軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第150話 北大陸へ

リュート、16歳

装備:モデルUSPタクティカル・ピストル(9ミリ・モデル)

:AK47(アサルトライフル)

スノー、16歳

魔術師Aマイナス級

装備:S&W M10 2インチ(リボルバー)

:AK47(アサルトライフル)

クリス、15歳

装備:M700P (スナイパーライフル)

:SVD (ドラグノフ狙撃銃)

リース、182歳

魔術師B級

精霊の加護:無限収納

装備:PKM( 汎用機関銃(ジェネラル・パーパス・マシンガン) )

:他

今にも雪が降り出しそうな曇り空。

海は灰色で、見ているだけで気が滅入る。

オレ達、 PEACEMAKER(ピース・メーカー) は飛行船で曇天を飛びながら北大陸を見下ろしていた。

向かう先は北大陸最大都市、上流貴族の1人が治める――ノルテ・ボーデンだ。

ノルテは北大陸の港であり、玄関口の1つである。

北大陸は時計の数字で言うと『12』に当たる。

北大陸を一言で現すなら……田舎、辺境、犯罪者が逃げ込む土地である。

北大陸には一年中雪が降り続け、特別な観光地・特産物があるわけではない。

魔物も強く、代表的なのがホワイトドラゴンと、巨人族だ。

ホワイトドラゴンは口から吹雪を吐き、巨人族は巨大な歩く石像で、群れを成して移動する。どちらもひどく危険な魔物だ。

流刑所を作るのには適した環境のため、北大陸を治める国王が先導して他国からの犯罪者を積極的に引き受けている。代わりに他国からの資金援助を受け取っていたりする。

引き受けた犯罪者達は、大規模な流刑所に押し込められ、地下資源を掘り出す人材として活用される。

他国は犯罪者を長期留置する場所や維持費などを削減でき、北大陸側は危険な地下資源を掘り起こす人材確保と資金援助、さらに掘り起こした資源をそのツテで輸出することが出来る。

最近、また地下資源を掘り起こすための流刑所が増設されたらしい。

そのため『北大陸の出身です』と言うと田舎物扱いされて馬鹿にされる。

スノーの場合は妖人大陸の孤児院出身のため、そういう経験はないが。

そんな地の果ての北大陸にわざわざオレ達、 PEACEMAKER(ピース・メーカー) が訪れたかと言うと――スノーの両親を捜す手がかりを見付けるためだ。

オレとスノーは妖人大陸にある孤児院前で捨てられ育てられた。

スノーは白狼族と呼ばれる北大陸の奥地で生活している少数民族の血を引く。

だから、白狼族と接触し話を聞けば、両親に関わる何かしらの手かがりがあるかもしれないと考えたからだ。

本来なら約3年前ぐらいに探しに行こうとスノーへ提案したが、彼女曰く『もちろん行ってくれるのは嬉しいけど……今のわたし達だとちょっと北大陸は厳しいかな』と延期になっていたのだ。

スノーが『北大陸』『白狼族』について色々調べた情報によると――

白狼族は北大陸の奥地で生活している少数民族。

北大陸に生息する巨人族とテリトリーが重なる。

そのため巨人族に対抗できるだけの装備を整える必要がある。

またハイエルフ王国を救ったり、 軍団(レギオン) を立ち上げたり、魔術師殺し事件を解決したりなど多忙を極めていたせいで延び延びになってしまったのだ。

そんな自分達の元へスノーの魔術師学校時代の同室である友人、アイナが尋ねてきた。

スノーへわざわざ卒業証書を届けに来てくれたのだ。

そんな彼女にスノーの両親捜索について指摘を受け、こうして探しに来たのだ。

ちなみに彼女はココリ街をすでに出ている。

魔術師学校を卒業後、まだ就職先が決まっていないらしい。魔術師学校からちゃんと資金を得ているから、気にしないでとは言っていたが……。

とりあえず彼女は、暫くぶらぶら世界を見て歩きたいらしい。

就職先が決まったら改めて連絡すると言って、オレ達を見送ってくれた。その後街を出たはずだ。

危険が伴うスノーの両親捜しに、オレの妻であるクリス、リースは反対意見一つ言わず、二つ返事で了承。

オレの一番弟子であるメイヤも喜々として、飛行船に乗り込んだ。

護衛メイドのシアもリース他の世話のため同船している。

他、護衛メイド見習いのメイド達を連れてこなかったのは、『まだ彼女達では奥様方のお世話が出来るレベルではない』ためらしい。

オレ達は一旦、飛行船を街内側にある広場へと着地させる。

この規模の街になると飛行船専用の倉庫が用意されているが、まずは交渉して借用する手続きを取らなければならない。

そのため一旦街内側の専用広場に着陸させ倉庫の借用、または空きを待つというシステムだ。似たような飛行船が自分達以外、2隻ほどあった。

曇天から大粒の雪が降り出してくる。

オレ達は防寒対策に厚手の衣服に着替えた。

「しかし凄かったな、街の奥の大陸側にずらっと並んだ二重の城壁は。他大陸より明らかに大きくて、分厚く頑丈に作ってあったよな」

『凄かったです』

オレの感想にクリスが同意のミニ黒板を掲げる。

耳までおおうロシア帽子が滅茶苦茶似合う。

まるで雪の妖精だ。

「北大陸にはご存知の通り、巨人族がいます。数年に一度の割合で、群れからはぐれた巨人族が都市に現れるそうです。あの城壁はそんな巨人族を堰き止め、街を防衛するためのものです」

シアがメイド服姿で疑問に答えた。

他にもノルテは地下道が街中に張り巡らされている。この地下道も巨人族対策の名残だ。まだ小さな村や町時代、一般市民はこの地下に逃げ込み避難していたそうだ。

そして街が大きくなるにつれ拡張工事を繰り返した結果、気付けば誰も全容を把握しない巨大迷路になってしまったらしい。

そのせいか現在は地下道はまったく使われていない。

シアはそんな説明も付け足す。

また彼女は何も羽織ろうとしない。

手には『MP5K』が入った鞄、コッファーを手にしているだけだ。

「シアは上着とか着ないのか? そのままじゃ寒いだろ」

「いえ、問題ありません。メイドですから」

マジで!? メイドさんすごすぎる!

「結構、外は吹雪いてきたね。リュートくん、 冒険者斡旋組合(ギルド) の場所はちゃんと知ってるの?」

「もちろんだよ、ちゃんとココリ街を出発するまえに受付嬢さんに確認しておいたよ」

「さすがリュート様! 抜かりないですわね」

スノーの質問にオレは胸を張る。

メイヤは相変わらずのテンションで持ち上げてくる。

「竜人大陸、ハイエルフ王国、そしてココリ街の 冒険者斡旋組合(ギルド) にもあの受付嬢さんが居たけど、これから向かうノルテの 冒険者斡旋組合(ギルド) にも居たりして」

「ま、まさかいくらなんでもありえませんよ。そうそう同じような容貌の方が、私達の向かう先に次々いるなんて」

微妙にあの受付嬢にトラウマを持つリースが否定の言葉を口にする。

しかしリース、そういうこと言うと居たりするんだよ……。それがフラグってもんだ。

準備を終え、飛行船を出る頃には本格的に吹雪いてきた。

この世界に傘は無い。

雨合羽のように頭からすっぽりと被る雨具が一般的だ。

オレ達は頭まですっぽり隠れる雨具を被る。

視界の悪い吹雪の中、ノルテ・ボーデンの 冒険者斡旋組合(ギルド) へ向かって歩き出した。

この時、もし晴れていれば、頭まで隠す雨具を使う必要はなかった。

そうすれば街人からすぐ事情を知り、 冒険者斡旋組合(ギルド) であんな騒動を起こす必要もなかったというのに……。

さすがにオレ達はこの時点で、街の内情を知る方法はなかった。