軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

241話 ルート選択

エルフの村に滞在していたら、アキラとアマランサスが追っかけてきた。

どこに飛ぶか解らない転移門を使ったらしいが、多分アキラの魔力を使ってチャージしたのだろう。

なんて危ないことをするんだろうか、と思ったのだが、助けに来てくれたんだからありがたいことだ。

アキラたちと一緒にエルフのセテラもやってきた。

理由は面白そうだからという、エルフらしい理由。

そのエルフだが、なんと5000年前から生きている古参のエルフらしい。

彼女は俺たち只人が使っているという共通語を話すことができるが、そのぐらい生きていれば、話せてもおかしくない。

彼らは俺とアキラと同じように外の世界からやってきたという種族。

この世界にやって来た日本人のように、ある日突然にここに立っていた――というわけではなく、星の海を旅してきたらしい。

それが本当なら、元世界よりはるかに進んだ恒星間航行技術を持った世界からやって来たことになる。

俺たちを遥かに上回る知識と技術を持っているはずだが、5000年も生きてきたことで、そのほとんどを忘れてしまったようだ。

つまり他のエルフとほとんど違わず、なんとな~く古代の記憶がある――程度らしい。

彼女の話が本当なのか、それともボケたエルフの妄想なのか、それは不明だが、文明的なものを見せても理解をしているようなので彼女の言っていることは間違いないのだろう。

セテラと話をしていると昼前になった。

アキラが姿を現す。

昼飯を食いに来たのだろうか?

「アキラ、昼飯か?」

「ああ」

「さっきの彼には振られたのか?」

「いや、夜に会うことになっている。ウヒヒ」

彼が指で輪っかを作って指を出し入れしている。

アネモネの前では止めてほしいのだがなぁ……。

「この辺りのことを色々と聞けそうだぞ?」

「それはよかったが――それより話がある」

俺の真面目な顔に、アキラも真剣な表情になる。

「なんだ? 深刻な話か?」

「そういう感じではないんだが、俺たちにも関わりがある話だ」

「そうか、それじゃ飯を食いながら話すか」

「ああ」

秘密の話し合いのため、うちの家族から離れた場所で飯を食う。

「悪いが、アキラと大事な話がある」

「うん、解った」

「多分、エロい話だにゃ?」「そうなのかい、旦那?」

「違う違う。アマランサスも悪いな」

「聖騎士様がそうおっしゃるということは、相応の大事なのでしょう」

「どちらかというと、俺とアキラについての話だからな」

彼女たちは、肉まんとカレーまんにするようだ。

どうやらハマったらしい。

ちょっと離れたところで俺たちも食事にする。

セテラも一緒なのだが、カップ麺にした。

このエルフはカップ麺が大好きなのだ。

「3分間待つのじゃぞ?」

お湯を入れて、カップ麺ができあがるのを待つことにした。

「それでケンイチ、話ってのは?」

3分たったので、早速アキラがカップ麺をすすり始めたのだが――。

昼前に話したことをアキラにも伝える。

「ぶほっ! マジで?」

俺の話を聞いたアキラが、カップ麺を吹き出した。

「マジらしい」

「そんなに私のことが興味あるの?」

「エルフのことじゃなくて、俺たちが置かれているこの状況がどうなっているのか、解るかもしれないからな」

「ああ、そういうこと」

俺の話にセテラがつまらなそうにうなずいた。

「でもケンイチ――宇宙船でやってきたのと、ある日突然この世界の大地の上に立っていたのとじゃ全然違うぜ?」

「まぁ、そうだけど。この世界がどうなっているのか、断片を知ることはできるかもしれない」

「でもよぉ、そんなにすごい技術と知識があれば――」

「いや、全部忘れているらしいんだが」

「は?」

「5000年分も記憶を保持できなくて、ほとんどの記憶を破棄してしまったらしい」

「なんだそりゃ、ただのボケ老人かよ」

「バカ!」

アキラが俺が言わなかったことを口に出してしまった。

その瞬間、彼のこめかみにエルフの爪が食い込む。

「あいだだだだ! 頭が割れる!」

「今、面白いことが聞こえたけどぉ?」

「気のせいです! ぎゃぁぁぁ! すみません、ごめんなさい! 美しくて聡明なエルフ様!」

アキラの頭から爪が取れた。

「口は災いの元だな」

「かぁ~いてぇ!」

頭から血が流れているが、彼も祝福を持っているからすぐに回復するだろう。

「ふん、私に対する愛はないのか」

「悪い、アキラも悪気があったわけじゃないんだ」

「悪気がなければ、なにを言ってもいいわけぇ?」

「そうだな、ごめんよ」

「ふん」

エルフが伸びたカップ麺を食べ始めたのだが、啜って食べたりはできないようだ。

俺もカップ麺を食う。

「でもよぉエルフ様。エルフたちは、勝手にこの星に流れ着いたのか?」

「いいえ、私たちを導き入れたこの星の管理人がいたわぁ」

「ほらぁ、ケンイチ! 管理人だぞ、管理人!」

管理人の存在を聞いたアキラが嬉しそうだが、俺は嬉しくない。

俺たちの変な能力はその管理人のせいなのだろうか?

「はぁ、そいつはいてほしくなかったなぁ……」

「でも、5000年前の話だから、生きているかは解らないけどねぇ」

「そりゃそうだが……その管理人ってのは、なんなんだ? 神様か?」

「そんなわけはないと思うけどぉ。エルフより科学が進んだ種族ってだけだと思うけどぉ」

進みすぎた科学は魔法と変わらんってやつか。

カップ麺を持ったアキラが、ポーズをつけながら話し始めた。

「あ……ありのまま今起こったことを話すぜ! ファンタジーだと思っていたら、いつのまにかSFになっていた。な、何を言っているのか、わからねーと思うが」

「俺も解らんよ」

「そうだよなぁ」

俺はあることを思い出した。

「あ! 夜になると、月の表面がキラキラと光っているんだが、あそこに管理人がいるのか?」

「違うと思うけどぉ。あれは、外敵からこの星を守るための自動防衛兵器だと聞いていたしぃ」

セテラはキラキラがなにか知っているらしい。

外敵? そんなものがいるのか?

少々心配だが――アマランサスの話では、ここ1000年でそのような者が王国を襲ったということは話していなかったが……。

「ふう――ケンイチ、なんか元の世界には戻れそうにないな」

「別に戻れなくてもいいけどな。俺は、ここでの生活を楽しんでいるし」

「まぁ、ケンイチの能力なら、ここの生活でも困ることはないよなぁ」

「まぁな」

「ケンイチの能力って、こういうものを作ったりできることぉ?」

「そうだ。セテラは俺の召喚獣の正体に気がついているんだろ?」

「そうねぇ。実物は見たことはなかったけど、原始的な内燃機関の乗り物?」

「正解だ」

電気自動車よりもっと進んだ、チューブの中を走るエアカーなどがある世界なら、化石燃料の内燃機関などなかっただろうな。

「エルフが最初50人ってのは解ったが、この大陸中にいるのか?」

「さてねぇ。多分いるんじゃないのぉ? 行ったこともない場所も沢山あるしぃ」

まぁ、そりゃそうか。

「どのぐらいの人口だと思う?」

「そうねぇ、多分多くても2000人ぐらい?」

「5000年もあって、そのぐらいにしか増えないのか?」

「元々の故郷でもそんな感じだったしぃ」

寿命が延びてすべてが緩慢になり、科学の進歩も止まり、生物としての進化も止まった。

「皆が、美男美女で不老、知能は高くて、スタミナも筋力もある……」

俺がいつもいう、究極の二足歩行生物がエルフだ。

「そうそう、誰がなにをやっても同じだからねぇ。こんな暮らしをしているのぉ」

それがエルフの原始共産制の基礎になっており、それを手本として建国されたのが、この共和国。

「それを上っ面だけ真似ているだけのような気がするが……」

「まぁ、そういうことよねぇ。欲があるのに、できるものとできないものが一緒に同じことをするなんて無理だと思うんだけどぉ」

「セテラ姉さんの言うとおりだな」

まだ頭が痛いのか、アキラがこめかみあたりをさすっている。

「エルフが降りたのは、この大陸だけか?」

「いいえ、他の大陸にも降りてるわ」

「交流は?」

「まったくなしぃ」

初期の頃は通信機などがあったのかもしれないが……。

「そもそも、なぜこの星にやってきた」

「故郷が戦で滅んでぇ、もう一度最初からやり直そうとねぇ」

「文明を捨ててか?」

「そう」

それじゃ、知識や技術を覚えていなくても仕方ない。

最初から捨てるつもりだったのだから。

「そして、管理人とか呼ばれている者に導かれて、この星にやってきた……」

「そういうことになるねぇ」

エルフたちと、この星の成り立ちは解った。

「さて、ケンイチこのあと、どうする?」

「セテラは、転移の魔法陣は知らないのか?」

「う~ん、元々はエルフのものなんだけどぉ。すっかり忘れちゃってるからぁ」

「え? エルフの魔法なのか?」

「なんだよ、全然役に立たねぇじゃねぇか、このBBA」

そういったアキラの頭にセテラの爪がめり込んだ。

「あいだだだだ! ぎゃぁ!」

懲りないねぇ……。

「じゃぁ、あの遺跡を作ったのもエルフ?」

「多分、違うと思う。エルフと交流があった種族が作ったんでしょうよ」

「その記憶はないのか?」

「あるようなないような」

「……」

アキラがまたなにか言おうとして、口をつぐんだ。

彼女が言うように5000年分の記憶を全部覚えておけっていうのは酷だ。

外付けのHDDのように、入れ替えができればそんなことも可能だと思うが。

大昔のエルフなら、そんなこともできたかもしれない。

「それじゃ、あの壊れた魔法陣は直らない……」

「そうねぇ」

「魔法陣で元には戻れない。ここは共和国――となると、ルートは2つ」

「2つ?」

エルフの攻撃で負傷したアキラが、こめかみの辺りをなでている。

「そうだ。川を下り、海に出てから海岸沿いに進めば王国領だ。オダマキの近くまで行けば街道がある」

「なるほど? そりゃそうだ!」

「だが、エルフたちの話によれば、海獣がいるらしいんだよな」

「海獣……か?」

「アキラは、どんなものか解るか?」

「海獣って言っても色々とあるぞ。ワニみたいのやら、亀みたいのやら、サーペント、シードラゴン、エトセトラ……」

「イルカやオットセイなんかも海獣だと思うが」

「そんなのならいいけどな。川の上で襲われると厄介だぞ?」

船の上だと足場も悪いしな。

クラーケンのときのように、魔物1匹に多人数がいればいいのだが。

「なんか、エルフたちの話だと、沢山いそうなんだよなぁ」

「よし――今夜、エルフに色々と聞いてみよう!」

「趣味兼、情報収集を頼むわ」

「まっかっせっなっさっいっ! そして、もう1つのルートは地上か?」

「そうだな。確か王都から西に向かっている街道が、共和国につながっているはず」

「西にあるのは、セジーナね。でも、その先には共和国の砦があって往来はできないはずよぉ?」

セテラが西の都市を知っているようだ。

「でも、道伝いに戻るとなるとそこしかない。山脈を越えるわけにはいかないし」

「山脈には万年雪が見えるから、6000m以上あるだろうしなぁ」

素人がそんな山越えするなんて自殺行為だし、山脈を越えたとしてもその東側に広がるのはアニス川周辺に広がる大湿地帯。

魔物やスライムの大群を相手にしながら、大湿地を横断するのはちょっと無理。

そうなると共和国の砦を突破するしかない。

「まずは――川を下ってみるか」

俺の提案にアキラがうなずいた。

「そうだな。その海獣ってやつを拝んでみないことには。意外となんとかなるかもしれねぇし」

「そうだといいんだがなぁ」

獣人たちも川を下ることを提案していたので、反対されることはないだろう。

アネモネとアマランサスも俺についてくるはず。

話し合いは済んだので皆の所に戻る。

「旦那、難しい話は済んだのかい?」

「ああ。勝手に決めて悪かったが、とりあえず川を下ることになった」

「言い出したのは俺だから、別に反対はねぇぜ」「ウチもにゃ」

「私もいいと思う」「妾は、聖騎士様の仰せのとおりに……」

「アマランサス、別に反対意見を言ってもいいんだぞ?」

「そのようなことをすれば、妾の首が絞まりますゆえに」

「そろそろ奴隷も止めないか?」

「……」

アマランサスが黙って横を向く。

嫌だと言うと、奴隷紋に反逆とみなされるからだ。

「それじゃ、明日の朝一で、川を下ることにしよう」

「よっしゃ!」「うにゃー!」

「海に出られたら、オダマキの近くまで行けば帰れるからね!」

アネモネの言うとおりだが懸念がある。

「けど、無事に下れればいいけどなぁ」

「エルフたちが言ってた、魔物のことかにゃ?」

「そうだよ。どのぐらいの数がいるかだな」

「スライムなら、旦那の作ったスライム避けがあるじゃん」

「あれは、スライムにしか効かないからなぁ」

「でも、旦那。エルフが見せたアレもあるじゃん」

「あれか?」

そこにセテラがやってきた。

「なになに? なにを見せてもらったのぉ?」

彼女にエルフが披露してくれた、スライム避けの方法を話す。

「他の場所でそういうのを聞いたことがあるか?」

「ないけどぉ――ははぁ、なるほどねぇ。そう言われれば使えるかもねぇ」

「今まで、そういうことを試したことがなかったんだ?」

「ないわねぇ。他種族と交わるとこういうことがあるので面白いのよねぇ」

確かに、種族が違えば文化も違う。

教育のレベルも違うし考えかたも違うから、自分たちでは考えつかないようなことを考えつく連中がいてもおかしくない。

「その割にはエルフは排他的って言われるが?」

「他の種族の文化に侵略されるのが嫌なのよねぇ。私はそんなことないのだけどぉ」

「う~ん――それじゃ、あまりエルフたちには会わないほうがいいかな?」

「それは、私たちのほうが調整するから、ケンイチはあまり気にしないでいいかもよぉ」

そうなんだ。

まぁ、俺もあまり深入りするつもりはない。

彼らとて、なん千年もこの生活をしてきたのだから、今更変える気も必要もないはず。

エルフのことを考えている俺を見て、セテラがニヤニヤしている。

「なんだ? なにを笑っている?」

「只人って、他の人の排泄見るのが好きなんでしょ?」

「はぁ? 好きじゃないぞ? どこの情報だ」

いや、このエルフは只人の街にもいたらしいから、そういうやつがいたのかもしれない。

だれだ、そんなとんでも情報を植え付けたやつは。

「聖騎士様ぁ! そのようなことをなさるなら妾がぁ!」

いきなり、アマランサスが抱きついてきた。

「しないしない!」

「恥ずかしいけど……ケンイチならいいよ」

アネモネがもじもじしながら答えている。

「よくないよくない!」

「お、俺だって! は、恥ずかしいけど……」「にゃはは」

獣人たちまでそんなことを言う。

「止めなさい、そんな趣味ないから!」

「え~? そうなのぉ?」

「そうだよ! なぁ、アキラ?」

黙って話を聞いていたアキラにも同意を求めたのだが……。

「……フヒヒ、サーセン」

「あー! アキラに聞いた俺が馬鹿だった。だが俺はそういうことはないからな!」

なんで、こんな話になったんだ。

別にアネモネの魔法があるなら、わざわざエルフのゴニョゴニョを使う必要はない。

アホな話をしていると、ベルたちが戻ってきた。

「にゃー」

「お母さん、なにかおもしろいものはあったかい?」

「にゃ」

なにもなかったらしい。

「そうそう、ベルの国って転移魔法あったのかい?」

「にゃ」

「え? 研究されていた?」

あのリッチが、どうやら転移魔法の研究をしていたようだ。

それじゃ、あの遺跡の中にあった本の中にそれっぽい資料があるのだろうか?

「ん~そうだ」

俺はアイテムBOXから、遺跡で手に入れた本を取り出した。

「セテラ、これって読めないか?」

「ん?」

長いこと生きているなら、古代の文字も知っているはずだ。

それも忘れたと言われてしまったら、それまでだが……。

「ん~? これは読めるよ」

「そうなのか? アネモネに読み方を教えてやってくれ」

「いいよ。当然見返りはあるんでしょうねぇ?」

「見返りってなんだ? エルフが金を欲しがるとは思えないし……」

「当然、ケンイチのか ら だ――」

セテラの長い手足が俺に絡みついている。

まるで巨大な女郎蜘蛛に抱きつかれているような感覚に襲われると、アネモネが割って入ってきた。

「だめぇぇ! そんなのなら、本が読めなくてもいいから!」

「ええ? 古代の魔法に興味ないのかい?」

「……興味あるけど……ケンイチのほうが大事だし……アキラは、レイランでも読めるって言ってたし……」

アネモネがもじもじしながら答えているが、あの古い本に興味があるのは間違いないらしい。

「まぁ、うちの大魔導師様がそういうことだから、エルフ様はまた今度な」

「ええええっ!? そんなのずるいんだけどぉ!」

「ずるいってなんだ。お前はエルフの大使で、うちの家族じゃないだろう」

「それじゃ家族にしてよぉ!」

セテラが再び、俺に抱きつく。

エルフは細いのだが力が強いので逃げられん。

「エルフのセリフを借りると、どうせすぐに死んじゃうんだぞ?」

「それでもいいからぁ!」

「とりあえず、それはサクラに戻れたら考えよう。今はそれどころじゃないし」

「確かにねぇ」

エルフとの会話を他の家族がちょっと離れた場所で見ている。

「にゃー」

「なんだか、また増えそうじゃね?」「今度はエルフにゃ?」

「……」

アマランサスは反対なのだろうが、口に出すと奴隷紋が反応するので黙ったままだ。

「エルフならサクラに帰らずに、ここに住めばいいじゃない」

「そうはいくか!」

アネモネの言葉に、セテラが憤慨する。

「やっぱりセテラが住んでいたエルフの集落に戻りたいのか?」

「違う! ケンイチと一緒にいたほうが面白そうじゃない」

「ああ、そういうことね。それじゃとりあえず帰らねば」

「そうねぇ」

あとから来たベルにも今後の予定の説明をする。

「にゃー」

彼女も川を下ることを了承してくれたようだ。

「お母さんは戦闘になっても見ているだけでいいからな」

優れた能力を持つ森猫とはいえ、船の上ではその能力は発揮できないだろう。

「ああ、ケンイチ」

「なんだ?」

「ケンイチの船、湖に置きっぱなしなんだが……」

「大丈夫だ、アイテムBOXにもう1隻入っている」

いよいよとなったら、ゴムボートもあるしな。

ゴムじゃちょっと心もとないが……。

――そのまま時間がすぎ夕方。

この村の族長にも明日の朝一で発つことを告げて、エルフも入れて皆で食事にすることにした。

セテラに料理のアドバイスを求めると、カップ麺がいいと言う。

皆で沢山食べるなら袋麺のほうがいいだろう。

大鍋で袋麺を作り、皆で分けて食べることにした。

鳥肉ならエルフたちでも食べられるので、コカトリスの肉入りラーメンだ。

獣人たちは、ラーメンが苦手なのでカレーを食べているが。

ベルたちには、コカトリスの肉と猫缶をあげる。

使い捨ての紙の丼にラーメンを入れてやると、プラのフォークでハグハグとエルフたちが食べている。

「うめぇ!」「こりゃワームか?!」

前もこのやり取りを聞いたな。

「小麦粉をねって長く伸ばしたものだよ」

「へぇ~只人ってのは変わったものを食うんだな。でも、これはスープに絡んでうめぇ!」「俺らでも作れるんじゃね?」

「まぁ、小麦粉があればなんとかなると思うが……」

彼らが驚いているのは長いラーメンだけではない。

俺のやった丼を掲げて下から覗いている。

「なんじゃこりゃ? 紙の器? 只人はこんなものを使っているのか?」

紙の丼なんて、もちろん見るのは初めてだろう。

「違う違う、俺の魔法で作ったものだから、使っているのは俺だけだ」

「へぇ~」

「すげー!」

セテラのアドバイスどおり、ラーメンはエルフたちに好評なようだ。

エルフの好きな味なのだろうか?

アキラは――若いエルフの所に行って、樹の下で2人でラーメンを食べながらイチャイチャしている。

これは彼の趣味なのでなにも言うまい。

あのエルフから色々と情報を聞き出してくれるという話だしな。

それに期待しよう。