軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

三色団子

「何にしても闘技場ではズルして上手く行ったようだが世の中そんなにうまくいかねえんだ! 世の厳しさ、真の実力を見せてやるぜぇええええ!」

と、タクトは悠長にもツメを出してヴォルフに向けて振りかぶりましたな。

ふむ、弾くこともできますが流れ弾はこちらには来ないでしょうし、俺も奴を生け捕りにするために行動するとしますかな。

まずは接近しやすいようにタクトの竜帝を即死させねばいけませんぞ。

次はブヒブヒとひと際不快な顔をしている赤い頭巾の豚ですな。

「ガアアアアアアアアアアアアアア!」

ステップを踏みながら襲い掛かろうとするヴォルフに不敵な笑みを浮かべたタクトが爪でバカの一つ覚えのあのスキルを放ちますぞ。

「お前にはこれがピッタリだろ? 死ね! ヴァーンズィンクロー!」

「ヴォルフ!」

そんなヴォルフをかばう様にお義父さんが飛びついて抑えました。

一瞬の行動だったので俺を含めてワニ男たちも対応に遅れましたな。

「おい待て!?」

「岩谷様!?」

「な!? お義父さん!?」

ジャリン! っとお義父さんの肩にタクトのスキルが掠り当たりして火花が散りましたぞ。

お義父さんの防御力ですからな、正面から当たったとしても今では大したダメージになりませんぞ。

「キャイン!? ガア――!?」

ヴォルフは抑えつけられ思わぬ拘束に怒りの声を上げようとしましたが、その相手がお義父さんと知り、同時にお義父さんの肩口に攻撃が入って僅かに出血しましたぞ……何やら瞳孔が開いたり閉じたりして震え始めましたぞ。

何やらトラウマか何かで大きく脳内でフラッシュバックしていたとかなんとかですな。

「ヴォルフ、大丈夫か? 何やら因縁のある奴らみたいだけどそんな我を忘れてとびかかられたら少し困るから落ち着け」

と、肩から少し出血し優しく諭すお義父さんにヴォルフはパクパクと口を何度も開いてましたぞ。

肩に付いた血をヴォルフは触れて手が震えてましたぞ。

「お涙頂戴ってか? そんな臆病な雑魚の話なんて誰も興味ねえんだよ!」

タクトがそんなお義父さんとヴォルフのやり取りに追撃を決めようとツメを振りかぶりましたぞ。

調子に乗るんじゃないですぞ!

俺が急接近して槍を振りかぶろうとすると攻撃に我に返ったヴォルフがお義父さんを担いで……俺の方に大きく跳躍してきましたぞ。

「させ……ない。もう……俺は……恐怖に負けない。逃げない」

絞り出すようにヴォルフが言葉を発しましたぞ。

「ヴォルフ? 言葉が……」

そしてヴォルフは任せるとばかりにワニ男たちにお義父さんを預けますぞ。

ここは目の前にいる俺ではないのですかな?

俺にお義父さんを預ければ何が何でも守り切ってみせますぞ?

なぜヴォルフはお義父さんを俺に預けなかったのか後で問い詰める必要がある気がしますな。

大丈夫とばかりにヴォルフは、理性が戻ったとばかりに背を向けつつお義父さん達に親指を立てていますぞ。

「ワォオオオオオオオン!」

それから雄叫びを大きくしましたな。

ヴォルフの周囲に魔力と気が集約し、一回り体躯が大きくなりますぞ。

何やら変身したような感じですな。

「は? 避けた程度で何調子に乗ってんだ。お前は前からブルブル震えてるだけの犬っころだろ」

「ブブヒブブブブ!」

チャキッと赤ずきん豚を筆頭に豚共がヴォルフに向けて銃器を取り出して一斉射撃しましたぞ。

まーたそれですな。

では俺はその一斉射撃に合わせてタクトの竜帝の眉間をぶち抜いておいてやりますぞ。

「ギャ――」

ですが一斉射撃をするのに夢中でタクトは気づいてませんぞ。

「はああ!」

雨のように降り注ぐ弾丸をヴォルフはすべて避け、タクトの目の前に到着しましたぞ。

さらにツメを大きく振りかぶりましたな。

「思ったよりやるようだが喰らいやがれぇえええ! てめえをしっかりと処分してやらぁあああ! お前の大好きなツメでよおおお!」

何やら決め技とばかりにタクトはヴォルフをツメで切り裂こうとしたようですが、ヴォルフの方が今は能力が上ですな。

「ガウ!」

ズバン! っとタクトのツメがついた方の腕が跳ね飛びましたぞ。

「おおお――!? はは! 腕を吹き飛ばしてやった……ぜ?」

跳ね飛んだ腕を見て当初、タクトはヴォルフの腕が吹っ飛んだと思ったようですな。

ですがヴォルフの爪がしっかりと付いていることに小首を傾げてから自身の腕を見ましたぞ。

直後、血が噴出しましたな。

「ギャアアアアアア!? 腕が――腕が!?」

「ブヒャアアア!」

「ブブブ!」

「タクトの手が――!?」

やかましいですぞ! っと、タクトのグリフィンにセカンドジャベリンを投げつけて仕留めてやりますぞ。

エアストジャベリンで既にタクトの竜帝の頭は吹き飛ばしてますがな。

鮮血が一気に三つ飛びましたぞ。

「――アアアアアアア!?」

まあ、タクトはそんな状況微塵も理解できず、自身の片腕が吹っ飛んだ事に驚いているだけのようですな。

「俺はもう止まらない。兄さんの無念を晴らす!」

という所でキラキラと吹っ飛んで地面に転がっていたツメが輝き、ヴォルフの手に収まりましたぞ。

「あの爪は……ですがいや……まさか、いくら何でもおかしいですよね」

ウサギ男が目ざとく爪に気づいたようですな。

「これは兄さんのツメ……そうか、お前もアイツに抑えつけられて悔しかったんだな」

ツメへと語り掛けるようにヴォルフは何やら喋ってますぞ。

「て、てめええええ! 何してやがんだぁああああああ! 返せ! それは俺のものだこらぁあああああああ! 俺の腕を吹っ飛ばしたからにはただで殺してやると思うんじゃねえぞぉおおおお!」

やっと我に返ったのか怒髪天となったタクトが怒鳴りましたぞ。

後は面倒なキツネですな。ビーストランスに変化させてオート発動のエアストジャベリンで頭をぶち抜いてやりました。

タクトの怪我に豚共のほとんどが意識を向けていた所為で俺の攻撃に殆ど気づいてませんな。

脳内で最初の世界のお義父さんが「どさくさに紛れてどんだけ仕留めてんだ」と呆れてますが気付かないアイツらが悪いのですぞ。

ヴォルフが今までとは異なりしっかりとした構えをとって戦おうとしているようでしたぞ。

理性が戻ったと表現するのが正しいですな。

「ブブブ! ブヒイイイイ!」

そこにタクトが攻撃する隙を作るとばかりなのかヴォルフが活躍するのが気に食わないのか赤ずきん豚が近づき、手りゅう弾を投げつけてきましたぞ。

「ふん」

爆発する前に手りゅう弾をヴォルフははじき返してましたな。

爆発音が裏路地で響きますぞ。

「……」

「ブブヒブブブ!」

静かな怒りの籠った瞳でヴォルフは赤ずきん豚をにらみつけてました。

「卑劣で腐ったような女だ、お前は……あまりにも醜く、見苦しい」

「ブヒ!? ブヒブヒブヒャアアアア!」

赤ずきん豚はヴォルフに罵りの言葉と中指を立てているようですぞ。

「この泥棒野郎があああ!」

「泥棒はお前だ。鞭の勇者が一体どうして兄のツメを奪えたのか吐かせるぞ。その前に……その身に受けろ。はぁああああ!」

と、何やらツメが光り輝いて覚醒しているようですがタクトを嬲るのは俺のする事なので邪魔させて貰いますぞ。

問答無用でタクトにパラライズランスⅩですぞ。

「生憎そこまでですぞ」

「な――」

スカっとヴォルフの爪は空を切りました。

「ぐあ! な――て、てめ――!? ッ!? ッッ!!??」

そのまま突き刺して振りかぶりながら赤ずきん豚も一緒に刺してやりましょう。

「ブ、ブヒト! ブヒャ――」

そんな所でタクトの気色悪い病んだメイド豚が駆けてきたので追加で刺し貫いてやりました。

タクトと赤ずきん豚、メイド豚の三色団子状態にしてやりました。

ふははは! 汚い団子ですぞ。

残りはもう一本槍を出して皆殺しで良いですな。

タクトを捕縛する前にしっかりと把握した周辺の豚共すべてにロックオンですぞ。

「エイミングランサーⅩですぞ!」

「「「ブ、ブヒャ――!?」」」

ヒュンと投げつけて全員の頭をぶち抜いてやりました。