軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

接客対応

そんな訳で俺はお義父さん達を連れてパンダの村へとやってきました。

懐かしいですな。

なんだかんだパンダとお義父さんが親しくなると来ることが増える村なのですぞ。

場合によってはゆっくり休む場所にするくらいにはなんだかんだのどかな村なのですな。

前の周回のお義父さんもここで羽を伸ばしたりしておりました。

お姉さんの村とこの村を交互に厄介になっていた感じですぞ。

「おー……パンダが沢山いる。なんか夢みたいな場所だなー」

お義父さんの目がキラキラとしているのが分かりますぞ。

毎度楽し気にしていらっしゃいますぞ。

「竹林もあったし、なんかそういった場所って感じだね! わー……夢があるなー」

周囲を見渡しながらお義父さんが村の方へと歩いていくと入り口近くで村人パンダがこちらに気づきましたぞ。

「おや? 旅人でしょうか?」

若干警戒気味な様子で村人パンダはこちらに声をかけて来ましたぞ。

「あ、はい。旅の者でここに村があると聞いて立ち寄った所です」

お義父さんが営業スマイルで村人パンダの相手をしますぞ。

村人パンダはお義父さんを上から下まで見てから俺、ゾウ、お姉さんのお姉さんに視線を向けましたな。

それからお義父さんをジッと見つめましたぞ。

おそらく人間がここに来るという所で不信に思っているという所でしょうか。

それ以外に、不思議な感覚を亜人や獣人はお義父さんに初対面は感じるそうですぞ。

お義父さん曰く盾の聖武器の力か何かだろうという話ですな。

「そうですか……ようこそいらっしゃいました。ここに来るのも大変だったでしょう。旅の方、あまり手厚い歓迎はできませんがどうぞ村でゆっくりと休んでください」

「ええ、よろしくお願いしますね」

なんて挨拶をすると同時に村人パンダは足早にその場を去り、パンダの祖父の家の方へと向かっていきましたぞ。

よくわからぬ連中が来たと報告する形ですな。

「ここがラーサの故郷……確かにそうとしか言いようがないくらい、ラーサと同族が沢山いるわね」

ゾウも周囲を見渡しながら納得したように頷いておりますぞ。

「あらーこの村名産のお酒はあるかしら?」

お姉さんのお姉さんはお酒を気にしているようですな。

前もこの村でお酒を探していたような気がしますぞ。

確か作られている酒があった気がしますな。頼めば売ってくれるのではないでしょうかな?

しかし、よく考えてみればパンダ無しでこの村には来たことがありませんな。

どうなるかわかりませんが問題は無いですぞ。

「やーパンダ好きからしたら楽園みたいな村だねー」

「ナオフミちゃんはどうなのよ?」

「確かにパンダは可愛いと思うよ? まあ、動物園のパンダって結構目つきが鋭いって話だけどさ、俺が行った時はそんな顔してるの見た事なかったかな」

お義父さんが動物園に行ってパンダを見た時の話をしてくださいますぞ。

笹を食べていた後、こっちに手を振っているように見えて楽しかったそうですな。

他にパンダはガラス越しに匂いを嗅ぎにも来てシャッターチャンスって人が群がって来て列からはじき出されてしまったそうですぞ。

「そんな訳で動物園だと至近距離で見れなかった感じだったなー」

お義父さんの楽しいエピソードですな。

俺の場合は豚とのデートで行って動物よりも豚ばかり見させられていたような気がしますぞ。

動物の方をずっと見てると豚が不機嫌になるのが分かっていましたからな。あれでは遊園地も動物園も大して差が無いですぞ。養豚場ですな。

お義父さんの方が満喫しているような気がして少し羨ましいですぞ。

なんて様子でパンダの村を散策しながら店探しをしますぞ。

宿屋や酒場などですな。

小さな村でも酒場は割とありますぞ。村人たちの憩いの場という扱いでですな。

俺は何度かここの村には居たことがあるので地形は把握してますがお義父さん達は初めてですからな。

とはいえパンダの家を拠点にすることが多いので旅人として来た今は酒場をチェックですぞ。

こじんまりとした酒場に足を踏み入れますぞ。大体宿も兼ねていて頼めば泊めてくれるでしょうな。

「エルメロさんは入れそうにないか……メルロマルクの酒場よりは大きいけど」

ゾウは超大型の獣人ですから相応に大きな酒場じゃないと入れませんぞ。

「お気になさらず。野宿には慣れていますから」

「そうは言ってもね」

「あらー」

と、泊まる予定は未決定ではありますが酒場の外で雑談をしているとパンダの養父がこっちに近づいてきましたぞ。

クジャクの獣人ですな。

まあ、前回のループも含めてそこそこ知っているのでパンダの養父と認識しますぞ。

「こんにちわ。この村に旅人が来るとはとても珍しいさね」

「あ、こんにちわ。はい、ここに村があると聞いて立ち寄らせていただきました」

パンダの養父の挨拶にお義父さんも笑顔で応答しますぞ。

「それで旅人の方々、ここには何の用で来たのさね。お困りでしたら相談に乗るさね」

パンダの養父はこの辺りの接客兼対応担当だそうですからな。

旅人が一体何の用で村に来たのか聞いて危険かそうでないかの判断の後に相手、商売目的だったら商談などの対応をするのでしょうな。

お義父さんもその辺りを察したようで俺たちを見た後代表として営業スマイルでパンダの養父に答えますぞ。

「そうですねー単純に興味本位なのが半分で、後の半分はこの村に腕の立つ猛者が居るとの話で少しばかり話をして貰えたらと思って来ました。ああ、警戒はしないでください。こちらも争うつもりは毛頭ありませんので」

後にお義父さんの話では下手に口から出まかせを吐くよりも素直に言った方が良いと判断したそうですな。

「ほう……旅人の方々が耳にするようなこの村にそこまで腕の立つ猛者などは心当たりがないさね。一体どこでそのような話を耳にしたのか、いったい誰の事なのかもう少し教えてほしいさね」

「何分噂ですので誰かと言われたらここに一番近い町村の方で小耳に聞いただけですよ。どうにも不確定な話でして」

おお……お義父さんの商売時の接客モードでの返答ですぞ。パンダの養父が噂の出所を特定しようとする質問を曖昧な返事でかわしていますぞ。

俺だと証言しても良いと思いますが、お義父さんが先に手で合図して抑えられてしまったので黙っているのですぞ。

「わざわざ噂の確認をするとはご苦労様さね」

バチバチとパンダの養父は警戒気味に応答しますぞ。

詳しく言わなかったお義父さんの真意を見抜いた動きのようですな。

「あらー」

「ううむ……」

お姉さんのお姉さんとゾウもその辺りを察したのかそれ以上言わずに成り行きを見守るようですな。

「噂の内容としては昔、随分と腕が立ったそうですが今は隠居してこの村にいるという話でしたね」

「となると相当に高齢な人物さね。すでに亡くなっているかもしれないさね」

遠回しに紹介しかねるといった返答ですぞ。パンダの祖父をお義父さんには紹介してくれない動きですかな?

「どうなのでしょうね。それならそれで村で語られてはいないのでしょうか? 墓で祈らせていただきたい」

ここでお義父さんが更に踏み込みますぞ。

パンダの養父の目が若干細くなったような気がしますぞ。

子供好きの温和な人物だと思いましたがこのような応答もするのですな。

「わー旅の人ー?」

ここで子パンダがこちらの様子を覗き見てますぞ。

声に気づいてお義父さんは微笑んで軽く手を振っております。

パンダの養父が警戒とばかりに尾羽を揺らして子供を遠ざけようとしているようでしたぞ。

お義父さんもそこは察して頷いていましたな。警戒しなくていい、こちらは何もする気はないと。

ふむ……パンダ無しでは警戒が非常に強くて話が進まなそうに感じますぞ。

いえ、進んでいるのですかな?