軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

直伝

「ほらヴォルフ、お前も証人として行くのですぞ」

「くーん」

ヴォルフがお義父さんから離れないとばかりに引っ付いてますな。

お前はいくつですかな? 年齢を考えろですぞ情けないのですぞ。

カウワードとタクトに名付けられたのもしょうがないと思えてしまうのですぞ。

「えーっと……元康くん、ここからフォーブレイまで日数があるでしょ? そっちに行く間に戻ってくるときもあるだろうし、こっちはこっちでヴォルフは密かにシルトヴェルトの方で話をつけるのはどうかな?」

お義父さんがそんなヴォルフに対して苦笑気味に提案してくださいました。

ふむ……お義父さんがそうおっしゃるのでしたらしょうがないですな。

「わかりました。ではヴォルフ、フォーブレイに到着したら一緒に来るのですぞ」

「ヴァフ」

亜人姿でそんな返事をされても気が抜けますな。

お義父さんではありませんがお前は獣人姿がお似合いですぞ。

「では出発ですぞユキちゃん」

「はいですわー!」

そんな訳で一路俺たちはタクト共を馬車に載せてフォーブレイへと行ったのですぞ。

もちろん内密にですな。

ユキちゃんの指示でフィロリアル様達が交代に楽しく走ってくださいましたぞ。

あっという間にフォーブレイに到着ですな。

道中、タクトへの拷問はもちろんしました。

早速とばかりに内密で槍の勇者が到着し縛り上げたタクトを豚王の前に見せました。

もちろんゼルトブルの闘技場で無様に負けた経緯などを説明してやりました。

タクトはまだあきらめていなかったのか説明途中で痺れているにも関わらず抗議の呻きをしてましたぞ。

ああ、タクト派閥の大臣はやはり最初は偽者と思っていたようでヘラヘラしてましたが剥奪が目の前で発動してから顔色が一変、擁護すると同時に御用となりましたぞ。

思わぬ出来事に豚王も満足だったようで、話裏を合わせてタクト派閥の豚共の駆逐をしてくれるとの約束を取り付けましたな。

ヴォルフはシルトヴェルト側の七聖勇者としてタクトの悪行の証人として証言しました。

お義父さんも一緒に来ようとしておりましたがお手を煩わせるまでもありませんでしたな。

タクトは重度の奴隷紋を施されて豚王に豚共が遊ばれる光景を見せられた後……俺の番になりましたぞ。

その頃になるとタクトは叫ぶも疲れたのか殺してほしいような目をしてましたがこの程度で仕留めてやるわけにはいきませんぞ。

という訳で俺は七裂島の研究所で実験台にタクトを乗せて……閃いた拷問を施してやりました。

「タクト、今どんな気持ちですかな? お前は不老不死になることも望んでいたでしょうな?」

腐りきった転生者は最強の不老不死を望むとの話ですぞ。

「――ァァァアア……ウォオオ」

「そのような呻きを上げる程度で許しはしませんぞ?」

槍のスキルにある錬金術の技能を最大限駆使してやりましたぞ。

「ほら、ヴォルフ、お前もタクトの無様な姿を見て満足するのですぞ」

「キャインキャインッ!?」

せっかくヴォルフに気持ちが晴れるようにタクトを拷問する様を見せてやっているのに怯えて逃げようとしてました。

後日、ヴォルフはこの件の事をすっかり別の記憶に差し替えていましたな。

そう、俺がタクトに今回の周回で施してやったのはイグドラシル薬剤や様々な生命力を回復させる効果を併用しつつ……生きた肉塊にして薬が続く限り死なないようにしてやったのですぞ。

これぞアーク直伝、肉塊の刑ですな! インスパイアさせて貰いました!

おや? 記憶の中のアークが苦笑いしながら「あんまり真似しないでほしい事なんだけどな……」と、仰っていますがタクトがフィロリアル様の卵を無数に割った罪には相応の罰なのですぞ。

ともかく、タクト本人はこうして処理してやったのですぞ

死ぬに死ねない動けない肉塊で生き続け、フィロリアル様の命を冒とくした罰を受けるのですぞ。

まあ、曰くつきの島でタクトに相応の罰をしてやったのですがな。

そのうち、転生者バトルロイヤルが行われるでしょうがその展示に丁度いいでしょう。

ちなみにライバルも魔法で似たような罰を与えられるとの話を後日、知りましたな。

何はともあれ、ヴォルフとタクトの因縁が発覚し、こうして解決へと向かったのですな。

まだタクトを俺が輸送している頃、フィロリアル様の交代時間で戻った際にシルトヴェルトの使者とお義父さんと話をしている所に遭遇しましたぞ。

ゾウもその場にいて色々と話をするようでしたぞ。

「ヴォルフがまさかマガルム様だったとは……私もまるで分りませんでしたよ」

「そのようだね。えっと、ヴォルフがシルトヴェルトの方にタクトの息が掛かった者たちが居ないか警戒しながら上層部とコンタクトを取ったみたい」

ヴォルフはこの場に居ませんな。

どうやらシルトヴェルトで色々と話をしているそうですぞ。

「マガルム様ですか……」

「エルメロさんも知ってる人だった?」

「随分と昔、ジャノン様が各地を巡っている際に遠目で拝見した程度です。その……随分と違ったのでどこかで会ったような錯覚は覚えましたがまるで分かりませんでした」

ゾウも昔あった事があるようですぞ。

何だかんだゾウは顔が広いですな。

「そうなんだね。元康くんはヴォルフの事は全く知らないんだよね」

「もちろんですぞ」

まったく興味もありませんでしたからな。

「そういやヴォルフが自分を取り戻したら随分と姿が変わったけれど、あれってどんな現象なんだろ?」

「そうですな。変身した姿が大分変わりましたぞ」

体格が大きくなるのは元より色合いまで変わってましたぞ。

「マガルム様はルハバート様と同じく、メルロマルクでは狼人と称されますがシルトヴェルトではワーフル種の中でも古代種と称される血筋。一説ではドラゴンにも匹敵するほどの魔性な血を持ちます」

「魔性……」

「はい。代々の勇者様がイメージする吸血鬼とする種族にもっとも近く、けれど異なる野性味の溢れる種族だそうです。私もワーフル種に近いのですがあまりにも違いがありすぎて悔しいとすら感じますね」

シルトヴェルトの使者が苦笑気味にお義父さんの質問に答えますぞ。

「それで盾の勇者様の質問にお答えすると、マガルム様は変身の際に自身の魔性や周囲と力を合わせてより強力な獣人姿になれるでしょう。ドラゴンの中には状況次第で属性や姿を変える者がいますのでそれに近いと思うのが良いかと思います」

そういえばライバルが助手やモグラと連携して変身する姿を変えたりしていましたな。

やがて自身でコロコロ変えれるようになりましたがそういった事なのでしょう。

後でタクトの残党から聞き出せた情報なのだそうですが、シルドフリーデンの代表をしていた豚の二段階目の変身はヴォルフを人体実験した際に見つけた因子を取っ掛かりにしたそうですぞ。

そんなことをせずとも限界突破のクラスアップをすれば出来るのではないのですかな?

まあ、タクトの豚の事ですから必要な因子や心が伴っていないのでしょう。

それよりも気にしなくてはいけないのはヴォルフはライバルみたいに状況で獣人姿が変わるという事ですぞ。

……もしや警戒しなくてはいけないでしょうかな?

ま、問題ないでしょう。

「お義父さん、俺の移動中にシルトヴェルトにヴォルフは行ったと聞きました。どうでしたかな?」