軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

115 泣き脅し

……確かに。

ルナスはマシュア達が騒がない限りは何も言わなかった。

そんなルナスが俺を足手まといと心の底で思っていても、仲間である限りは見捨てたりはしないはずだ。

「否定はしないよ。シュタインはもっと現金だからな」

「酷いなー。これでもリエル達の方にも気を使ったつもりだよ」

ルナスの抹殺任務を隠して手の内を見せた風なのがシュタインらしい。

ここがルナスとの大きな違いか。

「同郷だからって流されていたら問題あるのはリエルならわかるでしょ。レンジャーなんだし」

「座学とかで心構えでは学ぶ所だな」

あくまで義務的な教育での話だけどな。

同郷の相手だからと人情で仕事を放棄したりした際のリスクなどの話だ。

見過ごした所為で多大な被害が出たら本末転倒って事で、国家転覆なんかを狙う革命派閥なんかとの内通的な話が例題として説明されていた。

とはいえ、守っているレンジャーなんてどれくらいいるのかわからない。

「まあ、シュタインからしたら問題なしで、俺達の方に肩を持つべきだって上に申告出来る条件だったってのが大きいのはわかったけどな」

「それでありながら僕も混ざれそうだったから声を掛けて居場所を確保しただけさ!」

「強かとはこういう時に使う言葉なのだな」

間違い無い。

シュタイン以外にも死霊術が使える奴が国にはいるはずだ。

そんな状況下で一番にコンタクトを取って置いて仲間としてカウントされているのは非常に大きいだろう。

「ルナスさんもそうでしょ? 他に勇者の怒り持ちを入れたらもっと効率が跳ね上がるでしょ」

「私以外の勇者の怒り持ちを加入させる事は許さんぞ。そんな事をしたら縋って泣くぞ、リエル」

「ここで泣き脅しを選ぶルナスの選択肢はどうなっているんだ?」

選ぶ手段が非常に残念だ。

とはいえ、脅しとか病んだ台詞を言われる方が困るぞ。

「私が見つけたリエルの可能性なのだ! リエルの勇者は私だけだ! それだけは譲らんぞ!」

カッコいいのか悪いのか、やけっぱちな告白にも聞こえる事を恥ずかしげもなく言えるルナスは勇者だよな。

別の意味だけど。

もう慣れてきたし悪い気はしない。

「まあ、そこはリエルが選べる立場だしね。国も強制するのは非常に難しいよ。だって結局はリエルの意思が関わる訳だし」

「人質とか取られたらやむなくしなくちゃいけなくなるけどな」

「国がリエルを利用した的確な指示を出す所だとは思わなくて良いよ。人質を使って操るなんてしたら別の派閥に付け込まれる理由にもなりかねないし、誰かが人質を助ければ君が謀反を起こしかねない。長い目で見たらリスクの方が多いと思うよ」

そう言った事が起こらないような相手に報告するからね、とシュタインは続ける。