軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

迅速な対応

「前のループの俺かー……一体どんな俺だったのか興味あるなぁ」

「冤罪が起こる前に錬や樹に国の陰謀を教え、はね除けてフォーブレイへと目指したお義父さんですぞ」

「凄いね。さすがに今からじゃ難しそうだけど」

色々と話をしたいのは山々ですが、これからどうしたら良いでしょうかな?

お義父さんを助けた後にやらねばならないことを整理するのですぞ。

他に優先すべき大事な問題……何か思い出さねばなりませんな。

虎娘が脳裏に浮かびましたが……まあ気のせいでしょう。

そうですぞ。お姉さんの救出を次にせねばなりませんな。

どの道、出会う術はあるとの話ではありますがな。

お姉さんの友人に関してかなり危険な領域になってしまっている気がしますぞ。

となると急がなければいけませんな。

手持ちの薬ではすぐに治せませんが……何にしてもやらねばなりませんぞ。

シルトヴェルトの使者に聞いてみましょう。

「さしあたって次にやりたい事がありますが、薬の確保を出来ませんかな? 応急的なので後で治療費は払いますぞ」

「何をするのでしょうか?」

「救わねば近々失われてしまう命と合流するのに手間となってしまう方々の救出ですぞ」

「未来の知識で優先しないといけない事なんだね。こういう時は出来るだけ迅速に行った方が良いパターンだと思うんだけど、どう?」

「さすがお義父さん! その通りですぞ」

女王などのバックアップが出来ない状況ですからな。

最適解で動いてはいけないとの話なので女王には頼らずにシルトヴェルトの使者に最低限の協力を頼みましょう。

「わかりました。では国内で協力出来そうな所に相談をするとしましょう」

と言う訳でシルトヴェルトの使者は話しに行くことにしたようで、メルロマルク城下町のアングラな所へと向かいました。

シルトヴェルトの使者が色々と話をしていましたな。

それに同行している間にポータルのクールタイムが過ぎました。

「では早速行きますぞ」

「俺も行った方が良いよね」

「そうですな」

一応クロちゃんと一緒にお義父さんは強化しているので多少の攻撃ではビクともしないはずですぞ。

「護衛としてクロちゃんもご一緒に来て欲しいですぞ」

「わかったー」

後は……と、シルトヴェルトの使者に顔を向けますぞ。

「貴様も来ますかな?」

「はい。一体どのような出来事があるのかわかりかねますが盾の勇者様をお送りする役目を承っています」

シルトヴェルト行きを強引にキャンセルしたのでしっかりと見せなければ納得は出来ないのでしょうな。

とはいえ、これまでのループ経験から、お姉さん達の状況などを見せればわかってくれる相手ですぞ。

「良いですぞ。ですが……残りのフィロリアル様達の留守を任せねばなりませんな」

「ご安心を。部下達がお世話をさせて頂きます」

「それは何よりですな。まあすぐに帰って来るので大丈夫でしょう。では早速出発ですぞ」

という訳で準備を整えた俺は早速お姉さん達が捕らえられている大きな町の貴族の屋敷へと飛びましたな。

ササッと隠蔽状態で潜伏ですぞ。

今回はクロちゃんがいるのでお義父さん達は背中に乗ってもらっての行動をしましょう。

四角い屋敷で中庭があるのですな。

「クロちゃん、一気に飛び乗って中庭に着地しますぞ」

「わかったー。なお達しっかりと捕まっててね」

「うん。お願いするね」

そんな訳でクロちゃんにお願いしてお義父さん達は中庭に着地ですぞ。

クローキングランスとファイアミラージュの重ね掛けで静かに侵入出来ましたな。

「ふふふ……静かなる侵入者<アサッシン>が闇の中で光の結社の内部に侵入した」

クロちゃんがブラックサンダーと同じフィロリアル様だとおわかりになるお話ですぞ。

「なんて言うか……クロちゃんって喋ると結構個性的なんだね」

「ですぞ」

「もとー、ここにクロの運命の相手<ディスティニー>がいる?」

「残念ですがここには居ませんな」

錬を紹介するのはまだですな。

「そっかー」

そのまま俺達は隠蔽状態で屋敷の地下室へと向かいますぞ。

途中で鍵の掛かった扉がありましたが、当然サクッと破壊して侵入ですな。

ですがここでクロちゃんの足が止まりました。

「クロちゃん、どうしたの?」

「なんか嫌な感じがする」

「フィロリアル様は敏感ですからな」

「……場所的にあまり良い所では無いのはわかります。メルロマルクの者達のゲスな所でしょう」

シルトヴェルトの使者は心当たりがあると言った所ですな。

嫌な気配を察して若干眉を寄せていたクロちゃんですがそのまま歩み始めました。

他のフィロリアル様だと近づきませんがクロちゃん……ブラックサンダーはこの辺りに関して物怖じしないフィロリアル様のようですぞ。

思えばブラックサンダーはホー君に遠慮せずに近づいておりましたからな。

苦手なのはアークの方と言った感じでした。

そのアークとも助言を頂いてからはお話をしていました。

アークが闇夜の中に隠れて相手の背後に現われると言った行動を見た時、とても興奮して応援していた姿が思い浮かびました。

そう言えばアークがブラックサンダーは闇の魔法が使いたかったけど、使えないのが悩みのようだと仰っていましたな。

そしてブラックサンダーの好みはどうやら歳を取った錬を背中に乗せて雄々しく走る事の様ですぞ。

なんて様子で静かに進んで行くと……。

「やはり、これは……」

シルトヴェルトの使者が口を押さえ始めましたな。

異臭を嗅ぎ取ったのですな。

そのまま進んで行くと……お姉さんが釣り上げられていましたな。

ただ、貴族はいませんぞ。

どうやら拷問中ではなかった様ですな。

時間的に居なかったと言う所でしょう。

「あれは……」

お義父さんが絶句しておりますぞ。

幼いお姉さんが拷問をされている最中の姿ですぞ。

「……こんな子供にこのような惨い事をするとは、メルロマルクの連中め」

シルトヴェルトの使者が拳を固く握り、強く眉を寄せておりますぞ。

「うー……」

クロちゃんは状態の酷さに強く引いていらっしゃるようですな。

現場を見てから判断するのはクロちゃん、ブラックサンダーの長所だと俺は思いますぞ。

俺はそのまま檻の鍵を切り裂きましたぞ。

キイ……と、檻の扉を開いて中に侵入してから隠蔽状態を解除ですな。

仕掛けレバーを解除してぼんやりとしているお姉さんを縛る鎖を外しますぞ。

「大丈夫? しっかり」

お義父さんがお姉さんを支えて寝かしましたな。

「温めると元気になる? クロのふわふわで温める?」

クロちゃんが横になっているお姉さんの隣でそっと座り込んで羽毛を被せておりますぞ。

「あう……」

女王に現場を見せたループの時より弱っていますな。

少々時間を掛け過ぎました。

「あなたは……」

「そんな事よりもまずは君の治療に専念させて。ねえ、この子の治療を」

「わたしよりも酷い状態の友達がいるの」

「わかっていますぞ。薬の確保が少々心許ないので先に外傷の治療を優先しますぞ」

俺はアル・リベレイションファイアヒールⅩを周囲に放ちますぞ。

少々不安ですがお姉さんのご友人もここにはいらっしゃるはずで、病を患っていますぞ。

傷の治療と病とでは効果が異なりますが生命力の回復も見込めるので応急手当には効果があるでしょう。

そうして牢屋内を確認するとお姉さんのご友人もおりました。

「はぁ……はぁ……」

呼吸が安定しておりませんな。

生命力を回復させる事を優先しないと厳しい状況ですぞ。

「これは酷い……」

「薬はこちらの子に服用させますぞ」

「はい」

俺はシルトヴェルトの使者から薬を受け取りお姉さんのご友人に飲ませようとしましたが……衰弱が激しくて飲む気力が無い様子ですぞ。

こういう時はアレですな。

「もと、その薬貸してー」

クロちゃんが天使の姿になって俺から薬を取り、口に含んでお姉さんのご友人の口に流し込みましたぞ。

おお、俺がやろうとしていた事ですがクロちゃんは物怖じしませんな。

ちなみにフィロリアル様は雛にこのようにご飯を与える事があるので遠慮は無いですぞ。