軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

隠された城

「こんなギミックがあるなんて驚きなの」

「起動方法が島のオブジェの前で勇者達が開拓生物姿で肩車するとか冗談にも程がありますよ」

「そうだな。元康が激しく面倒だった」

なんですかな? 俺は真面目にやりましたぞ。

お義父さんが俺に登ってくる姿はなんとなく背徳感があってゾクゾクしましたな。

「あはは……こう、ラフえもん達が黙っていたのって、この島での出来事を干渉せずに終えるって事から考えると……この島のエネルギーとかが何かに有効活用されるようになって科学技術が発展するとかだったりしてね」

「えっと……」

ラフえもんとやらが返答に困るように黙っておりますぞ。

「どうやら肯定に近い要素みたいですよ。ラフえもんさんはともかく、ラフミさんやフィロ子さんが作り出されるにはこのイベントが必要だとか要素があった可能性が高いですね」

「ここでキャンセルして帰るか……」

錬がぽつりとカルミラ島の本島へと顔を向けて呟きますな。

「一生開拓生物で生きるつもりですか? まったく……無駄な工程を歩ませてくれるものですよ」

「このイベントって元康くんとガエリオンちゃんの知る最初の世界では発生してないんだよね。となると俺達の周回は未来が実は随分と違う形になってそうだね」

「確かにその可能性は否定出来ないなの。そもそもの話としてガエリオンと相思相愛になったループだと弓の勇者は死んでるから子孫関連も大きく異なるはずなの」

ぐふ……あの周回のお義父さんの顔が思い出されますぞ。

ああ……お義父さん。お義父さんの未来を見据えた考えを理解しなかった俺をどうかお許し下さいですぞ。

「ガエリオンさんが元康さんに勝利したループでは……言ってはなんですが亜人獣人が優勢な世界になってそうですよね。というより魔物が有利と言いますか……ガエリオンさんは自称魔王な訳ですよね?」

「既に今のガエリオンの計り知れる所では無いけどしっかりと統治をガエリオンは死ぬまでするつもりだったなの。それを考えるともしかしたらガエリオンの子孫を皮切りに魔物が有利な世界になっている可能性は否定しきれないなの」

く……ライバルが勝利した所為であのループ世界はライバルの手に落ちてしまっていると言うのですかな!

お義父さん。それは暗黒の未来なのですぞ。

「まさかあのループではフィロリアル様も全滅してしまっているのでは無いですかな! ライバル!」

俺がライバルに槍を向けるとライバルはため息を漏らしますぞ。

「ガエリオンを舐めるななの。フィロリアルを滅ぼしてはタクトと同類なの。魔物の王としてフィロリアルは寛容に認める存在なの」

「魔物枠としては平等に見てるんだね。犬猿の仲なのに」

「正直に言うとドラゴンはフィロリアルを嫌ってはいないなの。相手が嫌って来るから張り合うだけなの」

余裕をライバルは見せていますぞ!

絶対にフィロリアル様は負けませんぞ!

「別の周回での未来がどれだけ違いがあるのかは分からないけどやっていくしかないか……」

「どの世界が一番良い未来になるんだろうね。比べるものでもないだろうけど、そう思うと俺達は出来る事をして行くのが良いのかも知れないね」

と、話をしていると神殿らしき建物が確認出来ましたぞ。

「元康さん。そこじゃないですよ。目的地はこちらにある城だそうです」

「おや? そうでしたかな? 城などありますかな?」

「どうやら埋もれて居る城が隠されているようで……ああ、見えましたね」

更に島の奥、本島にあるような城がキラキラと赤く光ってそびえ立って居ましたぞ。

バチバチと結界の様な物に守られており、中央の門の所で中に入れるようですぞ。

「水中にこんなのがあったら一発で分かりそうだけどね」

「見つけられなかった所を見るに隠されていたという事でしょうよ」

等と話をしながら門の所に行き、門を開けようとしましたが固く閉ざされていますぞ。

目立つ大きな紋章と水晶のある門ですな。

「中に入れない?」

お義父さんが首を傾げた所で俺達の武器から光が放たれて水晶に光が交差したかと思うとガチャリと鍵の音がしましたな。

再度確認するとばかりに門に手を掛けるとあっさりと扉が開きましたぞ。

「勇者の認証が何度もありますね」

「そうだな。で、この城の中に元に戻る手段があるようだが……入ってすぐに見つかれば良いが……」

城の中に入った俺達ですが、どうやらそれらしい物は見つけられませんでしたが随分と装飾が施された内装をしているホールに出ましたぞ。

当然の様に四つの紋章と……次の部屋へ行くための扉、上には大きな水晶がはめ込まれていますな。中央には前回のダンジョンでも見た出陣のカンテラらしき物が石版に吊されております。

四つの紋章はそれぞれ剣、槍、弓、盾があり、他に七星武器を模したアイコンがそれぞれちりばめられております。

盾の周囲には槌とツメの装飾が施されていますぞ。

そして各々紋章に繋がるように丸い円が四つありますぞ。

「この石版に元に戻る方法が書かれていれば良いんだけど……」

俺達はカンテラが掛かる石版に目を向けますぞ。

そうすると石版から文字が浮かび上がりましたな。

『聖武器、眷属の所有者達、良くぞこの修行の地カルミラ島の城へと来たペン。ここは更なる修行場にして来たるべき時に力を蓄える場所にして様々な武具が眠る場所、武器の記憶を呼び覚ます為に様々な魔物の幻影の試練を乗り越えるんだペン』

という前置きと共にこの建物のルールがあるようですぞ。

どうやら区画毎に別れており、区画を通過すると倒した魔物は復活して再戦する事が可能な様ですぞ。

そして、この迷宮には一人しか入れずカンテラを使う事でここの円に入って居る人物と通信が出来て即座に入れ替わる事が出来る様ですぞ。

しかも迷宮では別のLvがある様ですぞ。今までのLvもありますがダンジョン内では反映されないと……面倒ですな。

「あー……今度は基本一人しか挑めないけど、メンバーチェンジは可能ってタイプのダンジョンか。なんかどっかで見るようなギミックだね」

「何処までネタに走っているんですか!」

「これってガエリオン達も参加出来るなの?」

「開拓生物じゃないと無理っぽいなぁ……石版に浮かぶ文字だと」

「それは困ったなの」

「またユキ達は留守番ですの?」

「今度は僕たちの様子を見ることは出来るようですね」

「ユキちゃん。待機中はお話出来ますな!」

「元康様を応援しますわ!」

今度は腰を落ち着けて攻略出来るダンジョンのようで安心ですぞ。

「色々と新発見ですぅ……」

リスーカが周囲の仕掛けを入念にチェックしていますぞ。

「私も手伝うわ。母上にすぐに報告した方が良いかしら? でも母上も眷属器の勇者で、島に来た瞬間に開拓生物になってしまったらどうしよう」

「メルティちゃんもシャレにならない事を言ってるね」

「ここにある紋章と装飾を見たらあり得る話ですよ」

勇者だからこそ資格がありそうで恐いという話ですな。

「リーシアさんが色々と弄ってシステムに介入してズルが出来れば良いですが、何にしても誰か代表で行けば良いだけのようなので進むしかありませんね」

と、樹が弓の描かれた円の上に立ちますぞ。

するとふわっと円が光り、紋章が光りましたな。

「前回のとは趣が違って見れるだけ良いなの。ガエリオンも魔力や龍脈の流れを調査して見るなの」

「技術組の皆さん。任せましたよ。では尚文さん達もしっかりと配置について下さい」

「未知のイベントになってきたが進むしか無いか」

ため息混じりに錬が剣の紋章と繋がる円に乗りますぞ。

俺もお義父さんも合せるように乗ると、光が揃い……ガチャリと扉が開きましたな。

同時にカンテラのロックも外れて取れるようになりましたぞ。

「まずは誰が先頭で行きますかね」

「俺が行きますぞー!」

樹と錬が俺に顔を向けて眉を寄せましたがため息交じりに頷きました。