軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

32 序章の終わり

「今では君が私に補助まで掛ける始末……」

「あまり死人に鞭打つのはやめような」

「そうだな」

考えを戻そう。

今は任務を優先だ。

「では深く考えず私が仕留めて良いのだな?」

俺が頷くと分かったとばかりにルナスは俺に合図を送る。

本当、この作戦でどこまで行けてしまうのか。

と、俺は死んだフリを行い、成り行きを幽体離脱して見守った。

もちろん戦闘時間は掛からずエンシェントフリージングクイーンレオは驚愕の表情でルナスにあっさりとやられたのは言うまでもない。

合掌……俺が幽霊なんだけどさ。

それから目当ての永久凍結花を採取した。

「それでは一旦帰るとしよう。次は必ずもっと深く潜るぞ。その為に情報収集と準備をしてから出発だ」

まだまだ戦い足りないとばかりに言うルナス……元気だなぁ。

来た道を戻り、途中で野宿をして俺達はあっさりと地上へと戻る事が出来た。

ただ、27階辺りからは死んだフリ戦法は使わずに進めたぞ。

するまでもなく……俺でも簡単に戦える様になっていたからだ。

「確かに今までに比べて強くなったんだな」

一日で驚くべき進歩をしたとしか言い様がない。

今更だけど経験値の力って凄いな。

「うむ。だが、もっと私達は強くなるぞ。そしていずれ一流を超えた先に行こうではないか!」

「そうだな……」

いずれは、俺も死んだフリで見ているだけでは無い戦いを出来るようになりたい。

死んだフリをしているからこその戦い方だけど、そう……思う。

そうそう、王宮に戻ってからマシュアとルセンに関する話はルナスが色々と理由を積み上げて誤魔化した。

ついでに二人の見習い時代の資料を閲覧してきたそうだ。

まだ鞭を打つつもりなのかとも思ったが少々気になる情報だった。

マシュア……回復と攻撃魔法偏重思考の問題児。妄想癖あり。

ルセン……魔力至上主義でプライドが高く、座学の成績は低い。対人能力に不備あり。

で、俺の見習い時代の評価も見た。

リエル……座学の理解は深い。しかしスキルに問題あり。低魔力である事も含め、才能は無い。期待度低。

とまあ酷い内容だった。

ルナスの分が無いのは……相手も渡さないだろう。

勇者の怒りというスキルの性質上、結構酷い事が書いてあるだろうし。

……言ってしまえば俺達はあぶれた問題児を集めて組ませたら不思議と上手く行ってしまったパーティーだった様だ。

おそらくはルナスの勇者の怒りが上手く作用していたのが原因だ。

もしもルナスが普通の勇者だったのなら……多分、俺達はどこかで全滅していただろう。

本来は全滅してしまう様な状況をなんとか出来てしまったから、色々上手く行っている様に見えたんだ。

そういう意味で、俺達は凄く運が良かったんだろうな。

未来……ふと振り返った際に、思い出す。

改めてこれがルナスと一緒に死んだフリ戦法をするようになった最初の冒険であり、これから始まる物語の序章だった。