軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

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「え?どういうこと?あれ、わざと言わせたの?」

「多分、この間のことを根に持っているんだと思うわ。

クリスもカイルもあれだけ怒っていたのに、

アンナに何もし返してないからおかしいと思ってたけど。

まさかこういう手でし返すとは…。」

確かにアンナの態度や発言はひどかったけれど、

まさかアーレンス領を巻き込んでまでやり返すとは思わなかった。

思わず頭を抱えそうになるが、二人は至って真面目な顔で言い返してきた。

「いや、だってあれが一番いいと思ったんだよ。」

「独立宣言させるのが?」

「そう。独立宣言をしてしまったら、無かったことにはできない。

ユーギニス国に戻るとしても、話し合いで条件を決めて合意しなきゃ戻れない。

ほら、契約切れているのに話し合いに応じないって言ってただろう?

これなら話し合いしないわけにはいかなくなる。」

「あぁ、それは確かに。」

このまま独立宣言をなかったことにしてユーギニス国に残るはできない。

もう一度契約することになるが、その時は公爵領扱いでは無くなる。

もしかしたら侯爵領扱いすらできなくなるかもしれないが、

それは今後のアーレンスの出方次第だ。

少なくとも辺境伯騎士団を出してユーギニス国と争うようなことになれば、

アーレンスを優遇するような条件は絶対に出せなくなる。

「それに一度国からの支援が無かったらどれだけ大変か知ったほうがいい。

このまま自分たちの立場を理解しなかったら、

また何度も同じような問題を起こすと思うから。」

言われてみたらその通りかもしれない。

世界で一番豊かな土地だと誤解しているアーレンスの目を覚まさせるには、

今しているすべての支援を引き上げて独立させたほうがいい。

そうすればどれだけアーレンスが大変な領地なのか認識できるだろう。

「だけど、こんな風に周りを巻き込むのはダメよ。」

「あぁ、それは確かに。ディアナ嬢、すまなかったな。」

巻き込まれただろうディアナを見たら、意外と平気そうな顔をしていた。

目が合ったら柔らかく微笑んで、改めてご挨拶させてくださいと言った。

「ミレッカー侯爵家の次女でディアナと申します。」

「ええ、こんなことに巻き込んでしまってごめんなさいね。

ディアナとは王宮でゆっくり会うつもりだったのだけど。」

「いえ、かまいません。

わたくしの力不足でアンナ様を説得できなくて申し訳ございませんでした。」

「あぁ、違うの。あれはディアナのせいじゃないわ。

どうやらアンナはアーレンス領が国にとって大事な領地だと誤解しているみたいで…。」

「…え?」

「私たち王族が欲しがっている領地だと思っていたみたいなのよ。」

「…どうしてそう思っているのかは理解できませんが、

アンナ様が話していたことの意味はわかりました。」

穏やかだったディアナの顔が少しだけ悲しそうなものに変わる。

隣の領地であるディアナはアーレンスの価値を良く知っているだろう。

「とにかく、こうなってしまった以上、

ミレッカー侯爵にも協力を要請しなければいけなくなるわ。

国境騎士団をアーレンスから撤退させて、ミレッカー領まで下げさせなくては。」

「…それは助かります。

ミレッカー領に国境騎士団が配置されるということですよね?

アーレンスで食糧難になると、

ミレッカーの村が襲われる事件が多発します。

国からの支援が無くなったら、間違いなくそういうことがあると思いますから。」

「え?」

「最近は少なかったですけど、

昔は山から黒い山賊が降りてくると言われてたくらいです。」

「黒い山賊?」

「黒髪黒目ですから、そう呼ばれていたようです。

ミレッカー領の端は小さな集落が多いので、

食料を奪われるだけでなく死者が出ることもあったそうです…。」

「それは…ひどいわね。」

ミレッカー侯爵がアーレンス領を助けたくないと思うのも無理はない。

自分の領地を苦しめてきた山賊がいる領地に食料を送るなど、したくないだろう。

「ですが、王族がアーレンス領に食糧支援するようになって、

山賊が襲ってくる件数は減ってきているんです。

警報が鳴る魔石を設置されてからは、被害は一件もありません。

すべてソフィア様のおかげです。」

魔獣用に設置してある魔石にそんな効果があるとは思わなかった。

だけど、考えてみれば人に害を及ぼす生き物が通ったら警報がなるようになっている。

山賊も人に害を及ぼす生き物には違いない。

「…もしかして、ディアナがミレッカー侯爵を説得してくれたのはそれが理由?」

「ええ、そうです。アーレンス領が飢えればミレッカーが被害を受けます。

アーレンスを支援することはミレッカーのためにもいいと思いました。

それに、ソフィア様の政策ならば国全体のことを考えてのことだと思いまして。」

「ありがとう。侯爵を説得してくれて助かったわ。

といっても、これであの話もどうなるかわからなくなってしまったけれど。

さっきの山賊の話も国境騎士団には話しておくわ。

今後、アーレンスとの話し合いがどのくらいかかるかわからない。

その間に山賊が襲ってくるかもしれない。

気を付けて警備するように指示するわ。」

「ありがとうございます!」