軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

237.集まる協力神

『アーシェラスカか』

『ええ。この間ぶりね、ガルナラーヴァ』

突如現れたのは、大地神様だったみたい。大地神様はガルナにひと声かけてから、僕の方へと向き直った。

『あなたが、私の 僕(しもべ) を救ってくれたのね。ありがとう』

「いえ」

大地神様が言っている僕っていうのはゼウブロスのことだね。さっきのは、彼から銀の異形を排除したお礼だってことはわかる。でも、どうして彼のことを放置しておいたんだろうか。ゼウブロスは、大地神様との繋がりが途絶えたと言っていた。だとすれば、大地神様もゼウブロスの異変に気付いただろうに。

気になっていたことはガルナが聞いてくれた。

『アーシェラスカよ、ゼウブロスのことは気付いておらんかったのか?』

『そうなのよ。私の主観からすれば、あの子との繋がりは途絶えてなかったわ。こちらから呼びかければ気付けたのかもしれないけど……』

『ふむ……そうか。潜伏している間は、それすら擬態できるのかもしれないな』

うーん、擬態か。使徒に侵蝕しても、潜伏状態だと神様にすら悟られないのか。厄介だね。

『なるほど、それはわかった。で、さっきのはどういう意味じゃ?』

『ああ、そうだったわね。ダンジョンを組み替えるのでしょう? 私が力を貸すわ』

大地神様が現れたのは、お礼を言うこともあったけど、ダンジョンの組み替えに協力するためだったそうだ。

『本当は加護でも……と思ったのだけど、ね』

僕らのパーティーはみんな運命神か精霊神様の使徒だ。一人の人間に複数の加護を与えるのは神様のルール的にNGだから、大地神様も礼に困ったみたい。だからこそ、ダンジョン組み替えで他神の力が必要となったときに、渡りに舟という感じで協力を申し出たんだって。

『どうする、トルトよ?』

ガルナが任せるといった感じで聞いてきた。もともと、廉君に頼むって話していたからかな。

「うーん、そういうことなら協力してもらおうかな」

『ええ、任せてちょうだい』

大地神様は快く承諾してくれた。ガルナはそうかと頷く。これでダンジョンの組み替えはできるはずだ。

でも、さ。何も協力してくれる神様は一人じゃなくてもいいんじゃないかな? むしろ、廉君も力を貸してくれたら、もっとすごいダンジョンができそうじゃない?

そんなことを考えていると――突然、空から神様が追加で降ってきた。

『うんうん。さすが、瑠兎! 僕を外すなんてありえないでしょ!』

『ちょっと、アーシェラスカ! 抜け駆けは駄目よ~!』

『あら、ラムヤーダスとルーライナじゃない』

『私もいるぞ』

『アステリオン……お主まで来たのか』

新たに現れたのは、廉君に幸運神様、そして精霊神様。面識のある神様が勢揃いだ。

「若、また神様っぽいの出てきましたよ」

「そうだな。さすが、Bランク冒険者だ」

「いや、かなり特殊な例だからな。さすがにわかってるとは思うが」

「ああ、大丈夫だ。ただの現実逃避だから」

向こうで、ローウェルとバディスさんたちがコソコソと漫才みたいなことをしてる。現実逃避なんて言ってるけど、まあ気持ちはわからないでもない。ただのダンジョンに神様が五柱も集まるなんて、普通はないよね。

「ええと、廉君。いったい、どうしたの?」

『うん? いや、瑠兎が力を貸してくれたら……って考えたでしょ? それを口実にして干渉することにしたんだよ。だって。こんな面白そうなこと、首を突っ込まない手はないでしょ』

廉君に意図を尋ねると、かなりぶっちゃけた答えが返ってきた。ここには、僕らだけじゃなくてバディスさんもいるのに、いいのかな?

ちらりと彼らを見ると、何も聞いてないかのように漫才を続けている。ローウェルが苦笑いを浮かべているのを見ると、聞いてないフリ……なのかも。

ともかく、彼らは神々の話には我関せずという態度だし、放置して話を進めることにする。

「面白そうなことっていうのは?」

『もちろん、ダンジョン作りのことよ。私たちって、本来、各々の領分を越えたところで力を振るう機会がないでしょ? だから、ダンジョン作りには興味があるのよ』

廉君を押しのけて説明してくれたのは幸運神様だ。台詞を奪われた形の廉君がジト目で幸運神様を見てるけど、意見としては同じなのか特に口を挟むつもりはないみたい。

『精霊神様もですか?』

『興味があるのは事実だ。が、どちらかといえば、私はバランス調整役だな』

「バランス調整……ですか?」

『ああ』

精霊神様が言うには、今のガルナがダンジョンに干渉しようとすると、補助をする神様の影響を受けるんだって。廉君と幸運神様はちょっと役割が似ている神様で、司るのは運命と幸運。この二柱の影響を受けると、運に関係する要素が強くなりすぎちゃう可能性がある。それはそれで僕としては面白そうだなと思うけど……今回の目的には合わない。

ここのダンジョンに求めるのは、アルビローダを豊かにできるような要素。あと、付け加えるなら、銀の異形たちへの対抗手段が身につく修行の場くらいだ。運に左右されずに、安定した成果を得られる方が望ましい。

だから、精霊神様が加わることで、運による依存度を下げようということみたい。そういうことなら素直に力を借りようかな。