軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

軍オタ7巻発売記念更新SS 女子会

これはリュート達が、魔人大陸へ戻った夜に開かれた 夜会(やかい) の話である。

ちなみに夜寝る前にお茶を飲む習慣を魔人大陸では『夜会』と呼ぶ。

大部屋の一室に、寝間着姿の女性達が集まる。

今夜は久しぶりにクリスが実家に戻ったということで、彼女の母親であるセラス・ゲート・ブラッドが夜会を開いた。

わざわざすぐ皆で眠れるようにパジャマ姿で、大部屋にベッドを複数運び込んだほどである。

所謂、女子会だ。

参加者はスノー、クリス、リース、ココノ、メイヤ、セラスの計6人。

ブラッド家専属メイドの獣人種族、ハム族のメルセは女魔王アスーラに同伴しているため欠席だ。

本来であれば他ブラッド家メイドが給仕を勤める筈だが、なぜかシアが担当していた。

だが、まるで長年ブラッド家に勤めていたメイドの如く給仕を勤めるため、誰も不思議に思っていなかった。

ソファーに座り香茶とお菓子を食べながら、会話に花を咲かせる。

クリス母、セラスがにこにこ笑顔で話題を振る。

「皆、忙しいけど充実した毎日を送ってるようね。でも、そんなに忙しくてちゃんとリュートとお話をしたり、気持ちを確かめ合う時間はあるのかしら?」

『大丈夫です。この間もリュートお兄ちゃんと皆と一緒にお出かけしましたから!』

「ですね。後、飛行船などでの移動の時は待っている間は暇になるので、よく皆と一緒にお話をしたり、ゆっくり食事をしたりしますよね」

クリスの言葉を、リースがさらに補強する。

彼女の台詞に他妻&弟子がうんうんと同意するように頷く。

さらにスノーが続けた。

「後、ココリ街を警邏する時、2人で回っているよ。警邏は周辺に問題が無いかチェックしないといけないけど、話をしながらでも分かるしね。お陰で楽しくお仕事できるよ」

『スノーお姉ちゃん、分かります! 私も警邏で回る時、リュートお兄ちゃんと楽しくお話できて好きです!』

「わたしはリュートさまとよくハンヴィーやバイクなどの整備、試運転の時にお話をさせて頂いていますね」

クリスの隣に座るココノが今度は話を切り出す。

「警邏で歩いて会話はありませんが、ハンヴィーの隣やバイクの後ろに乗って運転したりするのが楽しくて、嬉しいです」

「ココノさん、羨ましいです。私は意外とリュートさんと二人っきりでお話って機会が少ないんですよね」

リースは目を瞑り『うーん』と思い返しながら告げた。

「物資補給もバーニーさん達と一緒に目録を確認しながら『無限収納』にしまっているとかはありますが……。後、常にシアが側に居るので2人っきりってなかなかなりにくいんですよね」

リースはちょっと不満げにシアへと視線を飛ばす。

彼女はちょうどセラスにお茶のおかわりを入れている最中だった。

シアは完璧にお茶を入れた後、反論を口にする。

「お言葉ですが姫様。倉庫などでの物資搬入や収納中の際、若様、姫様が荷物の物陰に隠れて安心してイチャイチャできるよう立ち回っております。その評価はいささか不適切かと」

「し、シア!」

メイドの言葉にリースへ視線が刺さる。

セラスだけが『まぁ♪』とどこか嬉しそうに笑顔を浮かべていた。

リースは顔を真っ赤にしながら、しどろもどろで告げる。

「た、確かに倉庫内での作業は2人っきりになりにくいですが、人目に隠れながら2人っきりになるのがなんだか楽しくてですね。まるで秘密の恋愛みたいで。で、ですから別に隠れてふしだらなことをしているわけではないんです! あくまで雰囲気を楽しんでいるだけなんです! 信じてください!」

「リースさんが見た目と違って意外とえっちなのは、いつものことですわ。もちろん最後はわたくしですわね!」

「め、メイヤさん!」

微妙になった空気を変えるためか、それとも天然か――最後にメイヤが胸を張りながら語り出す。

メイヤの『意外とえっち』という評価にリースは抗議の声をあげるが、彼女はあっさりと無視して自慢気に語り出す。

「リュート様ともっとも2人っきりで過ごしているのはこのわたくしですわね! なにしろお仕事で2人っきりで補充をしたり、装備の整備をしたりと色々接点が多いですから!」

「ルナちゃんも部門の1人だけど、一緒にやらないの?」

スノーもリースの抗議を無視して、メイヤに質問を投げかける。

まるで言外に『リースの意外とえっち説』に同意しているようにだ。

メイヤも気にせず質問に答える。

「前はルナさんに色々指導するため3人でいることが多かったですが、今では彼女1人に任せた方が早い仕事もありますから。今は分業で作業をおこなうことが多いですわね」

『ルナちゃんって今どんなお仕事をしてるんですか?』

「メインは大型兵器の研究・開発とメンテナンスですわね。後、個人的にオリジナルの銃器開発をしているとか」

「オリジナルの銃器って作れるものなんですか?」

ココノが驚いた表情で返す。

メイヤは香茶を口にして喉を潤す。

「あくまでまだ手を付けたレベルらしいですが。もしかしたら協力を求められるかもしれませんが、その時は力になってくださいまし」

『もちろんです!』

「わたしに出来ることなら」

メイヤもクリス、ココノがルナと特に仲が良いことを知っている。

後輩の面倒を見る先輩、もしくは妹の面倒を見る姉のような態度で二人に協力を促していた。

一方、ルナの血の繋がった実姉はというと――

「ううぅ、酷いです皆さん……」

皆に主張を流されて涙目ですねていた。

さすがに可哀相になりスノー、クリス、ココノ、メイヤがリースに声をかける。

セラスはそんな娘達のやりとりを楽しそうに眺めていた。

こうして女子会は楽しげに更けていく。

一方、男子会はというと――男子部屋は地獄と化していた。