軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

シャドウペックル

「まあ言っちゃあなんだけど色々と女の子に見られたら困るゲームとか同人誌のデータとか無数にパソコンに入ってたからなー……そう思うと日本への未練って感じであるね。せめてそれだけでも消して欲しいって意味で」

おお……お義父さんの反応が冤罪から守れなかったお義父さんと違って焦りがありませんぞ。

「むしろラフタリアちゃんがパソコンを弄れる事の方が驚きだなぁ。ああいうのって初見で弄るの難しくない?」

「そうは言いましても映像水晶とかこの世界でも通信機器がありますからね。ステータス魔法なんかもありますし、ああいうので馴れていれば初見でも弄れますよ」

あー……と、お義父さんは樹の台詞に頷きますぞ。

「案外、こういう所って異世界の方が文明的に進んでいるのかも知れないね」

「そりゃあ自由に空を飛びたいなら魔法って手もありますし、空飛ぶ魔物に乗れば良いだけですからね。ちなみに尚文さん。僕たちだけなんでどんなエロ画像があったんですかね?」

「召喚直後は未成年である二人には安易に教えて良いものじゃないと思うんだけどなー……概要だけなら色々かなー」

お義父さんのこう言った所は沢山知っていらっしゃるのでジャンルは多いのでしょうな。

そういえばメルロマルクに止まった周回のお義父さんが発情した婚約者に迫られて俺の所に逃げてきた出来事を思い出しました。

「ロリコンじゃなかったとお義父さんが自身の事でショックを受けたりしますな」

「そういう話は程々にしてほしいんだけどな」

お義父さんが困ったように頬を搔きつつ答えますぞ。

ライバル曰く、守ってくれて頼りになる女性が好みだとかですぞ。

「どちらかと言えば尚文さんが年上好みなのは僕達から見ても分かりますよ」

「そうだな。つまり概要だけで聞くとどんな物がパソコンに入っているのか分かるな」

「ええ、僕の口から出る命中の技能で当てて見るのも良いかもしれないですね」

完全にお義父さんを弄ろうとする流れになってきてますぞ。

「ちょっと程々にしてくれない? 普通に俺の世界……時代だとツンデレとかロリ系とかまだまだ強かったし、自覚が無い程度にはまあ……いや、そうそう、ロードオブシーを倒したら模型のパーツが手に入ったよ」

お義父さんが説明しかけたのをやめてサッとパーツを取り出しました。

という訳で模型に組み込む訳ですが……パーツが完全に揃いましたぞ。

カチャリとドンドンはめ込んで行きますぞ。

すると出来上がったのは……シーラカンスの模型でしたな。

槍の鑑定によるとシーラカンス・ラティメリアの模型と出てますぞ。

「この模型って何なんだろうね」

「ただのお土産でしたらたたき壊しますよ」

「ゲームとかだとそう言った代物とかあったりするから恐いなー何処かで使う事を願って行こうか」

「シーラカンスか」

「尚文さん。ふと気になったのですけどシーラカンスって食べれるんですか?」

「え? さすがに食べた事ないけど大学の教授に聞かれた事があったなー」

思うのですがお義父さんの大学時代の交友関係は一体何なんですかな? 妙な食材を持ってくるという話が散見しますぞ。

他にもアルバイトの職歴とかも謎が多い方ですぞ。

「確かワックスとか肉に混じってるから食べると下痢になるよ。そう言った食用に向かない魚ってあるから注意しないとね」

「ほう……」

「魚の中には毒以外にも人間が消化出来ない油が多い魚とかもあるんだよ」

「食べれない魚だとフグとかですかね。尚文さんはあっさりと解体とか出来るでしょうけど」

「生物濃縮で食物連鎖の結果、毒が凝縮されちゃって食べれなくなるとかあるしフグの毒とか有名だね。さすがにアレは免許が必要だからねーとは言ってもこの世界じゃ武器が毒物判定してくれるから解体はしやすいよ? 錬とかも出来るんじゃ無い?」

「料理大会でやったな」

お義父さんの包丁に内包された技能を使えば調理も簡単という事ですな。

「ちなみにシーラカンスは凄く薄味だって話があるそうだよ。ただー有名なアニメ映画で豚になる両親が食べて居た巾着袋がシーラカンスの胃袋だって話があるからどうなんだろうね」

きっと身勝手な事をして豚になる話なのでしょうな。

「なるほど。仮にシーラカンスを入手する事があっても美味しくは無さそうという事ですね」

「シーラカンスを食べるって発想を持つ樹の食欲の強さに感心を持つよ」

「好奇心を持っただけですよ……ところでどっちへ行けば良いのでしょうね?」

「ランタンで灯りを灯せそうな台が水中にあったから灯してきたけど?」

「……」

すっかり忘れてましたな。

樹がお義父さんにランタンを寄越せと手を差し出し、俺達は割り振られた部屋へと再度入ってランタンで灯せる台を明るくしましたぞ。

するとこの階層に来た入り口から目と鼻の先の床が崩れて階段へと変化して行きましたぞ。

「あそこみたいだね。行こうか」

「ええ……段々と僕たちの知るイベントとは異なって来ましたね」

「そうだな。何にしても行くだけだ。ゲーム知識なら……100階だ」

「やっと折り返し地点ですね。早く元の姿に戻って帰りたいですよ」

「だねー」

大分長いことこのダンジョンに挑んでいますからなーと51階層に行くと、海岸……無人島の様なフィールド内を歩かされましたぞ。

出て来る魔物は河童でしたな。幻影で倒すと姿を消しましたぞ。

次は砂に埋もれた石造りの迷宮みたいな場所でしたな。

仕掛けをどんどん解いていきながら俺達はどんどんと進んで行きましたぞ。

やがて5階層毎にキリの良い所に差し掛かるとこれまでとはより異なるボスが出て来る様になりましたな。

黒い……ペックル姿のお義父さん、では無くペックルらしきシャドウペックルというボスが槌を持って襲いかかってきましたぞ。

「ペエエエエエエン!」

動きがコレまでにないくらい速いですぞ。

「おわ! なんかこの武器見覚えない?」

槌を振り回して飛びかかって来るペックルの攻撃をサッと避けたお義父さんが武器を見て言いましたな。

「七星武器の槌に似てますね。なるほど、七星武器を模した武器持ちの影との戦闘が行われる訳ですか」

「前倒しでゲーム知識で見るボスと戦うと思っていたからどうなるかと思ったらコレか」

「さっくりとやりたいですが……お義父さんと戦っているようで嫌ですな」

影のようなペックルなのですぞ。現在お義父さんがペックルですのでやりづらいですぞ。

槌を持っている所からなんと言うか……これも勇者のペックルと言う形でしょうかな?

おや? 俺の記憶の中のお姉さんがペックルに……なりませんな。

ラフ種姿が印象的なので違うでしょう。

ここは他に槌の七星勇者になったパンダを思い浮かべた方がしっくりきますかな?

パンダなのかペンギンなのかどっちかにしてほしいですぞ。パンダ柄のペンギンでしょうかな?

「はぁ!」

「ペエエエ――!?」

ズバァっと錬が一歩早く、槌を持ったシャドウペックルを切り伏せました。

サァ……っとシャドウペックルはかき消えましたな。

ドロップの光がお義父さんの盾に吸い込まれて行きましたぞ。

「あれ? みんなには行かない感じ?」

「みたいですね。尚文さん。何か手に入りました?」

「うん。シャドウペックルハンマーって結構性能が高そうなドロップ、説明文に槌の眷属器の性能を引き出すヒントっぽい事が書かれてるよ。盾もシャドウペックル(ハンマー)の盾ってそのまんまの盾が解放されて、仲間の武器の効果を引き上げるって技能があるみたい」

「なるほど、七星武器の槌はシルドフリーデンが管理していた武器でしたね。盾の聖武器は槌の力を引き出せるという事でしょう」

お義父さんの盾の力で槌の七星武器が強化されるという事ですな。

そういえば槌の七星武器は盾の聖武器と何か繋がりがあるのでした。

「問題は槌の七星武器の所持者がいないけどね」

このループではお姉さんもパンダも所持者ではありませんでしたな。