軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

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お祖父様に呼ばれたのは意外と遅く、昼もとうに過ぎていた。

クリスとカイルを連れて謁見室に行くと、文官と騎士が数名待っていた。

ハイネス王子とイライザを取り調べた担当が報告に来たのだろう。

私たちが部屋に入るとすぐさまお祖父様から声をかけられる。

「おう、来たか。ソフィアの体調が悪いと聞いていたが、大丈夫か?」

「…ええ。もう大丈夫です。」

どうやら私の二日酔いも報告されていたようで、少し笑っているように聞こえる。

孫娘の失敗話をほほえましいと思っているような感じだ。

…私としては結構深刻に落ち込んでいるのだけど。

ちらりとカイルと見ると、すっと目をそらされる。

朝食後に会ってからずっとこんな感じだ。

怒っているわけではないようだけど、どう対応していいかわからない。

「それで、昨日ハイネス王子を拘束してすぐに離宮にも騎士団を派遣させた。

離宮にいるココディアの小隊長が抵抗するようなら拘束するようにと言っておいたが、

向こうの対応はどうだったか?」

お祖父様の問いかけに、騎士団の者が前に出て答える。

「はっ。ココディアの小隊長二人に事情を説明したところ、

抵抗なく離宮の捜索を承諾されました。

ハイネス王子が使用していた部屋と侍従の部屋を探したところ、

侍従の部屋から魅了効果がある指輪が発見されました。」

「魅了の指輪か。使用済みのものか?」

「侍従に確認したところ、ハイネス王子がソフィア様を対象にしたが、

まったく効果がでなかったために外したそうです。

それでも貴重な魔術具であることに違いないので、

国に持って帰って調べてみるつもりで預かっていたそうです。」

え?私を対象にしていた?魅了の指輪を?

「魅了の指輪、やはりか…。」

「やはりとは?」

私が驚いて聞いていたのに対して、お祖父様は予想していたのかそうつぶやいた。

聞き返してみたら、嫌なことを思い出したかのような渋い顔になる。

「…イディア妃が結婚当時ダニエルに使おうとしたのだ。」

「は?お母様がお父様に?」

「そうだ…ソフィアにも王太子の証を渡したように、

ダニエルにも同じ効果のあるものを渡してあった。

そのため魅了の効果はでなかったのだが…。」

王太子の証。つけているネックレスをさわるとふわりと魔力を感じる。

魅了をかけられたら、逆に作用する石。

…あぁ、そういうことか。

ハイネス王子のことが嫌で仕方なかったのはこのせいか。

あれ…じゃあ。

「お祖父様…私、このネックレスの効果で、

ハイネス王子と話すのも嫌なくらい嫌いになっていました。

もしかして、お父様がお母様を嫌いだった理由は…。」

「その通りだ。気が付いた時にはもうどうにもならないほど嫌っていて。

イディア妃も理由もわからず嫌われているようなものだからな。

嫌われているのがわかっていて好きになるわけがない。

お互いに嫌いあって…どうしようもなかった。

だが、ココディアに伝わってはまずいと、

イディア妃には王太子の証のことは話さなかった。

だから、ハイネス王子が来ると知った時に、

また同じように魅了の指輪を使うのではないかと思った。」

それでハイネス王子が来る前に私にネックレスを渡してきたんだ。

私と結婚して国王になりたいのなら、なりふり構わず手段を選ばないだろうと。

おかげで最初から嫌悪感しかなくて、危ない目には合わずに済んだ。

「私に魅了の効果が感じられなかったから、イライザを狙ったのですか?」

「それが…イライザのほうからハイネス王子に近づいたらしい。

ハイネス王子はイライザが王女だと思っていた。

しかも、ソフィアよりもイライザのほうが優秀で、

儂が可愛がっているのはイライザだという話を信じていたようだ。

…イライザに王位継承権が無いと説明された上、

ソフィアが女王になることを理解した後は、

すっかり落ち込んで何一つ話さなくなってしまった。」

「イライザはハイネス王子を騙したのですか?」

「騙したというよりも、信じるように誘導したという感じか。

王位継承権があるとは言ってないようだしな。

第三王子の娘、国王の孫、ソフィアの従姉妹、それだけなら嘘ではない。

ハイネス王子がうまく勘違いするように話したのは間違いないだろうが。」

確かにそれは嘘ではない。

だけど、公爵令嬢だと名乗ったらすぐに嘘だとわかる。

最初からハイネス王子を騙そうと思って近づいたということか。

「エドガー叔父様たちがそう言うように指示したのでしょうか?」

「儂もそう思って確認させたのだが、

エドガーたちはハンベル領にいて、イライザとは連絡を取っていなかった。

イザベラは学園に入学してから一度もハンベルに帰っていない上、

エドガーたちには手紙一つ送っていない。

イライザの考えで動いていたとしか思えないのだ。」

叔父様たちとは連絡を取っていない?

てっきり叔父様たちがまだあきらめておらず、

イライザを使って王都に戻ってこようとしているのかと思っていた。

たった一人で考えて行動していたから、誰にも止められることも無かったのか…。

「なぜイライザはハイネス王子を狙ったのでしょうか。

それに、ハイネス王子の勘違いもどうしてそこまで…。」

そこまでしてハイネス王子に近づいたのはなぜだろうか。

自分が女王になると思っていたのなら、ハイネス王子と結婚する必要はないはずなのに。

「すべてのきっかけはココディアに帰ったイディア妃だ。

イディア妃が…ソフィアは女王にはなれないだろうと言ったらしい。」

「え?」