軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

代理受け取り

「ねー時の旅人<タイムドライブ>ー闇聖勇者はー?」

クロちゃんがクイクイっと服の裾を引っ張って聞いてきますな。

確かに錬が居ませんな。

居るのは錬の配下となった冒険者ですぞ。

「錬は来ないのですかな?」

「レン様は今回の報酬受け取りを俺に任せたので」

「なんと、クロちゃんに会うのがそんなに嫌なのですかな!」

幾らなんでも礼儀知らずにも程がありますぞ。

錬、お前を見逃しているのはクロちゃんの遊び相手だからなのですぞ。

昨日あれだけ遊んだのにまだ仲良く遊ぼうという発想にはならないのですかな。

「いえ……昨日の件で随分と不快な思いをしたとの事で、俺がその子が過激だったからかと尋ねたら違うようでした」

おや? 錬の部下が謎のフォローを入れていますぞ。

「これは個人的な感想ですが、厳しい所はありますがその子の様な幼い子供に優しい所に俺は勇者の資質を見ました」

「ぶー……」

「ですがあまりレン様に絡んでほしくは無いのが本音ではあります。まだ体調を崩されていらっしゃいますからね」

一日経ってもクロちゃんの優雅な酔いが抜けてないとでも言う気ですかな?

そんな軟では無いですぞ。

仮病はいけませんなぁ、錬。

とはいえ色々と注意しなくてはいけませんぞ。

「ではクロちゃん、後で錬を探して遊びに行くのですぞ」

「わかったークロが闇聖勇者に闇のいざないをしに行くー」

「行った方が良いですわ。クロの遊びで他の子たちに妙な口調が移りそうになるので困るのですわ」

ユキちゃんがクロちゃんがお出かけするのは賛成のようですぞ。

何でもクロちゃんは俺がこのループで最初に育てたフィロリアル様であるからリーダーとして認識する者が時々いらっしゃるのですぞ。

クロちゃんはどちらかと言えば群れるよりも特定の誰かと遊びたがるフィロリアル様ですからな。

リーダーにはやや不向きなのですぞ。

「出来れば来ないでほしいのですが……」

「やがて錬も慣れて行きますぞ。楽しそうに遊ぶのですぞ」

クロちゃんで目覚めさせれば錬も安心ですな。

「わーい」

さて……フィーロたん計画が始動しましたがその先の波まで何をするかを考えねばなりませんな。

メルロマルクの波だけではなく各地の波にもいろいろと出向かねばなりませんぞ。

少しでも波を抑えねば隙を伺ってライバルがこちらの世界に来る可能性は大いにあります。

出来ればライバルが来れないように永遠に世界を分割しなくてはいけませんな。

という所でフレオンちゃんと再会したループで波が終わったのにライバルがこちらの世界に戻ってきたことを思い出しました。

あちらの世界にはこっちの世界に来ることが出来る船があるようですぞ。

アレを破壊する方法はありませんかな?

そう思っていると脳内でお姉さんの毛髪から作られたラフ種のラフちゃんが船に乗っている姿が思い出されますぞ。

……アレは破壊不可能な代物かも知れないですぞ。

何にしてもこれから継続して忙しくなりますな。

クズがツカツカとやってきましたぞ。

エクレアを見ると順番を守るとばかりに敬礼して待機していますな。

「……では今回の波までに対する報奨金と援助金を渡すとしよう」

当然のことながらクズと赤豚は昨夜暴れたようですぞ。

思い通りの結果にならずに癇癪を起していたのですな。

赤豚に至ってはお義父さんに醜いと蔑みの目線で言われたのが相当お冠だったようで兵士たちの愚痴が聞こえてました。

まあ、エクレアが脱獄したとかで指名手配するなどは女王派閥の影豚の報告で出来なくなっているようですな。

その手のやり取りも耳にしました。

「ではそれぞれの勇者達に」

銀貨の入っている袋が運ばれてきますな。二袋ですかな?

お義父さんの分はもちろん無いですぞ。

要らないといってますからな。

一つは樹で残りは錬ですかな? 俺の分はどこですかな?

おいクズ、これはどういうことですかな?

脅しの為にブリューナク準備ですぞ。

「ごほん!」

クズが咳をするともう一袋運ばれてきましたぞ。

そうそう、それでいいのですぞ。

「まずはイツキ殿……貴殿の活躍は国に響いている。よくあの困難な仕事を達成し、国の為に戦ってくれている。昨夜の件の謝罪と治療費を含めて銀貨9500枚だ」

随分と増えてますな。

金貨95枚ですな。

フ……その程度の端金で優越感に浸ると良いですぞ。

ジャラジャラと樹は金袋の中身を確認しながら俺の方を見ましたな。

それから俺に配るらしき袋を見てこっちを見ました。

「大した活躍もせずに見てるだけで尚文の金魚のフンだからその程度なんですよ」

相変わらず腹が立つことだけはいっちょ前に抜かしますな。

お前なんぞフレオンちゃんの玩具なのですぞ。

このニューナンブが!

「次にレン殿……は代理か、やはり波に対する活躍と依頼を達成してくれた報酬をプラスして銀貨2300枚じゃ」

おや? 随分と報酬が減ってますな。

「そんな! レン様は波で一番貢献した方ですよ! どうしてこんなにも差があるのですか! レン様はこれまでの件でメルロマルクに不信感を持っておられます。今後の関係の為にも今一度お考えを」

錬の配下の代表が抗議しますぞ。

まあその通りですな。

そういえば一応こやつ等はメルロマルクの準備した冒険者でしたな。

この時期まで来ると錬への忠誠心の方が勝ってきてる様ですな。

昨夜の醜態を思えば納得ですぞ。

「そうですね。錬さんは……そこに居る方と協力して僕よりボスにダメージを与えていましたね。にも拘わらずこの報酬は内約が気になる所でしょうか」

クズの采配に樹も同意しました。

「うぐ……」

「まさか、あのような攻撃をしておきながら賛同しなかったから報酬の減額をしたなんて話ではないですよね?」

樹は随分と敵愾心が増してますな。

非常にウザく周囲の全てに喧嘩腰に見えますぞ。

それだけお義父さんの動きが良かったという事ですな。

「どうやら報告に差異があったようじゃ。波での貢献も加えて更に銀貨1500枚を追加しよう」

追加の銀貨が運ばれて行き、袋に詰められました。

ただ思うのですが銀貨で渡すにしても数を考えてほしいですな。

こんなジャラジャラと渡されても困ると言った様子で樹も錬の配下も袋を抱えてますぞ。

見栄え重視にも程がありますな。

おら……クズ、俺にしっかりと報酬金を寄越せですぞ。

クロちゃんは錬と一緒に大活躍したのですからな。

つまりはクロちゃんの活躍分に俺の基礎報奨金にプラスを要求するのですぞ。

と、クズへと金を寄越せと俺は催促の威圧を掛けてやります。

「クロちゃんが錬と戦場を駆けましたなー波のボスは実質クロちゃんがとどめを刺したようなものですぞー? ああ、お義父さんの奴隷も大活躍で頭を落としましたなー? 忘れたとは言わせませんぞー?」

「ぐぬぬ……」

「もっと謙虚にすべきですよ。自己主張するとは見苦しい。そんなだから王様も貴方と尚文さんに嫌がらせをするんですよ」

うるさいですぞ樹。

お前はクズの命令で降り注いだ魔法でボコボコにされておきながら何をぬかしてるのですかな?

「ふん、僕は事実を言ってるだけですよ。何より尚文さんがマルティ王女に襲い掛かったというのは事実じゃないですか」

まだその戯言を信じているのですかな?

いい加減目を覚まさないと俺の堪忍袋も限界が近いですぞ。

決めました。

樹にはフレオンちゃんで覚醒させる前に地獄を見せてやりましょう。