軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

107 信仰心

「俺の調べた範囲じゃ聞いた事もなかったな」

「あまり明かせる様なスキルじゃないからだね。むしろ前例が無いって点だとリエルのファーストスキルに死んだフリが入っている方じゃない?」

ああ、俺もそこは嫌ってほど調べた。

教会の人やいろんな人がファーストスキルに死んだフリと聞いて首を傾げたもんだ。

そういう意味では俺も珍しいスキル持ちか。

「本来、死んだフリはファーストスキルに入らない。世の中にはそんな類いのスキルがそこそこ存在するからね」

「まあな……俺もこのスキルの所為で色々あったからな」

「リエルは神様の存在を信じていない派かな?」

「……ああ」

スキルというのは14歳の時に教会で祈り、神様に授けて貰う奇跡だって教わってきた。

この国ではより良いスキルを授かるために幼い頃から信心深く過ごす事が良い事だと教わる。

俺も14歳までは熱心に神様を信じて信心深く生きていたもんだ。

親の言いつけを守って、色々と勉学に力を入れていた。

そしてスキル授与の祈りをして……授かったスキルが死んだフリと把握と積載軽減なんて全部が微妙なスキルを授かるなんて夢にも思わない。

冒険者にならずに農家とかになる人だってもう少しマシな構成をしている。

商人とかに向いているかとも思うだろうが、商人は鑑定などのスキルがある事が望まれる。

錬金術とかも商人系の職種だ。

アイテムマスタリーという道具をより効率的に使うスキルがあるので……レンジャーとどっちかと言われたら好みの範囲となる。

動物の世話とか馬に乗るのもそこそこ幼い頃にしていた事もあってレンジャーを選んだ意味もあるな。

積載軽減って実は馬車とかにも効果があって、スキル持ちが乗ると荷物を少し軽くさせられる。

もちろん限度はあるけど。

ともかく、こんなスキルしか俺に授けてくれなかった神様を信じろというのは土台難しい話だ。

この三つのスキルの所為で碌な事が無かった訳だし……なら神様なんていなくて俺の中に眠っていた才能だって、考えられている説を信じたい。

じゃないと俺の中で神様が悪い存在になっちゃうしな。

「前例の無い死んだフリのファーストスキルを持つ君だからこそ、私達は万全な力を発揮出来るのだ。今回の事で勇者の怒りがどれだけ疑いを持たれるか君もわかっただろう?」

ルナスの言葉にも重さが伝わってくる。

シュタインが派遣された理由、それは風聞という意味でも如実だ。

仲間が死ぬ事で真の力が発揮される勇者……物語だと燃える展開ではあるがスキルとして存在するからこそ、味方殺しをして栄光を掴む自作自演をしていないかの疑いが常時付きまとう。

シュタインが新たに加入したけれど、俺達はみんな揃って人前で胸を張る事が出来ないスキル持ちなんだな。

クマールも俺と同じスキル所持な訳だし。