軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

セーアエットの暗号

助手とライバルの体、親が加入して少し経った頃の事ですぞ。

ラフミが何故か槌の七星武器を持っていたのですぞ。

「ヴォフ!?」

その姿にヴォルフやシルトヴェルトの使者が絶句して指さしていました。

「おいラフミ! それは一体なんですかな!?」

こともあろうにラフミが七星武器の槌そっくりの代物を持っているので指摘せずにはいられないのですぞ。

「ああこれか? 何をかくそう七星武器と言われる聖武器の眷属器のそれだが、一体何だというのだ?」

「何を不思議そうにしているのですかな!? それはタクトから権利を剥奪してフォーブレイに鎮座させていたはずの代物ですぞ!」

さも当然のようにラフミがぶちかましたぞ。

ヴォルフもタクトをフォーブレイ王に差し出してはく奪する際にしっかりと見ていたので驚いたまま固まっているのですぞ。

大体が七星武器が近くの祭壇で岩に突き刺さる形で次の所持者を選ぶ流れになるのですぞ。

フォーブレイに行ったループの際は転生者が定期的に槌の所持者になろうと儀式に挑戦しては裁かれていたはずなのですな。

それを当たり前にように持ってくるラフミはどういう事ですぞ。

「だからそれを私が直々に取りに行き正式な方法で所有したように見せて持ってきたのではないか」

「所有したように見せてと言うのは違うという事ですか?」

「転生者と同じですぞ! 処分ですな!」

「ふ……あんな連中と一緒にするな。ではその身に喰らえ、トールハンマーⅥ!」

ラフミが俺の攻撃を避けて一回転して槌で叩きつけてきました!

「ふべ!?」

バチバチと帯電した槌に叩き潰されてしまいました。

ステータス強化をしっかりと行っているのですぐに立ち上がれますがしっかりと強化がこもった一撃ですぞ。

「ヴァフ……武器を使いこなしてる?」

「私は元々イベント精霊でもあるのだ。精霊と会話をするのも容易い。転生者共の手に渡るくらいならと了承を得て使っている」

「所持者が出れば騒動になりそうですが」

「話は通しておいたぞ。私は盾と槍の勇者一行の協力者でタクトのような連中に渡すくらいならと預かったとな。なーに、槍の勇者が証言したとおりに武器の力が引き出せない転生者とは異なりこうして力を引き出したら二つ返事で伏せてくれたぞ」

く……ラフミめ! 好き勝手するのもほどほどにしろですぞ。

「シルトヴェルトには内密に話が通っている。近々連絡が来るだろうな」

「いったい何をするつもりですぞ!」

「何をするつもりも何も戦力は多いに越したことはないではないか。まあ、槌も気に入った所持者が出てくれば私の手を離れて宿る」

「タクトの例があるのであまり好き勝手されると困るのですが……」

自由にもほどがあるのですぞ。

「問題あるまい? そもそもヴォルフだったか、貴様とてツメの力をまだ引き出し切れていないだろう?」

「ヴォ、ヴォフ……」

苦虫を嚙み潰したような顔でヴォルフが声を出しましたぞ。

「ま、それも貴様の心次第のようだがな、私が善意で助言をするとしたらツメはお前を拒絶なんぞしていないぞ? 使えないのはお前自身だ」

何やらヴォルフへラフミが注意をしているようですな。

ツメの力を引き出せないならフィーロたんの手に宿れですぞ。

「あの……槌の七星武器に関して仮の持ち主として使っていると?」

「そうなる。まあ、こいつが気に入った所持者が現れたらその時に国に報告すれば良いだけの事だ」

「あんまりコロコロと所持者が変わると困るのですが……ただでさえタクトの例で上層部が混乱しているので」

「ふむ……次のループの際に善処してやろう。ちなみにこの槌が現状興味を持った所持者がここにいるそうだぞ」

「正式な所持者になれる方がいらっしゃるのですか?」

ならさっさとラフミの手から離れて飛んで行ってほしいですな。

そもそも槌はお姉さんの武器でもあるので、個人的には苦手なのですぞ。

最初の世界で覗きをする際に、よく脅されましたからな。

「ラーサズサの祖父に興味があるようだったぞ。適正から何まで現状の即戦力と言う認識だ」

パンダの祖父ですな。確かに相当の実力者ですからな。

キセルを武器にしているようでしたぞ。

そういえばパンダはツメだったり槌だったり勇者に選ばれる際に武器が変わりますな。

パンダの祖父も資質があるという事のようですぞ。

「ま、こいつは召喚の儀式で異世界人を選んだ所でタクトにいきなり取られたのでな。巡り合いが悪かったという事だ。近くに候補者が居なかったのも運が悪かったな」

いきなりパンダの祖父に槌の勇者になれと持たせようとするのも怪しまれると思いますぞ。

「何にしてもあればいろいろと出来るので使うとしよう」

「剣の勇者に化けている方が突然、槌を使ったら怪しまれるのでは?」

「そこも問題ない。見た目を誤魔化すなど造作もないし、そもそも私は分裂出来る」

「……もはやお前が世界を救えば良いのではないですかな?」

「ふ……そこまでするほど無粋ではない。そもそも性能を引き出しきれないと言っただろうが」

もうなんでもありではないですかな? このラフミは。

そんな訳でラフミがいつの間にか槌の七星武器を持ち出してしまったのでした。

ラフミが密かに槌の七星武器を所持して数日後ですぞ。

稽古の相手をしてほしいとの事でエクレアたちの稽古に付き合ったのですな。

老婆はパンダの祖父と一緒に稽古に夢中になっており、パンダやゾウ、お姉さんのお姉さんに教え込んでいますぞ。

エクレアがその日、稽古上がりに私物の整理をしているようでしたぞ。

ワニ男も一緒ですな。

いい汗をかき終わった後の荷物整理をしていると言った様子ですな。

「そういえば……」

エクレアは何かを思い出したのかワニ男の方を見た後に父親の肖像画を手に取りましたぞ。

どうしたのですかな?

破損していたのですがそれはすでに修理済みのようですぞ。

「エクレール様、何をしてるんだ?」

「シオン、お前……父から何か聞いてないか? もしも父が何かあった時、民が危険な目に遭っていたら……と、肖像画を確認しろと言っていたのを思い出したのだ」

そうして広げられた肖像画の裏には特にこれといった代物は無いように見えますぞ。

あぶり出しとか何かあるのでしょうかな?

「最初は額縁や絵の中に何か手紙でも入っているのかと思ったが破かれてしまっていたのでもう無いと思っているのだが、他の可能性があると思ってな」

「む? そういえば……エクレール様から何か秘密に関して尋ねられた際には逆さにしろと答えろと教わったぞ」

「逆さ?」

エクレアが肖像画を逆さにしますぞ。

「何か変わったものは……?」

「自分もよくわからない……まだほかに言付けをする相手が居たのか? 自分の父とか」

「そこまで複雑な要求を父がすると思うか?」

「無いとは言い難い」

これは……あれですぞ! この二人の知能指数が足りない謎という事ですな!

もっと知略に優れた者に見せないとわからない謎なのですぞ。

お義父さんとかですな。

いえ、この元康が解き明かしてやりますぞ。

タクト達に謎解きの推理ショーをしてやり、迷宮入りにしてやった俺の頭脳が光りますな。

「どーれ、頭のいい俺が確認してやりますぞ」

「いや、お前は絶対にわからないと思う」

「この流れでキタムラ殿が謎を解けるのか? どちらかと言えばイワタニ殿かアマキ殿、テオドール、あまり頼りにはしない方が良いがラフミ殿に聞いた方が早い気が……」

懐疑的なワニ男とエクレアを無視して逆さにした肖像画を確認ですぞ。

むん!

「逆さでも顔! ですぞ」

きっとそんなだまし絵なのですぞ。

「……想像通りの頭のようだ」

「なんですかな? 俺を馬鹿とでもいう気ですかな!」

ぷんすか怒る俺にワニ男とエクレアは視線をそらしました。

「そうですな。あえて言うならこの額縁の模様が逆さだと文字に見えるところですぞ」