軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

「いや、なんかこう……俺と添い寝したいとか妙な事を騒がれてさ」

「まったく……山奥まで来て妙な問答をするのはどうなんだ尚文。いや、元康か?」

「お義父さんの大事な睡眠時間を奪うこいつが悪いのですぞ!」

俺はライバルの親を指さしますぞ。

「汝らが妙な話をしてバカ騒ぎをしているだけであろうが」

「おのれドラゴンめ! 元はと言えばお前が後で合流など提案するからなのですぞ」

お義父さんの就寝時間を削ったのはお前が原因なのですぞ。

「はいはい。誰が悪いとか面倒な言い争いで時間を消費するのは良くないでしょ。帰って寝たいって言うなら用件を早く終えるで良いですよね」

「ああ、それで良いだろう」

「みんなも早く帰りたいなら騒がないようにね」

と、お義父さんが注意したので俺たちは黙って成り行きを見守る事になりましたぞ。

そんな訳でライバルの親はお義父さんに集めた宝の一部を助手の養育費と生活費として運んできたのですな。

売れば確かにそこそこの金銭にはなるでしょうな。

生憎とメルロマルク以外では俺がドラゴンやグリフィンを狩って宝の確保はしているので金銭には困っておりませんがな。

俺たちがするのはどうやらこの養育費として運ばれてきた宝の運搬なようですぞ。

前にも似たようなシチュエーションで受け取りましたな。

「あとは……」

と、ライバルの親が持ってきたのは……ライバルが生まれる卵のようですぞ。

前に見た覚えがあるのでわかりましたぞ。

……おかしいですぞ。時期的にはすでに孵化していてもおかしくないのに何でまだ孵化していないのですかな?

さすがに黙って見て居られませんな。

「失礼しますぞ。その卵はなぜ孵化していないのですかな?」

俺は出来る限り近づかないようにしてライバルが生まれるはずの卵に槍を向けますぞ。

そもそもループしてないライバルが当たり前のように顔を出してもおかしくない状況だったのですぞ。

どうなっているのですかな?

「元康くん何か知ってるの?」

「知っていますな。すでに孵化してもおかしくない代物なのですぞ」

「何の話だ?」

「ああ、ここにいる元康くんは未来の知識を知っている槍の勇者でして、どうもウィンディアちゃんとはいろんな出会いをしているみたいなんです」

「ほう……俄かには信じ難いフィロリアル臭い者だと思ったが……回復魔法をかけてからボコボコにしてくれたな」

ライバルの親が俺を睨んでますぞ。

何ですかな? あのまま仕留められたかったのですかな?

まったく怖くないですぞ。

「その……元康くんが気になっている卵だけど、何かありますか?」

「んむ……まあ、どうせ利用する予定だったから良いとするか。この卵はな……ウィンディアにとって妹となる者が孵化するはずの卵なのだ」

「妹となるはずの卵ですか」

「うむ。ウィンディアの教育に良いかとな。我の新たな子の世話を任せようと預けていたのだが……なぜか孵らん様になってしまったのだ」

ライバルの親はそう言いながら卵に軽く手を乗せてますぞ。

「いつまでも孵らない卵に我も疑問に思いいろいろと調べたのだが……どうも妙な魔法が仕組まれている。一体いつの間にこのような事がと首を傾げていてな」

「元康くんの話だと孵化してもおかしくはないのに孵化せずにいるって事になるのか……」

ふと、ライバルが宿った卵を異世界に捨てた事を思い出しましたぞ。

どうやらライバルはループする際に何らかの方法で槍に何かを仕込んで来るのでしたな。

その際に元々ある自身の卵にも遠隔で何か仕掛けをしているという可能性がありますぞ。

後にライバルから聞いた所だとライバルの卵が孵化する前だと魂を呼び寄せる魔法を槍を介して発動させているそうですぞ。そこに槍の中に記録した記憶を転写するとか述べてましたな。

それとライバル自身の拘りで助手の妹は自分だという事で卵に新しい魂が入らないようにしているそうですな。

曰く、別ループで自身が分裂するのは気まずいとからしいので事前に設定していたらしいですぞ。

俺がループした際に自身の生死を龍脈伝いで判定、死んでいるなら近場のドラゴンの卵に憑依、生きているなら……とあの手この手で設定しているそうですぞ。

等と言うのはこの時の俺は知りませんでしたな。

「そんな訳で孵化しない状態なので我の巣穴に安置させていたのだが、非常に都合が良いので使おうと思って持ち出したのだ」

「孵化しないんですよね?」

「ああ、だからこそ我が宿るのに非常に良い器となる。幸い、その魔法は出来るようなのでな。ウィンディアもずいぶんと傷ついているようだったし、これで少しは元気になってくれればよいのだが……」

なんだかんだライバルの親の方が助手を卒業出来てませんぞ。

「父親が娘の体に憑依して妹の振りをする……」

変態とはこの事ですな。

ですがライバルの親はよくやっている事なのですぞ。

最終的にはコンパクトに閉じ込められるまでがセットですな。

「ウィンディアが妹が欲しいというのだからしょうがないのだ! 深く考えるな!」

ほう……ライバルの性別は助手の指定だったのですな。

そういえばドラゴンの性別は孵化前なら選択できるというのを主治医がお義父さんに教えた結果、最初の世界の方のライバルの義弟は雄になったそうですぞ。

奴のチョコレートが騒動の原因になったのでしたな。今のラフミがいるのは奴が一部原因なのですぞ。

あの騒動時、土壇場でチョコレートモンスターから分離してお義父さんを助けたのでしたな。

自作自演とはこの事ですが、お義父さんに拒否されて返却されたチョコレートを、勿体ないから欲しがっていたチョコレートモンスターに渡した直後に暴走し取り込まれたのが原因だったという話でしたぞ。

「おい」

「……なんだ?」

ライバルの親に錬が声を掛けますぞ。

「ドラゴンはフィロリアルと仲が悪いんだろ? 俺に近寄ってくるフィロリアル共を追い払えるか?」

「フィロリアル共が我らドラゴンを勝手に嫌っているだけだ。あいつら……我を嬲りおって」

ユキちゃん達にボコボコにされたのをまだ根に持っているようですぞ。

「追い払えるかは、そうだな……汝らが我に力をつけさせれば可能かもしれんな」

「そうか、じゃあ俺も協力してやる。あまりパワーレベリングは趣味じゃないが、そうだな……あのウィンディアが上手く馴染むように手伝う代わりに協力して貰うんだ。手伝え!」

「錬、何を企んでいるのですかな?」

俺の問いに錬は眉を寄せますぞ。

「決まってるだろ。クロはラフミと遊んでいるから良いが、ルナをどうにかする作戦だ。キールにも協力させなきゃな」

「させませんぞ! では俺はルナちゃんをとことん強化しますぞ」

「そんなの俺の勝手だ」

「錬……そんなにもクロちゃんとルナちゃんが苦手なんだね」

そんな姑息な手は通じませんぞ。

「よくわからんが、ウィンディアを妙な事に巻き込むのは見過ごせん」

「尚文の所に厄介になれば嫌でもわかるし関わる事になる」

「わかるかどうかわかりませんよね」

「そうだな。自分たちは蚊帳の外だ」

「ヴォフ」

ウサギ男たちが錬のセリフに素直な感想を述べてますぞ。

「そういえば可愛いものが好きなルナちゃんですが、ウサギ男の獣人姿に関して、かわいい方だと仰ってましたな?」

俺もウサウニー姿で狙われた事があるので覚えがありますぞ。

キールと錬がいるからこそルナちゃんの可愛いもの欲求は制御出来ておりますが、居なかったら飛び火するのは間違いないですな。

何せいないとモグラを愛でていた程なのですぞ。

イヌルトになった錬をどこまでも追いかけて愛でていたのは懐かしい記憶ですな。

前回のループで時々寝ている錬をイヌルトにしたのですぞ。

報復に俺の家をスキルでぶっ飛ばされた事がありました。