって来てますが、まだまだですぞ。

その合間に樹も矢を放ってきてますが、錬が攻撃をする際の邪魔になっていますな。

連携がまだまだですぴょん。

「ヴォルフさん! 貴方もこのままではペックルとか言う生き物のままですよ! 死ぬ気で元康さんを捕まえて下さい。トドメを僕がします!」

「ヴォ、ヴォフ。このままでもナオフミ様が可愛がってくれるなら良い」

ここで樹に釣られてヴォルフも戦いに参戦のようですな。

俺は槍を大降りに振りかぶって薙ぎ払ったりしながら距離を取ったりしてやりますぞ。

「うーん……何だろう。錬や樹、ヴォルフはこう……命がけの決戦をしているようなのだけど戦っている姿の所為かパーティーなアニマルみたいだなぁ」

お義父さんがそんな俺たちの戦いを遠い目をしながら拝見しているようですぞ。

「なんだなんだ? 何が……勇者たちが何と戦っているんだ?」

ワニ男に始まり、周囲の連中が騒ぎを聞きつけて集まって来てますぞ。

「ふむ……とうとう正体をバラしたか」

ラフミが外野と言った様子で腕を組んでみてきましたがお前も巻き添えにしてやりますぞ。

俺はラフミの近くまで逃げて錬と樹とヴォルフを巻き込みますぞ。

「露骨に近寄ってくるではないか」

「ふははは! お前も巻き込んでやりますぞ」

「大乱闘染みてもきたなぁ……」

「暴露されるのが嫌だからって派手にやらかし始めたなの」

いつの間にかライバルが……く、お義父さんの隣にいるので巻き込めませんぞ。

「なんですかあのウサギは!?」

ウサギ男も安全地帯のお義父さん近くにいるのですぞ。

おのれ! 後で俺が優勝したら退かしますぞ!

「いつまでも俺が防戦だけだと思ったら大間違いですぴょん! 喰らえデスピョン!」

スタン効果のある槍を大振りに叩きつけるスキルを放って錬の頭にぶつけてやりましたぞ。

「ぐわ――!? ……」

ドカ! っと錬の頭にスキルが当たった事で錬がガクリと倒れましたな。

「れ、錬!? 大丈夫!?」

「……」

ピク、ピクピクと錬が痙攣していましたが、ヴォルフを相手に殴り合っているとガバァっと錬が飛び起きました。

「ハッ! まだまだぁあああああ!」

おお、戦闘復帰まで思いのほか早いですな。

もうちょっと強化してぶちかましてやるのが良さそうですな。

「樹も喰らえですぴょん! パラライズランスⅩ!」

「状態異常はこれまでの経験から対策はしっかりと――うぐ――」

「ふはは! 俺は更に長年蓄積した強化で耐性貫通くらいしっかりと習得済みなのですぞ」

樹が手に入れた程度の耐性等で無力化なんて出来ると思わない事ですなぁああああ!

「次はラフミとヴォルフですぴょーん!」

「ふん! 輪に混ざると思ったら大間違いだ」

ボフっとラフミはそのまま姿を消しました。

おのれですぴょん!