軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

キングアゾット

「ふむ……気づかれてしまったか。これはやりすぎたとすべきか。治安が低下しているからその尻拭いを色々としていたら体が足りないのでな」

「どういう事だ!」

「どういうことだも無いよ。ラフミちゃんが分裂して錬に化けて各地の問題を解決してたんだ。まあ、勇者には瞬間移動手段があるし……」

お義父さんが出した資料には錬の活躍が記されているものでしたが事件発生場所が複数同時にあり、そのすべてで錬が解決したと書かれているのですぞ。

「まあ、各地で俺を語る犯罪者の情報とかもあるし、メルロマルクのゴシップって事で気づいてない人も多いんだろうね」

「成りすましは多くても解決側が同一人物となると途端に怪しくなりますね。それでラフミさんですか……」

樹も納得したようにため息をしますぞ。

「俺の姿でしなくちゃいけない理由は無いだろ! 樹にも化けて解決すれば良いだろ!」

「面倒だったのでしなかった。今やアゾット、お前が世界で一番の勇者だぞ」

「全く嬉しくない!」

「まあ、自分の手柄じゃないのに有名になるってのも嫌なのかなぁ……悪評だけ広まる方としては少し羨ましいかな」

お義父さんの悪評はメルロマルクでは無数にありますぞ。

文字通り何もしてないのに世界の不幸はすべて盾の勇者の所為というのがメルロマルクの国民が無意識に思う所ですからな。

波が起ったのも盾の勇者の所為がメルロマルクですぞ。

何処の邪神ですかな? それは赤豚の本体なのですぞ。

アークは自身を神を狩るもの、信仰者からすると邪神のような者だと卑下しておりましたがあの方はそんな方ではありませんぞ。

理不尽を強いる神に報いを与え、人々を救わんとする方なのですぞ。

理不尽な世界に縛られた俺を解放してくれたのですからな。

「新聞には写真とか絵で描かれてるんだけどさ……錬の仲間がそれぞれ一人近くで映ってるのが多いから気づきやすいかもしれないね」

錬がルナちゃんの羽毛から手を出してパラパラと見て震え始めましたぞ。

「ああ、一人一人バラバラに従者をな、アゾットとなった私が分裂して活動している」

「あいつらー!」

「だからー……4人に錬は増えた感じかな?」

「甘いぞ盾の勇者よ。クロを忘れている」

「ああ……5人ね」

5人の錬によってメルロマルクの平和は維持されているのですぞ。

「あー時の旅人<タイムドライブ>と絶対障壁<イージス>だー。漆黒の爪牙、クロが闇聖勇者と共に運命の刻<ディスティニータイム>を感知して見参ー」

クロちゃんが錬を乗せて走って来ましたぞ。

相変わらず難しいお言葉を仰っていますな。

「愛玩の犬<闇の剣士?>も居たールナと楽しそう」

「楽しくない!」

錬がキャンキャンと鳴いてますぞ。

いい加減騒がしすぎませんかな?

「クロちゃんは楽しそうだね。ラフミちゃんとよく遊んで貰ってる?」

「うん! 闇聖勇者<イリュージョン>が漆黒の爪牙と腐敗の神々の黄昏の世界を闇へ返すための戦いを繰り返してるー」

「何と言いますか激しく面倒そうなフィロリアルですね」

「あはは……とはいえ、今の樹とならクロちゃんは仲良く出来るかもね」

「勘弁してください。実に面倒くさそうです。錬さんだけで結構です」

「おい! く……俺はこんな遊びに付き合うつもりはない!」

「今はルナちゃんに絡まれてそれ所ではないって所ですもんね」

クスス……と樹がお義父さんに肩車して貰っている状態で錬をあざ笑ってますぞ。

「樹! お前!」

錬は笑われて憤慨してますぞ。

「まあまあ……錬も苦労してるって思ってあげようよ樹」

「あなたはいろんな人に好かれて幸せなんですよ」

「これを幸せなんて言えるか!」

とは言いつつ、樹の仲間を思うと確かに錬の方がマシなのも事実ですな。

「レン様ー呼びましたか?」

で、ぞろぞろと錬の仲間たちが集まって来ますぞ。

もちろん……錬に化けたラフミもそれぞれ居ますな。

代表をしているのは相変わらずチョコレート地方出身の奴のようですぞ。

ちなみに錬メンバーのナンバー2が貴族出身らしいですぞ。

よく樹の目を逃れてますな。

「「「「「フッ!」」」」」

キザったらしいポーズで錬に化けたラフミが同じポーズでカッコつけてますぞ。

「いや……5人も同一人物が集まるとなんか冗談なのか笑えるような気もしてくるね」

「5人の錬さんですね。何かそれで話が作れそうじゃないですか」

「そうだね。オリジナルの犬錬がツッコミで……クロちゃんと一緒の錬が1号、次が2号、その次が3号みたいに」

「それも良いですが……なんか昔、アニメか漫画に居ませんでしたっけ? 七つ子だったか八つ子だったか」

「ああ、なんか俺の知るアニメだとリメイクして大ヒットした気がするね。錬が元に戻ったら6人でアイドルでもしてみる? 各々個性出せば受けが良いかもよ?」

「もしくは有名アニメの主人公になり切ったつもりで見た目を寄せた複数プレイヤーみたいな感じでしょうかね」

「あー……あるね。錬ってそれっぽい所あるよね。アゾットってその辺りが由来……ではさすがに無いか」

「黙れお前ら! 話が思いっきり反れてるだろうが! その名前はアニメが元ネタじゃない!」

錬が怒りの形相でルナちゃんの胸からキャンキャンと吠えてますぞ。

名前も拘りがあるようですな。

確かアゾット剣がモデルでしたな。錬金術の錬と錬金術師の剣からだろうという話でしたぞ。

「まあ、本物の錬がこれじゃ難しいかなぁ? 可愛いとは思うけど……あ、でも本人が表に出られなくなっちゃったから分身に自分の代わりに行動して貰うドタバタコメディとかありそう、コピーのロボットに変わって貰うヒーローの話」

「良いからさっさと戻れ! ラフミ! じゃないと尚文が延々とオタトークをするぞ!」

「オタトークとか酷いなー」

「良いだろう」

ラフミは錬の命令に従って5人の錬の影武者が一か所に集まりますぞ。

するとお義父さんが口を開きました。

「な、なんと!? ……錬たちが!?」

ボフっと錬の影武者が集まって煙と共に一人の錬の影武者になりましたぞ。

「錬たちがどんどん合体していく! なんとキング錬になってしまった!」

お義父さんしかわからないネタですぞ。

解説を待つのですぞ。

「尚文! 何のネタだそれは!」

「やー……なんか集まって一人になるって所からとあるゲームのスライムが思い浮かんでさ、ラフミちゃんって元々チョコレート、液体系のモンスターだったらしいでしょ?」

何か……昔、日本で見たようなデザインが脳裏に浮かびますな。

そんな変わった魔物が居るのですな。

まあ、ラフミらしい合体演出だと思うのですぞ。

「尚文! お前はどこまでその手のネタを仕入れてるんだ!」

「ふむ……言いえて妙だな。ではこの形態をキングアゾットとするか」

「無数の偽錬、アゾットの中の王だからキングアゾットって事だね! 物凄い廃人ゲーマーっぽいなー改めて思うけどゲームしてた頃の錬ってこんな感じだったのかな?」

「黙れぇえええええ! ぐぬぬ! ハンドレッドソード!」

ズボっと錬は剣をルナちゃんの羽毛からどうにか出してキングアゾットと名乗ったラフミに飛ばしましたぞ。

ですがサッと避けられてしまいましたな。

「フッ……キングアゾットにこの程度の攻撃、届くはずあるまい?」

「おー華麗なる回避<イリュージョンダンス>」

クロちゃんの命名が光りますな。

「お前らいい加減にしろ」

キャンキャンと錬が殺気を放ってますぞ。

「まあ、錬をこれ以上弄ったら本気で殺されそうだし、ラフミちゃん。メルティちゃんの見送り頼めるかい?」

「ああ。色々とこちらの手配も終わったぞ。指名手配に関しては完全に抑え込める算段も立った」

錬の仲間のリーダーが心配そうに俺たちに声を掛けますぞ。

「びっくりしましたよ。いきなりレン様を預けていた盾の勇者様方が指名手配されて第二王女の奪還という依頼が来たので」

それから錬に仲間のリーダーが声を掛けますぞ。