軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

78 フォーススキル

「フォーススキルかー……噂で聞くけど実在するのかな」

14歳になった際に教会で祈ることで授かる三つのスキル……このスキルで良いモノを引く事が出来なかったモノの救いと評される出来事が存在する。

それが追加スキルと呼ばれる鍛錬を繰り返してLvを上げた末に開くと言われているフォーススキル……第四のスキルだ。

努力の結果、習得すると言われているこの第四のスキル、フォーススキルはファーストスキルと同等の性能と才能を宿すと言われている。

言ってしまえば二つ目のファーストスキル。

ここで勇者と選定される代表的なスキル……神聖剣を授かろうモノなら他の追随を許さない英雄譚に名を残す程の逸材になる。

そんな物語を俺も読んだ事がある。

生まれ持った才能が無かったのに、努力に努力を重ねた結果、英雄になった~~というパターンだな。

「宮仕えの勇者パーティーに所属する者の中に数名ほど登録されているそうだぞ。それ以外だと高齢の冒険者だそうだがな」

この第四のスキルであるフォーススキルなのだが、数々の研究の結果……ある共通点が判明している。

それは授かる三つのスキルが悲惨なスキルである者ほど、開花するのが早い。

しかし、勇者のような恵まれたスキルを授かった者が開花したという話はないという事だ。

つまり弱い者ほど開花するのが早く、強い者は遅い……らしい。

ただ、当然の事ながら並々ならぬ鍛錬の先で開くと言われているくらいだ。

現に俺も……最近は死んだフリ係だけど相当に努力していたつもりだ。

それでも開花しない。

努力した人でもまず持っていないのがフォーススキルだ。

……俺のスキル構成だと後どれくらいで開花するかの予測を悲しい事だけど教わる事がある。

俺が聞いた予測は日々鍛錬と身の程にあった魔物を倒し続けて……30代半ばに差し掛かった頃に開花するかも知れないって話だったっけ。

死んだフリがファーストスキルって聞いて、予測している人も絶句しながら計算していた。

しかしながら現在の俺達の場合、少し前提が変わる。

迷宮の深い階層で、身の丈に合わない強力過ぎる魔物を大量に倒している事から、フォーススキルが出現する可能性も十分ありえる……とルナスは言いたいんだろう。

「ヌマー」

「迷宮であの戦いで潜っていったら俺より先にクマールがフォーススキルを習得しそうだな」

「君とほぼ同じなのだ。きっと同じくらいに開花するだろう。むしろ経験の差で君の方が早いかもしれんぞ」

死んだフリ、把握、積載軽減という、把握以外は完全に荷物持ちの俺達が新しいスキルを授かる……か。

確かに夢のある話だな。

「私だけが楽しんでは申し訳ない。どうか君も迷宮に挑む事を楽しんでほしい。そうすれば……君を馬鹿にする者は居なくなるはずだ」

ルナスが力強く、俺を見つめて答えた。

仲間を馬鹿にされて怒らぬなど仲間ではないとルナスは更に続ける。

「マシュア達や先輩勇者ドラーク達の態度を私は許してはいない。君に価値はないと蔑むあの態度は許しがたいから報いを受けさせた。死んだフリが私にとって価値のある事であるが、私は君がそれ以外の秘められた才能を開花させてくれることを願っている」

う~ん、こういう所は勇者だよな。

この前、夜にルナスに迫られたけど、この雰囲気で迫られたらやばかっただろうな。

そう自覚してしまう程度にはかっこよかった。

「ヌマー」

俺に期待の眼差しを向けて言い切ったルナスは合わせて鳴くクマールにも微笑む。

「もちろんクマールにも期待しているぞ。是非とも私の期待に応える成長を見せてくれ。死んだフリを含めてな」