軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

新生モフモフ

確かにお姉さんが獣人化したことが何度かありますぞ。

最初は俺がループしている最中に自ら変身しておりましたが、それ以外だとラフ種を作った際にクラスアップに介入された時の話でしたな。

フレオンちゃんと再会したループでお姉さんがラフ種の獣人となっておりましたぞ。

その際の話をライバルからラフミは聞いているのですな。

「こいつの因子は不安定だが、多少の違いはあるが未来の魔導科学に精通している私の力を持ってすれば容易いぞ。オリジナルは獣人化することに多大な抵抗を持っていたが盾の勇者には効果的だったと聞く」

ラフミがウサギ男の腕を掴みそのまま歩きだしますぞ。

「龍刻の砂時計へと行くぞ! 私が貴様を暇つぶしに因子を開花させてやろう。最強のモフモフになるがいい」

「や、やめ! うお! この人、槍の勇者程じゃないけど力が強い! うぐ……幻覚をかけないでください目が回る! だ、だれか助けてください! ボクが改造人間か謎の生物にされてしまいます! 岩谷様ぁあああ! たすけてえぇええ!」

「やかましい! 槍の勇者、早く黙らせろ! じゃないとフィーロを貴様の視界に入らないようにするぞ」

「く!?」

俺を脅すとはどういうつもりですかな!?

ですがフィーロたんに会う事すら叶わないようにされるのは困るのですぞ。

なので俺は渋々ウサギ男にパラライズランスで麻痺させましたぞ。

「たすけ――うぐ――ッ!」

そんな訳で俺とラフミはウサギ男を連れて龍刻の砂時計に行きましたぞ。

ラフミが何処で見つけたのか人里から離れた山の中にある龍刻の砂時計でウサギ男にクラスアップを施しました。

「――ッ!」

麻痺したウサギ男を生贄に捧げるかの如く龍刻の砂時計の前に横に置いてラフミがクラスアップを施し、俺の槍を反応させたのですな。

ボフっと音を立ててウサギ男のクラスアップは終わったようですぞ。

「ゲホッ! ゲホ!」

ラフミがクラスアップを終わらせると同時にマヒの治療を即座に施し、ウサギ男がブンブンを手を振り、咳をしながら煙を飛ばしていましたな。

それから徐に自身の耳や体、尻尾などを確認しているようでした。

「ボクはラフ種ってのにされてませんよね? 耳、大丈夫ですよね?」

「問題はありませんぞ」

「ったく! 無理やり何をするんですか!」

「貴様の願いを叶えてやったのではないか、さあ……私の有能さに感謝するが良い!」

ふん! っと胸を張るラフミですぞ。

お前がどんだけポンコツなのかは知ってますからな。

ウサギ男がタヌキ男になっても何の不思議もありませんぞ。

……タヌキと来ると出てくる焼き物がありましたな。

「おいウサギ男、股間は大丈夫ですかな? むくむくと大きくなるかもしれませんぞ」

それはどういう意味ですか! と記憶の中のお姉さんが抗議してますが必要な確認ですぞ。

「お、大きくはなってませんよ」

「十分注意が必要ですぞ。しばらくしてから大きくなるかもしれませんからな」

「だから私を侮辱するのはやめろ、そこまで望むなら槍の勇者……貴様の股間が大きくなる幻覚を常時施してやろうか? 貴様にピッタリだと思うぞ?」

なんて提案をしてくるのですかな!?

「そんなの嫌ですぞ!」

いくら何でも大きすぎるのは嫌なのですぞ。

く……ラフミめ! どこまでも厄介な奴なのですぞ。

「良いから確認しろ。私の分析ではこれで貴様の遺伝子的な病は安定したはずだ。貴様の子孫にも安定した状態にまで昇華してやったぞ?」

「そうは言いましても……」

「なんだ? 獣人化の方法が分からないとでもいうのか? さすがに私もその部分だけは管轄外なので獣人化に詳しい者に聞けばすぐに出来ると思うが」

ウサギ男が自身の体を何度も念入りに確認していますぞ。

お義父さんの奴隷なので明確にステータスの確認が出来ないのが惜しい所ですな。

「獣人化に関しては勝手に体が変身するので感覚は分かりますが……」

「しっかりとして見るが良い。痛みと妙な獣人化は無いはずだぞ?」

「……いささか怪しいですがやってみますか」

半信半疑と言った様子でウサギ男はため息を吐いてから拳を握りましたぞ。

「ふん!」

するとウサギ男の体から毛が生えて膨らんでいきましたぞ。

割とすぐに獣人化が行われ、変身完了したみたいですな。

「あ……?」

ウサギ男が大柄のウサギ獣人姿に完全に変身を終えたみたいですぞ。

その姿はウサギ獣人と評するのにぴったりですな。

記憶の中でどこかで船に乗っていた大きなウサギの獣人らしき人物が浮かんできますぞ。

どこで会ったのですかな?

パッと出てきませんがそのウサギ獣人と兄弟と思えるような印象があるウサギ姿をしていますぞ。

「あの、ボク……姿変わってます? どうにもピンと来ないのですけど」

ウサギ男は自身の両手を見た後、モフモフの手で顔に触れてから背中、尻尾、足と確認してますな。

「うむ。クラスアップは成功だぞ。どうだ。感謝するが良い」

ふむ……ウサギ男が獣人化するとこのような姿になるのですな。

ですがウサウニーになった事のある俺のモフモフとかわいらしさには届いていないと思いますぞ!

ウサギの可愛らしさで俺は負けるわけには行きませんな。

脳内で最初の世界とフレオンちゃんと再会した世界のお義父さんが何を争っているんだお前は! と仰っているような気がしますが気の所為でしょうな。

「変身忘れとかおかしな所ないですよね? 痛みもなくここまで変わった事ないんで不安なんですが……」

「どこも変身忘れなどないぞ。疑り深い奴め。な? 槍の勇者」

「そうですな」

「さあ! その姿で何処までも駆けるが良い。野生が貴様を待っているぞ!」

「そう言って調子に乗って走って行ったら昔のヴォルフみたいに野生に支配されて何もかも忘れるとか、元に戻れなくなるとか無いですよね?」

ウサギ男が疑惑の目をラフミに向けていますぞ。

「それはどこの物語だ? 貴様は随分と夢物語を読み込んでいるようだが私をその程度の無能な研究者と同類に扱って貰っては困る。私を製作したのはアゾットだぞ?」

「今はイヌルトでルナさんに絡まれてる方ですよね!」

「ええい減らない口を持つ面倒な奴め! バージョンアップにかのお方が関わっている。その程度のミスはない!」

ラフミがそう言い切りましたぞ。

まあ、確かにウサギ男は樹並みにしつこいですな。

「と、とにかく元に……」

ポンッとウサギ男が亜人姿に戻りましたぞ。

「も、戻れた。しかしボクは変身すると自分と視線が上がりましたね……あれが獣人化なのですか。力も漲ったような……よくわからない」

元々ウサギ男の腕が獣人の腕に代わる際、そこそこ大きくなってましたな。

すべてが変わると体躯も大きくなるのでしょう。

逆に小さくなるのはキールですな。

俺もウサウニーだと小さくなりますぞ。

……考えてみれば小さいのはかわいいですが大きなウサウニーになるという方法もあるかもしれませんぞ。

お義父さんは大きなラフ種も気に入っておりました!

ビッグウサウニーも研究ですぞ!

「どうだ? 願いを叶えてやったぞ。存分に感謝するが良い」

「やり方が非常に不服なのですが……勝手にクラスアップまでさせてきましたし」

ちなみに一端Lvリセットをした後、Lvを上げて再度クラスアップさせました。

「なんとでも言うが良い。結果こそがすべてだ。さあ、存分に盾の勇者に媚びを売りモフモフして貰うのだな」

「その言い方どうにかなりませんかね。こう……シオンやヴォルフみたいな劇的なイベントでボクは覚醒とかしたかったんですよ」

「私の有能エピソードでの覚醒だ。それで良いではないか。不満に思うのはワガママというものだ」

どちらかと言えばお姉さんのラフ獣人化と同じ類のイベントだと思いますぞ。

「はあ……ボクはシオンやヴォルフみたいな因縁とか何かないのですかね……物語に憧れすぎでしょうか」

ウサギ男の劣等感は随分とあるようですぞ。

こういう所が樹みたいに感じられてしまうのでしょうな。

まあ、奴隷としての生活が長いそうですからな。

「ふん。愚かな、そんな過去が無ければ貴様の奴隷仲間と対等になれないとでもいう気か? 勇者の配下としてそれだけで負けるとは随分と貴様の覚悟は軽いのだな」

ラフミの指摘にウサギ男がムッとしてますぞ。

俺の台詞ですぞ。

「その程度でお義父さんの忠実な配下を名乗るとは笑止ですな」

俺はどれだけ時を繰り返そうともお義父さんとフィーロたんの為に戦う事を決めたのですぞ。

「それではループした際にお義父さんの配下をまたさせる恩とやらは築けそうにないですなー」

「この忠誠心で引き下がるつもりはありませんよ! わかりました。良いでしょう。ボクがあの二人に過去が劣っているとしても忠誠心は負けませんよ。はい! では存分に岩谷様にモッフモフのボクの魅力を味わわせ癒して差し上げますとも!」

ボフンとウサギ男が獣人化して毛皮を寄せてあげて見せましたぞ。

フッ! フィロリアル様の魅惑の肌触りに勝てますかな?

「では盾の勇者に突撃するのだ!」

「おー! 新生モフモフを見て貰いましょう!」

なんて形で俺たちはお義父さんの元へと向かいました。