軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

イメージ向上

「……」

ウサギ男が無言で腕、肩、背中と撫でてほしい所を前に出していくのですぞ。

要領が良いと思いましたが中々意識的に出来るのですな。

お義父さんもほほ笑みながらウサギ男の要求に答えて行きますぞ。

そして最後にハグとばかりにウサギ男は腕を広げました。

「岩谷様」

「はいはい。テオもしてもらいたかったんだね」

「……はい」

ハグをするとモフっとお義父さんがウサギ男の毛皮に少し埋まってました。

それから少ししてウサギ男は満足したのか離れました。

俺の脳内でお姉さんたちが羨ましそうな視線を送っている気がします。

ただしフレオンちゃんと再会できたループのお姉さんはラフ獣人姿で異なる様子で目を閉じていました。

お義父さんにこれでもかとモフモフして貰えたお姉さんですからな。

きっと一番撫でられたお姉さんでしょう。

ラフーとラフ種代表ラフちゃんは負けじとお義父さんの前で寝転がっているような気もしますな。

「岩谷様は撫でるのが上手ですね」

「今度はブラシ掛けをしてあげるからね。これからその姿でいることが増えるなら毛の配慮もしないといけないからさ」

「はい。努力します。これからよろしくお願いします」

「うん。それで気になる所だけどテオはその姿で何が出来るようになったのかな? 身体能力上がった?」

「わかりません。モフモフになって視界が高くなったくらいしか」

「見た目だけだったりすると悲しいから違いはしっかりと確認だね」

「ヴォフ」

ヴォルフがお義父さんの言葉に同意してますぞ。

「まあー……何となくだけどテオがウサギの獣人ってのもあって見た目から魔法とかが得意に感じるけどどうなんだろうね。獣人化ってどのステータスが伸びるって決まってたりするのかな? ラーサさん、知ってる?」

「ああん? 傭兵のあたいよりシルトヴェルトの貴族と付き人に聞くべきじゃないかねー? 別に退屈そうにしてるからってあたいに話題を振らなくて良いってんだよ」

ボリボリとパンダが面倒そうに腹を掻きながら返事をしますぞ。

「そこは種族毎ですね。確かに獣人化は魔力消費はしていきますが単純な魔法威力が上昇するというのもありますので」

「なるほどなーテオはどっちのタイプなんだろうね? 身体能力が大幅に上がるのか、それとも魔力とかが上がるタイプなのか。ステータスの伸びは大器晩成タイプみたいだよね。最近は大分伸びて来てたし」

「そこの人に耐久面を大幅に上げられましたけどね。岩谷様以外が行う鞭打ちの演目でも痛みがあまりなくて演技しないといけなくて困ってますよ」

フィーロたんに蹴られても大丈夫なように強化してやった件ですな。

「なんにしても頑張ったね。これで体の痛みとかすべて克服したならそれが何よりだよ。俺としてはね」

「……痛みに関してはずいぶん前から殆どなかったですよ。岩谷様のお陰です」

ウサギ男は慈愛に満ちた目でお義父さんに返事しましたぞ。

「もふもふを維持するのですぞウサギ男! しっかりとウサギは可愛いのだと維持するのですな」

間違ってもウサギのイメージ悪化をするような顔や行動は慎むのですぞ。

「特に意味もなく顔をくしくしするのは大事ですぞ。お義父さんにしっかりとアピールですな」

「意味もなく顔を洗うって……」

ウサギ男がしょうがなく顔をくしくししますぞ。

ほう……拝みポーズもするとはなかなかやりますな。

「ヴォフ」

ヴォルフが負けじと足で耳を掻いてごろりと寝ころびましたぞ。

撫でてほしいアピールですな!

貴様! まだお義父さんにかまってほしいのですかな!?

「なんだろうこの光景……ヴォルフ、甘えたいのはわかるけど年齢を考えて」

「わうー?」

「あんまりそれすると威厳とかいろいろと落ちるよ?」

「時に甘えたいのですナオフミ様」

あざといですぞヴォルフ、ですがお義父さんには逆効果なのですぞ。

ふ……いずれお義父さんに最大限の甘え方を教えてやりますぞ。ヒヨちゃん直伝のお義父さん甘え術をな!

「岩谷様、この姿のボクに似合う衣装とかありますかね? いろいろとサーカスの演目時や日常生活なんかでも岩谷様が選んだ格好をしてみたいです」

「え? そうだなー……似合いそうって点だと大きな懐中時計とか? 片眼鏡とかもテオには似合うかもね」

ほう……懐中時計が似合うのですかな? 参考になりますな。

では懐中時計風おポーチをウサウニーの時につけるのも良いでしょう。

ふと、脳裏に豚どもと劇でやった不思議の国のアリスが浮かんできますぞ。

「不思議の国のアリスですな!」

「元康くんは気づいちゃったかー」

「なんですか?」

ウサギ男が興味があるように聞いてきますぞ。

「アイデア元があるのだろう。仮装するにしても教えてやった方が良いのではないか?」

「ラフミちゃんは……知ってそうだね。まあ、物語の登場人物で出てくるキャラクターかな」

「シルトヴェルトの方で勇者様がテオドール様のような今の見た目の種族の話になると出てくる人物で聞いた気がしますね」

シルトヴェルトの使者がそういうとヴォルフも頷きましたぞ。

「歴代の盾の勇者って知っている物語の動物キャラクターとかを語ってそう」

「概ね間違いはないですね。そういった話をしてもらうのも各種族が好ましく思っているので」

「ヴォフ、俺の種族は悪役多い」

「確かに狼は悪役であるのが多いけどいろいろとかっこいい話もあるからねー」

「岩谷様の口からボクに似合いそうな話を教えてくれると嬉しく思いますよ」

「そうだねー……じゃあ教えてあげた方が良いかなー」

と、お義父さんはウサギ男に不思議の国のアリスのウサギの話をしておりましたぞ。

ですが、まあ言ってはなんですが不思議の国へと導いた後はあんまり活躍らしい活躍はありませんがな。

どちらかといえば敵方勢力のウサギですぞ。

その辺りをお義父さんはやんわりと語っておりました。

ですが、そうですな……ウサギ男があのウサギの仮装をしたとしても俺はウサウニーの仮装でお義父さんに見てもらおうと思いましたぞ。

という所で俺の脳内で冤罪から助けられなかったお義父さん達が不思議の国のアリスで出たウサギの仮装したウサウニー姿の俺を見た際の感想が浮かんできました。

『確かにお前はウサギだな。間違いなく三月ウサギだ』

えへへ……ですな。不思議の国のアリスのウサギは三月ウサギというのもいるのですぞ。どっちのウサギを見てもらうか悩みますぞ。

こっちの仮装も準備するのは良いですな。

ですがどういう意味でしょうな?

お披露目した際にお義父さんに聞いてみましょう。

「こんな感じだろうな」

パチンとラフミが指を鳴らすとウサギ男の服がお義父さんの提案した衣装に変わって見えましたぞ。

幻覚魔法でそれっぽくしたのですな。

「そうそう、こんな感じの服装にすると似合うね」

「ではちょっと頭よさそうなウサギで行きますね。ふふ、ちょっと楽しくなってきました。ただ……奴隷商人の服と似てますが」

「あー……まあ、あの人ってそれ系だね」

ウサギ男はお義父さんとの話をとても楽し気に聞いておりましたぞ。

とにかくウサギのイメージ向上に努めるのですな!

こうしてウサギ男の悩みは解決したのですぞ。