軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

アルベル、ダズル、カミラ

ライザにアルミーネたちを紹介していると、革製の鎧を装備した茶髪の男が目に入った。

あれは……聖剣の団のアルベルだ。後ろにダズルとカミラもいる。

アルベルたちと僕は聖剣の団でパーティーを組んでいた。彼らは複数の戦闘スキルを持っていて、現在はEランクの冒険者になっている。

「よぉ、ヤクモ」

アルベルが僕に近づいてきた。

「お前のパーティーもこの仕事を受けたのか?」

「うん。炎龍の団のリーダーと話す機会があって」

「Sランクのメルトか」

アルベルの眉がぴくりと動く。

「……お前、強い奴に取り入るのが上手いな。いつの間にか、キナコがいるパーティーに入ってるし」

「そんなつもりはないけど……」

僕は近くにいたキナコをちらりと見る。

「でも、キナコには戦い方を教えてもらってるよ」

「戦い方ねぇ」

アルベルは鼻で笑った。

「運よくEランクになれたお前がAランクの冒険者に戦い方を教えてもらっても意味ないだろ。実力が違いすぎるからな」

「そうだよね。ひひっ」

ダズルが気味の悪い声をあげる。

「ヤクモは戦闘スキルを持ってないし、どうせ鍛えてもたいして強くなれないよ。砂漠に小麦の種をまくようなものさ」

「ふふっ、上手いこと言うわね」

カミラが目を細めて口角を吊り上げる。

「でも、ヤクモも弱いなりに頑張ってるのは偉いじゃん。使えないユニークスキルしか持ってないのにさ」

「紙を具現化するだけのスキルだからね。しかも、その紙は消えるから、売ることもできないし、何の意味もないよ」

「まっ、ヤクモは運だけはいいから。雑魚スキルでも生きていけるでしょ」

「それはどうかな。冒険者は一つの不運で死んじゃう職業だし、本当の実力がないと、長生きはできないと思うよ。ひひっ」

ダズルとカミラは顔を見合わせて笑う。

「おいっ、ヤクモ!」

アルベルが僕の顔を指さす。

「この仕事はドールズ教の信者たちと戦うことになるかもしれない。その時に俺たちの足だけは引っ張るなよ」

「うん。気をつけるよ」

「……ちっ」

アルベルは舌打ちして、ダズルたちといっしょに去っていった。