軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

19 熱意ある提案

移動した先には通路がぽっかりと空いていて、そこに針が敷き詰められている。

天井にフックが掛かっていて……先にはこれ見よがしに小部屋。

露骨に何かがあるって感じの仕掛けだ。

こういった仕掛けの先には宝か何らかの仕掛けを動かすスイッチ……この針山を通行しやすいようにする物とか。

「えーっと……この先の道に何があるか。魔物の気配はあっちには無いか」

俺は背負った荷物袋から鞭を取り出して先に調査をしようかと用意をしようとすると……。

「待て。ここは私が飛び越えて行く」

「またか……」

なんて言うか、いつでも使えるようになったから何でもかんでも力業でクリアしようとルナスが提案してくる。

顔に大活躍したいと書いてある。

「確かにこの手の仕掛けは君の得意とする事だ。しかし、私だってやろうと思えば出来るはずだ。勇者の怒り状態なら壁だって走れる!」

是非ともやらせてくれとの熱意ある態度……。

「何より、ちょっと実験したいこともある。そうなればもっと移動は楽になるぞ」

「大体想像出来るけど、何をするつもりで?」

「もちろん死んだフリをしている君を背負っての移動だ」

うわ……いつかやるんじゃないかと思ったけど、とうとう言い出した。

何かある毎に死んだフリじゃなくて、ずっと死んだフリを要求するって奴。

「ずっと背負って行くのはさすがに勘弁してくれ。罠の察知とかもあるんだしさ。それに文字通りお荷物じゃないか」

「ふむ……君が嫌がるのなら私も常時死んだフリをしてもらうのは諦めよう。確かにずっと死んだフリをしていると本当に死んでしまいそうで怖いからな」

本気で怖いこと言わないでくれませんかね?

むしろ死んだフリのスキルが上がりすぎて本当に死ぬとかありそうで怖いんだけど。

「ただ、今の私達なら普段は上れないような仕掛けだろうと上っていけるはずだぞ」

壁蹴りだけで断崖絶壁な仕掛けを上っていくとか言いたいのだろうか?

「とにかく、実験をさせてくれ」

「……わかったよ。ただ、俺の仕事でもあるから程々にしてくれよ」

「もちろんだ」

そんな訳で俺は死んだフリを行う。

棺桶モードになった俺の身体をルナスは棺桶ごと背負い上げる。

「軽いぞリエル。では……行くぞ!」

ギュン! っとめまぐるしい速度でルナスが地面を蹴って飛び上がり、目的の地点に着地した。

なんていう力業。

あまりの早さに理解するまで時間が掛かってしまう。

「ふむ……」

で、次の部屋にあったのは液体に満たされたプールみたいな部屋だけど……レンジャーとしての経験でわかる事はその液体が毒か溶解液で、そんな危険な液体がプールで満たされている事。

その先にスイッチと宝箱がある。

解除方法はなく、さっきの針山と同じく本来は壁を蹴って行くわけなんだが……。

「なるほどなるほど」

いっ!?

落ちてる石でプール内を確認したルナスが力の限り飛び出して……水面を走って行く。