軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

暗躍の噂

「あれも波の被害って事なのかなー? 波が理由なのかわからないけどさ」

「他国でも波が起っているのですよね? 僕たちが登録している龍刻の砂時計とは別で起こったとも考えられなくは無いですが……」

「確かにこう……波の所為だと思ったらそれっぽくはあるよね。錬や樹、元康くんは何か知らない?」

「無いとは言えないが……」

「フレーバーテキスト的なものにそういった恐怖を感じさせる話とかはありましたが……」

ふむ……ですぞ。

そういえばカルミラ島の過去の波の伝承なんかにはそういった怪談があるようなのを島の紹介で聞いたような気がしますな。

「この事件を皮切りに……こう、メルロマルク内で兵士を含めて次々と人が姿を消して行ったって事になってね。徴兵を強化したって流れになったそうだよ」

「ある意味、名誉国民人間様自身も徴用ですか」

「そうなんだけど……一部、奴隷たちにも被害がってのがね。結構俺たちの所為になってるかもしれないよ」

「ほう……それはどういう意味で?」

樹が心当たりが無いとばかりに聞きますぞ。

「まずは盗賊に偽装した三勇教の連中、生け捕りにして売ったでしょ?」

「ですな」

サーカスが上手く行くまでの財源となって貰いましたぞ。

シルトヴェルトにどんどん売りつけましたな。

「これはしばらくしたら減ったんだけどね。で……次は貴族も同様に姿を消して行く事件があったりして」

と、お義父さんが話をした所で樹が顔を背けましたぞ。

お前が消したり土産として持って帰ってシルトヴェルトに売ったのが理由ですな。

「波の所為なのか砦での事件もあったって結果……ね」

「人員が相当減っている……チャンスですよ尚文さん。シルトヴェルトに号令をかけて攻め滅ぼしましょう」

「イヤイヤイヤ、樹……そうならない様に色々とシルトヴェルトで配慮とかガス抜きさせてんの。ヴォルフとかがシルトヴェルトで演説してるんだよ? 冷静にって」

本末転倒とはこの事ですな。

樹が舌打ちしましたぞ。

「チャンスだというのに……」

「俺たちが何のために召喚されたのか忘れちゃダメだよ。戦争をして世界征服をするのが目的じゃないんだからさ」

「まあ……そうですね」

樹も冗談だという様子ですが、どうにも攻撃的な発言が目立ちますな。

「ちなみに私が剣の勇者に化けて各地のギルドで情報を聞く限りだと亜人獣人どもが暗躍して我が国の戦力を削いでいるのではないかと囁いている連中が多いぞ? 盾の勇者の所に何度も監査をしているのに尻尾を出さないとな」

お義父さんも視線を反らしましたな。

戦力を削いでしまっているのは……間違いは無いのですな。

今は主に樹が色々とやっているのが原因で。

「難癖は幾らでも付けれるもんだからねぇ……かといってシルトヴェルトに攻めれる程の戦力は心もとない。ある意味、戦争に持ち込むのは難しいんじゃない?」

そもそも女王が外交でどうにか誤魔化している時期ですからな。

「亜人獣人関係なく近隣国に攻め込まれかねないかもしれないね。さすがに状況次第じゃこっちも動かないとだめかもしれないから覚悟はしておこう」

「問題が山積みだな……」

「樹は次の波とかでさ、徴用された亜人獣人が居たとしても被害を出させない様に迅速に終わらせようってね」

「そうですね。無理やり戦わせて良い事はありませんね」

という訳でフレオンちゃんの卵を確保し、メルロマルクの現状の情報を俺たちは共有したのですな。

ちなみに波に関しての装備は既にお義父さんが武器屋の親父さんに話を付けているようですぞ。

そうして波の準備というより勇者の結束が既に硬くなっている現在、恐れる者は何もないとばかりにメルロマルク内をサーカスは進んで行ってましたぞ。

そんな矢先ですな。

いい加減、お義父さんが童貞で居続けるとライバルが何処からともなく表れて、お義父さんに取り入って襲い掛かる危険性を日夜俺は警戒しなくてはいけなくなりましたぞ。

俺はゼルトブルにパンダが出かけた際にテント内に居たお姉さんのお姉さんにお尋ねしました。

ちなみに樹はモグラと手を繋いで楽しそうにゼルトブルの町へと散歩に出かけて行きましたぞ。お食事に行くそうですな。

あのように仲睦まじく、その後も何かありそうな雰囲気をお義父さんは持っていない気がするのですぞ。

「お姉さんのお姉さん! お義父さんとの付き合いの経過は如何ですかな?」

最近ではゼルトブルの方でお姉さん達のお世話を担当しているお姉さんのお姉さんに経過をお尋ねしますぞ。

お義父さんには定期的にゼルトブルの方に来て頂き、こちらの拠点で宿泊する事もあり、お姉さんのお姉さんやパンダ、ゾウと飲み歩き等もしていらっしゃいましたぞ。

ちなみにお姉さんのお姉さんはゼルトブルのサーカスに出演してますが、その広報とばかりにコロシアムの方にも出場してゼルトブルを沸かせているそうですぞ。

パンダやゾウがメルロマルクに出張している事が多いからその分、人気が集まって行っているのですな。

他に、時々お義父さんの配下であるワニ男やヴォルフが出場してそこそこ話題に上がる様になって来てますぞ。

この前、ワニ男VSお姉さんのお姉さんの戦いが行われたとかで名試合となったらしいですな。

「あら? モトヤスちゃん。ナオフミちゃんとのお付き合い? お姉さんと楽しく飲み歩いているわよー? ササちゃんが羽目を外したいって言うから一緒にお出かけして楽しいわよ」

「そうではなく、お義父さんとですぞ」

「あらー? ナオフミちゃん、お酒とっても強くてお姉さんとても楽しいわよ」

お姉さんのお姉さんの反応が相変わらずのようですぞ。

どうにも関係を持ったとは思えない気がしますな。

なので直球で聞きますぞ。

「ではお姉さんのお姉さんとお義父さんは男女の関係で楽しい時間を過ごせましたかな? お膳立ては当然しますぞ」

「あらー……ナオフミちゃんと楽しいお時間をお姉さんもしたわよー沢山、お姉さんとお酒を飲み比べしたわ。ナオフミちゃんお酒強くて素敵よね」

……これは間違いなく白ですぞ。

健全すぎますな。

やはりお姉さんのお姉さんは肉食系であるはずなのですが、お義父さんと関係を持つのに一定の条件と言うより何か一歩を踏み出す必要があるようなのですぞ。

少なくともどちらかが弱っていないと関係が進まないのですな。

かといってお義父さんが肉食系かというと否なのが悩み所。

タクトのような転生者はちょっと豚が囁けば容易く豚の如く振り始めますが、お義父さんは人間ですからな。

ううむ……ふと、フィロリアル様たちはどうかと思いますが考えない様にしますぞ。愛の化身なので好意を持ったら一直線、愛のダンスと歌で楽しく優しくがフィロリアル様なのですぞ。

「パンダ! お前はどうなのですかな!?」

最近は良い感じにお義父さんがパンダに絡んで居たのを俺は見てますぞ。

だらけているパンダを背もたれに書類や作業などをしていましたし、マッサージや毛並みの手入れ等も夜にしてましたな。

そのままパンダが狼となって襲い掛かれば間違いなくお義父さんに経験させれますぞ。

「一体何だい? アタイにお前は何を期待してんだってんだよ」

「最初の交渉通りの事ですぞ! お義父さんに癒しをしろですぞ。癒されてばかりではなく還元するのですぞ」

「知らさないさね。アタイがだらけてると世話してくるだけさね。つーかアタイを酔い潰して置きながらそのまま送迎して何もしてこないのはあっちさね!」

つまりパンダも求められれば相手はするけどお義父さんがそのまま去ってしまって困っていると?

く……お義父さん、草食ではダメですぞ。

相手の機微に反応して要望に応えねば直球を投げつけた相手に応えてしまうという事でしょうかな!?

鈍感ですぞ。

おや? 何処からともなく「お前が言うな!」という無数の声と豚の鳴き声が聞こえてくる気がしますが気のせいですぞ。

俺は色々と関係を持った過去の罪があるのですぞ!

く……どうしたら良いのですかな? このままだといずれライバルが帰還してお義父さんをパックンちょしてしまいますぞ。

悠長に構えて居られる限界が近いのですぞ。

こうなったら……。