軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

村祭

そうして……行脚をしている途中でサーカスキャラバンはライバルの親が生息している山の麓にある東の村へと到着したのですぞ。

ここでは奴隷売買が基本ないとの話ですが寄り道の小規模開催で慈善目的で行われるとかなんとかですな。

ちなみにライバルの親が出没する可能性がありますが、メルロマルク内の商売ルートの一つでそこそこ人通りがあった話があるそうですな。

欲に塗れる連中が多い村ではありますが、それは錬がライバルの親を倒さねば発露しない程度の認識のようですぞ。

どちらかと言えば邪悪ではあるけれど表面上は温和な村という認識ですな。

「えーっと……この辺りは亜人が時々来訪するので演目に関しては完全メルロマルクじゃなくても良いと」

お義父さんが怠け豚から貰った国内の信仰分布図を確認しながらみんなにここでの演目の内容を整理しているようですぞ。

もちろん東の村の村長へとあいさつをして村でサーカスを開く許可は貰ってきましたぞ。

村の方もサーカスが来たことで賑やかな雰囲気になっているそうですぞ。ついでにお祭りをして波による暗い雰囲気を払おうとしているそうですな。

サーカスが行くと便乗してお祭りを開く村は時々ありますぞ。

こういう時こそ楽しもうという精神なのですな。

注意しなくてはいけないのは錬が暇つぶしとばかりにここでライバルの親を仕留めに行かないようにするのですぞ。

フィロリアル様も山からくる風からドラゴンの気配を感じ取って若干ピリピリしている場所ですぞ。

「錬、山へは行ったらいけませんぞ? 下手にドラゴンを仕留めると疫病になりこの村で多大な犠牲者が出るのですかな」

どうやら錬はしっかりとここでライバルの親を仕留めるなどはしていなかったのか、村は特に活気づいてはいませんぞ。

「うるさい。命令するな」

錬は反抗的ですな。

下手にドラゴン退治に行きそうならば問答無用で阻止しますぞ。

今回もスリープランスですぞ。

「ルナちゃん、錬が山に行こうとするなら好きにして良いですぞ」

「わかったー」

「おい! 馬鹿やめろ! くっ……行かなきゃいいんだろ行かなきゃ!」

錬はルナちゃんにお任せすれば良いですな。

ちなみに錬とキールの演目は各々の日に開催される町村につき一回限りで出演ですぞ。

場所が変われば出演できるそうですぞ。

サーカスの開催期間は数日で次の町村に行くので演目の再演は行われるのですな。

ですが東の村では行われる可能性は低めのようですぞ。

何はともあれ……山の方に行かねば安全ですな。

無個性な村ですぞ。

「おー、今日もサーカスだぜー! 兄ちゃん! 俺は何すればいいんだー?」

「えっと……」

で、お義父さんはキールとモグラを交互に見ております。

モグラもお義父さんにお世話されて少しずつ落ち着きを見せ始めたとの事ですな。

ちなみに奴隷として売り出されているモグラの同族もついでに探しておりますぞ。

「キールくんはそうだね。イミアちゃんと遊んでてくれればいいかな。後でラフタリアちゃん達の所にも行こうね」

「おう! 剣の兄ちゃんも暇なら一緒に遊ぼうぜー!」

「暇じゃない!」

「じゃあルナが可愛いズを連れてお出かけするー山以外に行こー!」

ルナちゃんがキールと錬たちとのお出かけを所望してますな。

時々お出かけしているようですぞ。

「今日はもう十分狩りに出たから良い」

ルナちゃんとキールは錬とお出かけしてこの村の近くで合流したのでしたぞ。

なので錬の欲求は満たせたという事ですな。

何よりエクレアと錬は最近稽古をしているようですな。

エクレアがぼっちの錬を稽古に誘ったのが始まりなようでしたな。

ワニ男とは不愛想仲間なようで時々黙々と稽古に打ち込んでいましたな。

正確にはワニ男が錬に同情の目線を向けているようにも見えましたぞ。

ループ次第では仲が悪そうでしたが意外と気が合う間柄なのでしょうかな?

なんてやり取りをしながらキールは錬とモグラ、そしてルナちゃんを連れて建築中のテントの裏手で遊び始めましたぞ。

もちろんフィロリアル様もその遊びの輪に混ざっておりましたな。

ゾウも保護者として目の届く範囲で見守っておりますぞ。

「わー……楽しそー」

「混ぜて混ぜてー」

「いいぜー! みんな遊ぼうぜー!」

「わーこの子可愛いー干し肉食べるー?」

「お? くれるのかー? サンキュー!」

「俺は要らん! 食わせようとするな!」

「剣の兄ちゃん良いじゃねえか一緒に食おうぜ」

「おいキール! わかってるのか? 今の俺たちは犬扱いだぞ!」

村に居る子供たちも祭りの雰囲気に釣られてキールやフィロリアル様の遊びに参加しているうちにキールや錬は餌をもらっているようですな。

「子供はどこでも友達になれるって感じだね」

疫病が蔓延した場合、この村の子供はずいぶんと減っていたような気がしますな。

欲に塗れた村では弱いものから倒れていくのでしょう。

「……人も亜人も関係なく仲良く出来ればいいのだが……」

エクレアがワニ男と一緒に仲良く遊ぶ子供たちをお義父さん達と一緒に見つめていました。

「特にキール君はその辺りが上手だから演目関係なくいると将来助かるよ」

「そうだな……」

確かにキールは誰とでも臆せず話をするので売り子にも向いているのでしたな。

そうしてサーカスの準備は問題なく進み、村は祭りの雰囲気を醸し出して行ったのですぞ。

周辺の村もサーカスが来ていると聞きつけて集まっているとの話でかなりにぎわってきていましたな。

もちろんサーカスは大好評でしたぞ。

問題なく東の村でのサーカスが済めばよかったのですが……ここでとある事件が発生するのを俺は全く予期できていませんでした。

それはサーカスと祭りが良い感じに進んだ夜の事でしたぞ。

「兄ちゃん兄ちゃん大変だ!」

キールが子供とフィロリアル様たちを連れて演目が終わって打ち上げ兼、村の祭りを見て回ろうと話をしていたお義父さんの所に駆けこんできたのですぞ。

「どうしたのキールくん」

「一緒に遊んでた子が魔物に浚われたんだ!」

「なんだって!?」

その場にいたみんなが揃ってキールの案内に連れられて向かいますぞ。

「ブー」

怠け豚はそこでやる気のない声を出しながら村の代表の方へとのそのそと歩いているのを俺は見ましたな。

大方、捜索班ではなく報告班を自らやろうという所でしょう。

そうしてキールが向かったのは村の外れですな。

「おい。早く追いかけないと危険だろ」

「でもアマ、山に行っちゃだめって注意されてる」

「そんな状況じゃない! 子供の命がかかってるんだぞ!」

錬がルナちゃんに引き留められておりましたな。

「錬、どうなってるの?」

「尚文と元康たちか、キールから聞いていなかったのか? 子供が一人魔物に浚われたんだ。急いで助けに行くべきだ」

「サーカスが一区切りしただろ? そろそろみんな帰ろうって解散になったんだけどさ、女の子が村の外まで行っちまって、そしたら魔物が現れて連れてっちまったんだ」

「そりゃあ一刻を争う状況だ」

「だけど山には行くなって注意されてるしフィロリアル共もドラゴン臭いからお前らに確認を取るべきだと五月蠅くてな」

ホウレンソウですぞ。報告相談連絡は大事なのですな。

しかし……村の子供が魔物に浚われたとは物騒な話ですな。

ちなみにゾウなどは演目に参加するために子供たちとは別行動になっていたのですぞ。

「うーん……ゲームとかだと定番のイベントだとか思っちゃいそうだね」

「そうだな。だがそんな状況じゃないだろ!」

お義父さんの呟きに錬も同意してますぞ。

で、そこに当然のようにいるラフミですぞ。

お前、何か察しているのではないですかな?

何も言わずに成り行きを見守っているように俺には感じられますな。

ですがここで下手に突くと場をひっかきまわしそうな気もしますので気にしないようにしますぞ。

「人命は何事にも代えがたい、ね。じゃあ急いで子供の救出をしよう。元康くん」

「わかりました! とはいえ俺もここでは行ける範囲があるので注意ですな」

「何かあるの?」

「そうですな……下手な真似をすると俺にとってラフミ以上の強大な天敵が増える可能性があるのですぞ」

できればライバルに遭遇するのは避けたいですぞ。

何よりここはドラゴンの生息する山、下手な卵に近づいてライバルが宿ったら溜まったものではありませんぞ。

「どうも元康くんも活動しづらい場所なのか……何にしてもみんな! 手分けして子供の捜索をしよう!」

「あ、あの」

と、キールとは別にモグラが恐る恐ると言った様子でお義父さんに声を掛けました。

「イミアちゃんはここで待ってて、大丈夫だよ」

「は、はい」

お義父さんは心配そうなモグラに屈んで微笑んでおりました。

モグラは加入して日が浅いですし、そこまで強化出来てませんからな。

しかし……確かに何と言いますか改めて思うのですが、幼いお姉さんと似ているのは間違いないですぞ。

今のお姉さんは幼いですので一緒に居るとお義父さんへの反応が同じなのでわかりますな。

そんな訳で俺たちは総出で山へと行くことになったのですぞ。