軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

16 可能性

「もちろん持っているさ……というか、ここに挑戦する冒険者でそれを持っていない奴なんて居ないだろう」

「うむ、私達はその謎の真相に最も近づける可能性が高い。まあ、今回は我々の連携を強め、基礎のLvを上げながら国が求める物資の調達をして帰って来れば良いんだがね」

「そう、だな」

迷宮の最下層……それはおとぎ話の英雄達でさえも到達していない。

一体誰が、どんな目的でこんな建造物を作ったのか。

神の試練が迷宮であるとか、悪魔達の世界に繋がっているとか色々と言われているけれど、深く潜れば潜るほど得られる宝も大きくなる。

こんなにも強いルナスが潜れる限界まで行って持ち帰った代物が地上ではどれだけの価値になるのか……確かに夢はある。

そこに憧れたり、好奇心を持つ程度には、俺も冒険心が残っている

何より宮仕えの勇者パーティーで戦っているんだし、それなりに夢みたいなモノも持っていた。

後ろ向きなのは……元々ファーストスキルが死んだフリだった事もあるけど、マシュアとルセンにあんな事を言われたからだろう。

それも勇者の怒りを発動させたルナスを見ていたら、ほんの少しは自信を持てる様な気がしてきた。

彼女の本音というか、調子に乗っている言動も、良く言えば明るくて楽し気だしな。

「だが、そんなモノよりも今私の興味があるのはリエル、君の成長だ。君が強くなる事でどれだけ可能性を見せてくれるのか……もっと私を驚かせてほしい」

と、ルナスは俺に詰め寄ってくる。

近い!

近いよ!

無口で頼れる勇者はもういないけど、俺と仲良くしようとするポンコツですごく強い戦闘好きの勇者様がいる。

ちょっと関係は変わってしまったが、これもルナスなりの善意だ。

これ位わかりやすい人の方が変に知性的で腹黒いプリーストや賢者より、付き合っていて安心出来る気がする。

今は……それで満足しよう。

「さあ、どんどん戦っていこう。まだまだ私は戦い足りないぞ!」

「ああ、行こう」

確かにこんな戦いが出来るなら安全だって言うのは間違いない。

それにルナスに言われて、長らく感じていなかった強くなっていく事の楽しさの様なモノを感じている様な気もする。

強いのに壁を感じて冒険者をやめていく人が多い中、俺達にはまだ無数の可能性が見えているんだ。

それはきっと、とても嬉しくて、恵まれた事だ。

ルナスの様に身体を使って喜ぶ事は出来ないが、俺だってそれは嬉しい。

「あ」

そうして進んでいると固く閉じられた扉と何やら仕掛けがあるのに気づいた。

「ふむ……進むには仕掛けを解かないといけないようだな」

「ああ」

室内の周囲を把握する事で仕掛けを判断する。

「どうやら離れた所の壁にあるボタンを四カ所同時に押す仕掛けみたいだ。少し待っていてくれ。数を埋める仕掛けを施す」

ありがちな仕掛けだ。

罠も無さそうだし、よくある仕掛けなので割と簡単にクリア出来る。

「いや、死んだフリをしてくれ。私が一瞬で四つ押そう」