軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

37 さよならした人への依頼

「オーガ程度なら普通の冒険者でもなんとかなるんじゃないか?」

確かにオーガとなると結構強いけど、腕に覚えがあって連携出来るパーティーならそう難しい相手でもない。

まあ数がいると厄介かもしれないが。

「それがな、話によると敵の群れをブレイブオーガが率いているそうだ」

なるほど。

ブレイブオーガ……オーガにはオーガロードと呼ばれる王に該当するボスとブレイブオーガと分類されるオーガの中の勇者であるボスがいる。

どちらも厄介ではあるが、脅威度は後者の方が高いと言われている。

確かに普通の冒険者に任せるのは確実性に欠けるか。

「それで宮仕えの猛者が集まって挑む類いの依頼か」

「そのようなんだが集まりが悪いそうでな、先行して向かった者達の負傷も多く、更なる応援を……となったそうだ」

数の処理が多そうな防衛が予測される奴だな。

断って立場を悪くさせるか、参加するかの板挟みになる流れだ。

「俺達、マシュアとルセンが居なくなったから数は揃えられないんだけど……そっちも何か理由があるんだろう?」

ルナスならパーティーメンバーが少なくなったから難しい、とか適当な理由を付けて迷宮に行こうとするはず。

俺達は経験が無いけど、パーティーメンバーがなにかしらの理由で増減するというのは、そう珍しい話じゃない。

だから断れない事情があるんだと思う。

「うむ、作戦内容はこうだ。我々を含む先発隊を送って時間を稼ぎ、切り札として勇者ドラーク一行が迷宮から帰ってきたら本隊として送る……それで解決! となる手はずである、との話なのだ」

ルナスが口元を隠すように呟いた。

「……」

勇者ドラーク……正直クズ勇者って感じだけど腕は確かなパーティーだったようで未だに国からの信頼は厚い。

そんな勇者一行が帰ってきたら派遣される依頼でどうにか解決……残念ながら勇者ドラーク一行は二度と迷宮から帰って来ない事を俺達は知っている。

つまりこの依頼を解決するための重要人物を俺達は返り討ちにして迷宮に葬ってしまった訳で……その結果、このままではオーガに苦しめられている人達は助からない。

「そりゃあ断れそうにないな」

「ああ……いわば私達が代わりをしなければならない依頼であるという事だ。非常に面倒だがやるしかない」

要するに先発隊だけで援軍は来ない。

俺達だけでなんとかしなければならないって事だ。

とはいえ、俺達の口からドラークは帰ってこないよ、なんて言えるはずもない。

いや、ドラークが帰って来ないなら来ないなりに別の対処が行われるだろうが、相応に時間は掛かる。

なんとも厄介な。

死んでからも俺達に迷惑を掛けるのか。

「逆に考えればここで私達が颯爽と依頼を達成すればより高い地位の向上が狙える。何、今の私達は最強無敵だ。出来ない依頼ではないだろう」

「まあ……そうだな」

問題は人目に付く所で勇者の怒り発動作戦は、俺がいきなり死んだフリをする臆病者って認識になるんだけどな。

少なくとも周囲からの目はかなり厳しいモノになるだろう。

何より色々と隠しておきたい部分でもある。

「そういえば俺の死んだフリとルナスの勇者の怒りの効果範囲ってどの程度なんだ?」

「少なくとも私達が宮仕えになった際のドラゴン退治をした時に君が行った死んだフリ程度の効果範囲はあるぞ」

連携は組んでいたけど俺はあの時、決戦の地で設置した物で戦っていて……最前線で戦っていたルナスとはそこそこ距離があったはず。

ドラゴンが俺に狙いを定めて突撃してきて負傷した俺は死んだフリが生命の危機に勝手に反応して発動してしまったんだけどさ。

あの時、ルナスとはそこそこ距離があったから……範囲はそこまで注意しなくても良いか。