軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

洞窟7

一時間の休憩の後、僕たちはアーマーゴーレムを倒すために動きだした。

パーティーのメンバーは、僕、アルミーネ、ピルン、キナコ、メルト、そして炎龍の団の団員が六人、それ以外の冒険者が三人の十四人編成になった。

数十分ほど進むと、開けた場所に出た。

その場所は大きな岩が転がっていて、左右の壁から白く輝く水晶が突き出ていた。

数十メートル先にアーマーゴーレムが四体いるのを見て、メルトのオレンジ色のしっぽが逆立った。

「……四体か。ならば、お前たちは手を出さなくていいぞ」

メルトは腰に提げていた二つの短剣を手に取った。その短剣の刃が赤く輝いている。

火属性の魔法剣か。柄の部分に太陽石を埋め込んで、魔力を増幅してる。相当高価な武器だな。

メルトは真っ直ぐアーマーゴーレムに近づいていく。

「ゴ……ゴゴ……」

四体のアーマーゴーレムがメルトに気づいた。

先頭にいたアーマーゴーレムが巨体を揺らして、メルトに駆け寄る。太くて長い腕が斜めに振り下ろされた。

メルトはその攻撃を左手の短剣で受けた。

ドンと大きな音がして、メルトの両足が地面にめり込む。

僕は口を半開きにして、メルトを凝視する。

アーマーゴーレムの攻撃を片手で止められるのか……。

「この程度か」

メルトはダークグリーンの目でアーマーゴーレムをにらみつける。

「リッケル……ジム……タッカス……ユーリ……。霊界から見ていろ。お前たちを殺したアーマーゴーレムが無惨に壊れるところを!」

「ゴゴ……」

アーマーゴーレムは左手を開いた。手のひらに開いた穴から紫色に輝く光球が発射される。

「遅いっ!」

メルトは首を捻って光球をかわし、伸びたアーマーゴーレムの腕を関節部分から斬った。

「ゴ……ゴゴ……」

アーマーゴーレムは逆の手でメルトを叩き潰そうとする。メルトは素早く下がって、その攻撃を避けた。

アーマーゴーレムの手が地面にぶつかり、小石が飛び散る。

メルトはその手に飛び乗り、左手の短剣でアーマーゴーレムの口の中にある赤い宝石を狙った。

アーマーゴーレムの口が閉じたが、メルトは攻撃を止めなかった。そのまま、短剣を突き出す。

赤く輝く刃がアーマーゴーレムの口を貫いた。

ガラスが割れるような音とともにアーマーゴーレムの巨体が倒れる。

左右から二体のアーマーゴーレムがメルトに攻撃を仕掛けた。

「今度は二体か……」

メルトは両足を軽く開いて、不敵な笑みを浮かべた。メルトの黒色のブーツの先端から青白い刃が突き出た。

「痛覚がなくてよかったなっ!」

メルトはアーマーゴーレムの腕を避けながら、蹴りを放つ。青白い刃がアーマーゴーレムの手首を斬った。

金属音とともに太い手が地面に落ちる。

「まだまだっ!」

メルトは右足の刃でアーマーゴーレムの足を斬り、さらに左右の短剣で鎧を斬る。

二体のアーマーゴーレムがバランスを崩して倒れた。

メルトは倒れたアーマーゴーレムの口に短剣を突っ込み、赤い宝石を割った。

「ゴオオオッ!」

最後の一体のアーマーゴーレムがメルトに突っ込んでくる。

メルトはぐっと腰を落とし、唇を強く結ぶ。

メルトの体が一瞬でアーマーゴーレムの背後に移動する。

「『烈風千撃』!」

アーマーゴーレムが振り向いた瞬間、メルトの体が竜巻のように回転した。

赤色と青色の刃がアーマーゴーレムの体を細切れにする。

「強い……」

僕は半開きになっていた唇を動かした。

アーマーゴーレム四体を一分もかからずに倒してしまった。

しかも、最後の技は剣筋が見えなかった。あれを避けることができる者は、ほとんどいないだろう。

「さすが四刀流のメルトだな」

キナコが胸元で腕を組む。

「パワーとスピードが圧倒的な上に攻撃も変則的で避けにくい。戦う側からしたら、やっかいな相手だろう」

「そうだね。もし、相手が人族なら、最初の一撃を避け損なっただけで勝負がつくし」

僕は細切れになった青黒い鎧を見つめる。

十二英雄のシルフィールは魔法戦士で、攻撃魔法と武器で戦っていた。メルトは攻撃魔法を使わずに、基礎魔力を身体強化に回しているだろう。【腕力強化】や【スピード強化】の戦闘スキルも持っているはずだ。

やっぱり、Sランクは違うな。

「よし! 次の場所に移動するぞ」

メルトは地図を見ながら言った。

「まずは全てのアーマーゴーレムを私たちが倒す。その後に出口探しだ!」

「メルト様」

炎龍の団の団員の男がメルトに近づいた。

「次は俺にやらせてください。リッケルは俺のダチでしたから」

「……そうだったな。ダラス」

メルトは男――ダラスの肩に触れる。

「わかった。次のアーマーゴーレムはお前たちに譲ろう。ただ、油断はするなよ。奴らの攻撃を避け損なったら、死ぬと考えておけ」

「ええ。すぐに死んだら、霊界でリッケルに何て言われるかわかりませんからね。絶対に死ねませんよ」

ダラスの言葉に背後にいた他の団員たちも大きくうなずいた。