軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

再現考察

それからエクレア達は廃墟となった町にいた婚約者とエクレアの屋敷の裏手にある墓へと来て何処から持ってきたのか花を供えておりましたな。

「……」

沈黙が辺りを支配しておりますな。表通りの方ではフィロリアル様の楽し気な追いかけっこの声が癒しですぞ。

「……今回の騒動が収まり、この地が復興することはあり得るのだろうか……」

これは俺への問いですかな?

「出来ますぞ。少なくとも俺の知る未来ではここは復興しますな」

婚約者とお義父さんが復興させていくのですぞ。

「まあ、エクレア。お前の場合はゾウの方が頼られて愚痴りに俺たちへ絡みに来るようになるのですがな」

エクレアが俺の返答が気に食わなかったのか眉を寄せていますぞ。

「ゾウとは……」

「エルメロ殿の事らしい。確かに彼女はエクレール様とは気が合いそうな方だとは思うが……」

「あの方がそれほどの統治能力が?」

「何でもクズと過去に知力で渡り合ったシルトヴェルト側の将軍が育てた養女だそうですぞ」

「ジャノン様か? ならば相応の逸材ではないか」

ゾウは有能なゾウなのですぞう。

「だからエクレア、何があろうときっとうまく行くのですぞ」

「ううむ……」

納得しかねると言った様子でエクレアは話を聞いていましたぞ。

そのままエクレアは人の居ない屋敷へと入って中を確認してましたな。

放火もされていたそうで、半分くらいの部屋は焼け落ちてますな。

略奪があった影響か残った建物内は相当荒れておりますぞ。

「これが我が国の兵士がやった事だと思うと、嘆かわしいものだ……」

「これ幸いとばかりに奪っていったのであろう」

ちなみに町のそこらしこで人骨が見つかるのですぞ。

魔物も一時期、かなり居たそうですな。

波の被害による爪痕は深いのでしょう。

そんな荒れ果てた屋敷内をエクレアとワニ男は歩いて回り、時々思い出に浸るかのように二人にしかわからない話をしておりました。

そうして……屋敷内のある部屋に来た所でエクレアとワニ男の足は止まりましたぞ。

「ここは……」

物の見事に荒れている部屋を前にエクレアは怒りで拳を握っているようでした。

机や本棚などは斧か何かで割られてますな。

破壊工作も極まっており、部屋の壁には「メルロマルクは人間の国であり亜人共はくたばれ!」とまで書かれていました。

しかも部屋にあるエクレアの親らしき肖像画には無数に切り刻まれた跡がありましたぞ。

廃墟にしても限度があるほどの明確な悪意がマジマジと刻まれてますぞ。

エクレアの父親の部屋は焼け落ちてしまっているようですぞ。

あまり精神的によくない場所ではありますな。

「父が死んだ所為でこのような愚かな連中に……」

怒りを抑え込んでエクレアは父親の肖像画を手に取りましたぞ。

思い出の品という事で持ち帰るつもりのようですぞ。

絵は修繕しようという事でしょうな。

「……では、帰ろう」

「ああ……」

「絶対に、この地を復興せねばな」

何やら決意を胸にエクレアは進むつもりのようですぞ。

ちなみにこの際に持ち帰った肖像画にエクレアの親が記した謎があり、それによってまた出かけることになるのは先の事ですぞ。

こうしてエクレアとワニ男の廃墟探索は終わったのですな。

俺が敢えて思うのは……お義父さんがワニ男を購入したループの先でもこうしてこの廃墟に来たかもしれないという考えですな。

さて……フィーロたん計画は問題なく進んできているのですな。

ここで前回のループでのお義父さん達の考察と今後の方針を整理しますぞ。

フィーロたんを構築するために必要な要素からですな。

大前提として普通に孵化して育てるとサクラちゃんになる卵を用意しますぞ。

そうでないとフィーロたんには絶対になりえませんからな。サクラちゃんとフィーロたんは同一存在なので別の卵で代用することは出来ないのですぞ。

心を鬼にして俺は来るべき時まで我慢してお義父さんに託しました。

『とりあえず俺を主人にすることで目の色が変わるみたいだから、サクラちゃんの主人は俺にするって感じだね』

前回のループのお義父さんが仰っていたことを一字一句思い出しますぞ。

次に主人をお義父さんにする。

どういった原理なのか未だに判明しておりませんがフィロリアル様の中には主人登録をした際の反応で孵化前から何らかの変化を起こすことがあるようなのですぞ。

お義父さんの場合、孵化したフィロリアル様の目の色が別になるようですな。

ループによる検証ですぞ。

これをしないと瞳が桜色のフィーロたんになってしまうと考察されました。

『で、名前はフィーロってするようにお願いするとして、最初のループの俺……冤罪の所為で人間不信になっていてラフタリアちゃんに信じて貰えた事でどうにか頑張ろうとしてるんだったね。元康くんと敵対関係ってのはそれはそれで辛いだろうね……』

前回のループのお義父さんがやや遠い眼をして仰っていたのですぞ。

『とにかく、その俺に似た演技をして貰った方が良いだろうね。どうも聞いた感じだと不機嫌そうだけど人を見捨てるまではしてなかったみたいだし、不愛想な感じでね』

これもすでにお義父さんにはお願いしていますな。

『考えられるのはサクラちゃんってかなりおっとりしたフィロリアルでしょ? 満たされている、愛されているって思ってるからこういった性格なんだと思うんだよ。もともとおっとりした品種らしいし、ガエリオンちゃんの証言だと元気って事はもう少し危機感とか覚えないとダメかもね』

非常に不服ですがライバルの戯言をお義父さんが参考にしてしまっております。

正直に言えばもっとサクラちゃん……フィーロたんの幼少時にお義父さんは優しくしてほしいのですが必要なことかもしれないというので保留ですぞ。

『そんな感じで俺が気難しい態度を取っていたら自己主張しないとダメなんだと察するんじゃないかな? その辺りが変化のカギだと思う』

お義父さんが素っ気ない態度で居て、それを大人しくしていると欲するものが得られないと思わせないといけないそうですぞ。

ですがお義父さんは不機嫌でもそれとなく相手して下さる方だと思いますが……そう思って貰うのとでは違うのかもしれません。

幼少時の人格形成と言うのは大事だというのは聞く話なのですぞ。

何にしてもおっとりのサクラちゃんから元気ハツラツなフィーロたんになるにはそれくらいの自己主張を覚えて貰わないとダメなんだそうですぞ。

『で、ここからが大事なんだけど……元康くんの知るループでの情報を統括して、これまでのフィロリアル育成をした結果分かったのは波の魔物の肉を幼少時のフィロリアルに食べさせると大人になっても体毛が変化するんじゃないかって事』

で、これもガエリオンちゃんから聞いた話からなんだけど、とお義父さん達は仰っていました。

『時期的にフィーロって子は次元ノキメラの肉を食べてるだろうね。ルナちゃんが白かったループがあるんだって? ガエリオンちゃんが言ってたところから考えてその時に何を食べさせたのかを推理するとね』

あくまで仮説の領域ではあるのですがどうやらフィロリアル様は幼いころに波の魔物を食べると色が変わるようですぞ。

天使姿の時の髪色もここで影響が出ると考えられたのですな。

フィーロたんで実験できないならフレオンちゃんでもやってみると良いかもねと仰っていましたが、フレオンちゃんも出来れば再現させてあげたいフィロリアル様なのですぞ。

……前回のループのフレオンちゃんを俺は特に疑問なく育てましたがついでに波の魔物を持ち込みましたな。

そういえばルナちゃんの色が白かったループがありました。

これまでのループでルナちゃんはよく考えずに育てていましたぞ。基本は紺色のルナちゃんですぞ。

メルロマルクに留まった際のルナちゃんが白かったのですな。

……思えばルナちゃんを育てた時期が完全にフィーロたんが育った時期と重なりましたぞ。

ちなみに今回のルナちゃんの色は紺色ですぞ。天使姿も髪色が紺色なのですぞ。

思えばライバルがループに便乗したのはメルロマルクに留まったループかららしいのですぞ。

その次のループと思いがちですがな。