軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

恐怖の砦

「オトォオオオオオオオオ、サアァアアアアアアアアアアアン!」

俺はドライブモードで一路国境にある砦に向かって爆走しましたぞ。

ですが砦まで来ましたがお義父さんらしき姿は目撃する事は出来ませんでした。

「な、なんだ!?」

「化け物!?」

砦から俺を指さしている兵士達の姿が見えましたが知った事では無いですな。

入れ違いか何処かでお義父さんが寄り道でもしていらっしゃるのか……はたまたこの砦でお義父さんが拷問されているのでしょうか。

……魔法で消し飛ばしてはお義父さんも巻き込みかねませんぞ。

なのでキキキー! っと巧みなドリフトをして進路変更をして兵士共がこちらを観測出来なくなる所まで逃げてからクローキング状態で砦の中を調査する事にしましたぞ。

「さっきの変な土煙を巻き上げた人間戦車みたいな奴は何だったんだ?」

「わからん……あんな魔物居たか?」

「研究所で開発されている魔物とかだろうか……」

と砦内では絶賛兵士達が集まって居ますぞ。

厳重な検問も敷かれており、商人や冒険者達の列が出来ておりますぞ。

どうやらお義父さんが国外に出る事が奴等に取って非常に都合の悪い出来事な様ですな。

……検問をしていると言う事はお義父さんはまだ捕まっていないと判断するのが良いでしょうか。

いえ、もしもの可能性がありますのでしっかりと砦内を調査ですぞ。

壁抜けなどを駆使して俺は砦内を隈無く調査していきますぞ。

「情報によれば盾の悪魔がシルトヴェルトの奴等と合流し国外に出ると話を付けている。何が何でも奴等の大将を逃がすわけにはいかん!」

と、ここで騎士団長が砦の司令室で声高々にぶっ放してますぞ。

やはり居ましたな。

思い起こせばシルトヴェルトに向かった時のループでもお前はいたのですぞ。

話によると最初の世界でリユート村を守っていたお義父さん達に攻撃指示を出していたそうですな。

「草の根を分けてでも見つけ出して亜人共々消し飛ばすのだ!」

「は!」

と、部下達は何度目だよその命令、って顔で部屋から出て行きましたぞ。

「ふん……」

騎士団長はそこで偉そうに腕を組んでおりましたぞ。

ちなみに後日分かった事なのですが、騎士団長に就任して日が浅いそうですぞ。

元々の騎士団長は女王不在で波が起こり、勇者が召喚された際に解任されていたらしいですな。

派閥の関係という奴ですぞ。

「さて……酒蔵にでも行くか」

……樹の仲間になる鎧のアイツとよく似た行動ですな。

よくよく観察すると顔も似てるような気がしますぞ。親戚か何かでしょうかな?

何にしても一人でいるのは非常に都合が良いですな。

まだこの分岐に来たのは初めて……ループの続きとは言っても少々巻き戻った世界。

お義父さんがここで果てるループは存在して居ないですぞ。

ですが後顧の憂いとあの時ループした腹いせはしてやらねばなりませんな。

「うぐぅ――」

なので俺は部屋から出て酒蔵に盗みに行こうとしている此奴が扉に手を掛けるより早く……ブスリと槍を突き刺してやりましたぞ。

鎧のように絶叫を上げられそうでしたのでサイレンススピアですな。

親戚なら絶叫の仕方が同じ可能性が高いですぞ。

「!! ッ――――!!!」

どうやら俺の読み通り、背中から貫かれて槍が飛び出している所を見て絶叫を上げようとしている様でしたぞ。

できる限り魔法で周囲の空気を遮断して消音にしてから……。

「バーストランスⅩ!」

ボン! っと一気に消し炭にしてやりましたぞ。

「――!」

パラパラと消し炭が塵となり、部屋に煙が舞いましたが音を聞きつけて兵士がやってくる気配はありませんぞ。

これであのループの屈辱は一つ晴れましたな! シルトヴェルトに行った時にもボコボコにしてやりましたが消せるのに良いタイミングでしたぞ。

「フハハハですぞ。さて……お義父さんは何処ですかな」

まあ、先ほど消した此奴のセリフから考えてお義父さんはどうやらこの砦にまだ到着していらっしゃらないご様子。

何にしてもタイムリミットが迫っているのですぞ。

と言う訳で俺は砦から脱出し、お義父さんを探す事にしましたな。

砦からメルロマルクの城までの直線上にある町でお義父さんが滞在していらっしゃるとは思うのですが……匂いで探すにしても範囲が広すぎますぞ。

何より様々な者たちの匂いが混ざっているのは元より馬車に乗っていらっしゃるので特定は難しいのですぞ。

シルトヴェルトに行ったときに立ち寄った所を重点的に探すのが良いかと思ったのですが、どうにも俺が居たときと使った道が違うようで見つけられないですぞ。

あれでしょうか、注意が必要という事であの時とは別の道を使ったのでしょうか。

しょうが無いので砦が見える範囲でお義父さんを待つ事にしましたが……日が暮れてしまいました。

「お義父さん……」

十分に注意が必要ですぞ。

ここで帰った所でお義父さん達が立ち寄る可能性がゼロと言えますかな?

亜人獣人には夜行性の連中もいるそうですぞ。ですのでお義父さんを連れて夜に国境へと来るかも知れませんぞ。

なので寝ずの番なのですぞ。

ああ、お義父さん……無事で居て欲しいのですぞ。

何やら砦の方でざわざわと騒ぎがあったので隠れて向かうと騎士団長の消息が掴めないと騒がれていましたぞ。

奴なら俺が消しましたぞ。HAHAHA。

俺が探している間にお義父さんが捕まった訳ではないようで何よりでしたな。

ですが捜索の使者を周辺の町に出す等の話を砦の連中はしていましたぞ。

お義父さん達がその所為で進路を変えたりしたら困りますぞ。

全く、厄介な連中ですな。

全員暗殺してやりますかな?

そうですな。秘密裏に消してやりますぞ。

七裂島でタクトを追い詰めた様に単独でノコノコ動く兵士などを一人ずつ消していってやりましょう。

そんな訳で一人一人、静かに夜間の暇つぶしに三勇教らしき兵士を消して行ってやりましたぞ。

「いくら何でもおかしい……どんどん砦内の奴が姿を消して行ってるぞ」

「そんな訳ないだろ。お前、臆病だな。見てな? ちょっと行ってくるからよー」

「お、おい……」

兵士がノコノコと人気の無い、建物の中へと入って行きましたので騎士団長を消したときと同じく消してやりましょうかな。

「おーい。大丈夫か?」

「ああ、何臆病風吹いてんだよ。ったく、盾の悪魔がもうすぐ来るってんだからそんな怯えてどうすんだよ。亜人獣人なんて音も立てずに近寄ってくるとか言うじゃねえか、何かあったらアイツらが関わってると思った方が良いに決まってる」

気配を探るんだよ。とか玄人面をしている割に俺の気配は全く感じられて居ない様ですぞ。

ふ……お姉さんならともかく、お前如きが俺の気配に気付くなど千年早いですな。

エクレアクラスとなると下手な物音で気付く可能性はありますがな。

「まさか盾の勇者が何かしてるんじゃ。昼間に現れた謎の物体の怨霊とか……」

「んなわけねえだろ。あの間抜け面が、そんな大層な事出来るかよ。あの時見たぜ、国が用意した女に嵌められて目を白黒させてる姿、笑いを堪えるのが大変だったぜ」

……完全に黒ですな。

命でもってお義父さんを馬鹿にした代価を支払うのですぞ。

「とは言っても……異世界から来た何にも知らない勇者だろ? 可愛そうだって俺は想うけど」

「何言ってんだお前、まさかお前、盾の悪魔を信仰してんのか?」

「他国じゃ勇者だろ? 地元は四聖教の連中いるからさ……」

「何騙されてんだよ。あんなボンクラが世界を救える訳ねえだろ」

ギルティですな。

その命でもって償ってもらいますぞ。

「ん? なんだ――」

と言う所で兵士の声は途絶えるのですぞ。

「お、おい。驚かせるなよ……おい? 悪ふざけはやめろよ! おい!」

少々お義父さんに同情的な奴は見逃してやりますぞ。

先ほどから見逃していた兵士が消し去った奴を探しますがもう居ませんぞ?

「ま、まさか……本当に……う、うわああああああああああ!」

と見逃してやった兵士が叫びを上げて砦から駆出し夜の闇へと消えていきましたぞ。

そうして一夜が明けましたぞ。

砦は恐怖で逃げ出した連中ばかりで残された者たちは恐怖の一夜を過ごしたとばかりに日が出ると同時に砦から逃げてしまいましたな。

何にしてもこれで一安心ですぞ。