軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第五百三十話 お久しぶりのステータスチェック

ランベルトさん所へ行った翌日、俺は家のキッチンでせっせと作り置きの料理を作っていた。

「まぁ、王都ならそこそこ美味い飯屋やら屋台やらもあるだろうけど、やっぱりネットスーパーの調味料を使った飯には敵わないからな」

王都へ行くことは既に決定済みである。

なにせ、フェルをはじめとするうちのみんなが王都へ行く気満々だからなぁ~。

昨日家に帰ってきたら、フェルが『それで、いつ王都へ向かうのだ?』とか、のたまってきたし。

続けてゴン爺は、『明日にはどうじゃ? 儂に乗って行けばすぐじゃぞ』なんて言うしさ。

ドラちゃんはドラちゃんで『王都ってデカい街なんだろう? 楽しみだな~』なんて呑気に言うし、スイも『おいしいお肉いっぱいあるかな~?』なんてこれまた呑気に言っているしでさ。

俺が渋い顔して「王都へ行かないって選択肢はないわけ?」って聞いたらさ、フェルの奴はきっぱりはっきり『ないな』って断言しやがるし。

ゴン爺も『リヴァイアサンの解体ができるかもしれんのじゃろう。これは行くしかなかろう』なんて言ってたけど、王都へ行くってことはそれだけじゃないんだけどねぇ……。

食いしん坊カルテットの目的はリヴァイアサンの解体かもしれないけど、王都というからには王様がいるわけで。

ギルドマスターからも言われたけど、王都に行くなら王様に謁見しないわけにはいかないわけで……。

「ハァ~。礼儀作法とかあんだろうなぁ。面倒くさい」

俺自身のその心配もあるけれど、何よりも心配なのは……。

「うちの奴ら、大丈夫かなぁ? 王様の前で粗相しなければいいけど」

人語を喋れないドラちゃんとスイは別として、フェルとゴン爺がなぁ。

人語がペラペラなうえに、普段からあの尊大な態度だ。

ううっ、考えると心配で胃が……。

先が思いやられるけど、そればっかり考えていても身が持たないな。

「ここは料理に集中、集中」

“孤独の料理人”の称号の力が遺憾なく発揮されたのか、次々と料理が出来上がっていく。

食いしん坊カルテットの大好物でもあるから揚げを含む揚げ物類にステーキやら生姜焼きやらの焼き物類、牛丼にお肉たっぷりの肉豆腐やら肉じゃがの煮物類、ビーフシチューに肉団子のスープなんかのスープ類も作り、肉も野菜もたっぷりのホイル蒸しなんかも作ってみた。

「ふぅ、こんなもんか。しかし、自分で言うのもなんだけど、作りに作ったな……」

作ってはアイテムボックスへを繰り返していたが、思い返してみるとすごい量になっているはずだ。

「集中力と“孤独の料理人”の賜物だな。ハハハ……。はぁ~あ、夕飯作ろ」

夕飯用にと取っておいた、小判型に成型した肉だねが並んだトレイをアイテムボックスから取り出した。

「なんか無性に煮込みハンバーグが食いたくなったんだよね」

まずは、熱したフライパンに油をひいて、ハンバーグを焼き目が付くまで焼いていく。

この時には中まで火を通す必要はない。

あとで煮込むからな。

いい感じに焼き目が付いたら、ハンバーグはいったん取り出しておく。

そうしたらハンバーグを焼いて肉汁が残ったフライパンをそのまま使ってバターを溶かしたら、スライスしたタマネギとほぐしたシメジ、スライスしたマッシュルームを投入。

それをしんなりするまで炒めたら、トマト缶と水を加えてコンソメキューブを入れて、さらにケチャップとウスターソースを加えてかき混ぜながら煮立たせる。

味見をして塩胡椒で味を調えたら(ここで酸味が気になったら砂糖を入れてもOK)、焼いてあったハンバーグを投入。

蓋をして5分くらい煮込んだら、ハンバーグをひっくり返して煮込むことさらに5分。

仕上げにハンバーグの上にとろけるチーズを載せて、ひと煮立ち。

「よし、完成~。さてと、飢えた野獣どものところに持っていってやるとするか」

一度キッチンに押し掛けてきたけど、追い返してたからね~。

食いしん坊カルテットが腹を空かせているのは間違いないな。

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

食いしん坊カルテットは、俺の予想以上に腹を空かせていたようだ。

相当腹が減っていたのか、ガツガツと一心不乱に煮込みハンバーグに食らいついている。

「おいおい、ガッツキ過ぎじゃないの?」

『フン、お主のせいだぞ』

『うむ。主殿が一日中美味そうな匂いを漂わせていたからのう』

『だよなぁ。美味そうな匂いしてくんのに食えなかったんだからよー』

『やっと食べれたもんねー』

例のごとく食わせろってキッチンに押しかけてきた食いしん坊カルテットは、「これは王都に持っていく用なんだぞ。王都での食事がショボくなっていいなら食わせるけど」って言って追い返したからなぁ。

さすがに食事がショボくなるのは嫌らしく、みんなブツクサ文句を垂れながらも退散していったけど、キッチンから漏れて漂う匂いが食いしん坊カルテットの食欲を最高潮にまで掻き立てていたらしい。

ちゃんと昼飯も食わせたはずなんだけどねぇ。

おかしい。

一心不乱に煮込みハンバーグをかっ込む食いしん坊カルテットを横目に、俺も一口。

「うん、美味い。でもって、やっぱ米に合うわ~、これは」

この味付け、白飯に合うんだよね~。

『おい、おかわりだ!』

『儂もおかわりをお願いするぞい』

『俺も!』

『スイもー!』

「って、早いよみんな」

俺、今食い始めたばっかりなんだけど。

なんて文句は、飢えてギラギラした目をした食いしん坊カルテットを目にしたら言えないね。

素早くおかわりをみんなに出してやったよ。

再び煮込みハンバーグをかっ込む食いしん坊カルテット。

数度のおかわりの後に、ようやく一息ついた。

フェル、ゴン爺、ドラちゃん、スイは食後のコーラを悠々と飲んでいる。

俺はというと、いつものブラックコーヒーを飲みながら腹をさすっていた。

ちょい食い過ぎたかもな……。

『おい、明日はどうするのだ?』

「ん、明日はお供えの準備しようかなと思ってる」

別に遅れてはいないんだけど、もうそろそろしびれを切らしている頃だろうしね。

今日寝る前に神様たちからリクエストを聞いて、明日はその準備をしようと考えていた。

『むぅ、それは疎かにできないな。何事もなければ、王都へと思ったのだが……』

「だぁかぁらぁ、冒険者ギルドにも買い取り代金を取りに行かなきゃならないし、またランベルトさんのとこも行かなきゃいけないしですぐには無理なの」

昨日話に出たオールインワンジェルについては、既に 奴隷(従業員) のみんなに詰め替え作業をお願いしてある。

他のシャンプー&トリートメントの詰め替えやら毛髪パワーの詰め替えより優先してね。

マリーさんのギンギンギラギラの目が納期の遅れは許さないって物語っていたからね~。

ちゃっちゃと納品して安心したいよ。

『リヴァイアサンが食えると思ったのだがな』

まったくどんだけリヴァイアサンが食いたいんだよ。

「まぁ、そんなに遅くはならないよ。一週間以内には出発できると思うからさ。それまでは大人しくしてろよ」

『フン、つまらん』

つまんなくていいんだよ。

お前らがつまらなくないときってのは、俺のほうが大変なんだから。

ハァ~、なんだかなぁ。

ズズッとコーヒーをすすりながら、そういやしばらくの間みんなのステータスを確認してなかったなと思う。

ダンジョンに行った後だし、一応確認しておくかとみんなを鑑定してみる。

まずはフェルからだ。

【 名 前 】 フェル

【 年 齢 】 1014

【 種 族 】 フェンリル

【 レベル 】 950

【 体 力 】 10181

【 魔 力 】 9810

【 攻撃力 】 9469

【 防御力 】 10201

【 俊敏性 】 10024

【 スキル 】 風魔法 火魔法 水魔法 土魔法 氷魔法 雷魔法

神聖魔法 結界魔法 爪斬撃 身体強化 物理攻撃耐性

魔法攻撃耐性 魔力消費軽減 鑑定 戦闘強化

【 加 護 】 風の女神ニンリルの加護 戦神ヴァハグンの加護

ハハハ……。

笑うしかないね。

またレベル上がってるじゃん。

元から高いステータス値がちょっとだけどさらに上がってるよ。

お前これ以上レベル上げてどうすんのよ……。

お次はゴン爺だけど、こちらも元から化け物みたいなステータス値だったんだよなぁ。

【 名 前 】 ゴン爺

【 年 齢 】 3024

【 種 族 】 古竜

【 レベル 】 1335

【 体 力 】 10109(14441)

【 魔 力 】 14911(21302)

【 攻撃力 】 9990(14272)

【 防御力 】 10376(14823)

【 俊敏性 】 5479(3899)

【 スキル 】 風魔法 火魔法 水魔法 土魔法 氷魔法 雷魔法

神聖魔法 結界魔法 ドラゴンブレス極

古竜の息吹 身体強化 物理攻撃耐性 魔法攻撃耐性

魔力消費軽減 鑑定

【 究極魔法 】 古竜の魂

ここまでくると、何がなんだかだよね。

ドラゴンってスゲェとしか思えんわ。

同じドラゴンでも、ドラちゃんみたいに可愛げがあるドラゴンのほうが俺は好きだぞ。

【 名 前 】 ドラちゃん

【 年 齢 】 116

【 種 族 】 ピクシードラゴン

【 レベル 】 208

【 体 力 】 1319

【 魔 力 】 3510

【 攻撃力 】 3330

【 防御力 】 1208

【 俊敏性 】 4070

【 スキル 】 火魔法 水魔法 風魔法 土魔法 氷魔法 雷魔法

回復魔法 砲撃 戦闘強化

【 加 護 】 戦神ヴァハグンの加護

前言撤回。

全然可愛げないよ!

レベルアップしてまた強くなってる。

フェルとゴン爺ってとんでもないのがいるから見落としがちだけど、ドラちゃんも相当なもんだから。

そ、そういや、ドラちゃんもダンジョンのSランクの魔物を瞬殺してたよな……。

ということはだ、ス、スイちゃんもなのか?

【 名 前 】 スイ

【 年 齢 】 10か月

【 種 族 】 ヒュージスライム

【 レベル 】 63

【 体 力 】 2028

【 魔 力 】 1812

【 攻撃力 】 2003

【 防御力 】 1946

【 俊敏性 】 2011

【 スキル 】 酸弾 回復薬生成 増殖 水魔法 鍛冶 超巨大化

【 加 護 】 水の女神ルサールカの加護 鍛冶神ヘファイストスの加護

「ブーッ」

『うわっ、汚ねぇな! 何やってんだよ!』

『何をやっておるのだ、お前は』

『主殿……』

思わずコーヒーを噴き出してしまったぜ。

ドラちゃん、フェル、ゴン爺の呆れた視線も気にならないくらいだよ。

スイちゃん……。

生後10か月でこのステータスはヤバいんじゃないかい?

『あるじー、大丈夫~?』

俺の隣で俺を見上げながらそんなことを聞いてくるスイ。

「スイ~! いつまでも可愛いスイでいてくれよなぁ~」

スイをギュッと抱きしめてそう叫ぶ俺。

『いきなりなんだコイツ』

『ほっとけ』

『主殿……』