軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

聖剣の団の戦い

地下都市の東側にある広場で、聖剣の団のガルディたちが数十体の骸骨兵士と戦っていた。

「ガルディさん!」

Bランクのアドルがガルディに駆け寄った。

「サポートメンバーの二人がやられた。この骸骨兵士、普通じゃない」

「ちっ! この程度のモンスターでやられるのか」

ガルディは舌打ちをして、赤い刃の短剣を振った。近くにいた骸骨兵士の頭部が切断され、胴体が横倒しになる。

「サポートメンバーを二つに分けて、ウーゴとラモンに指揮させろ!」

そう言いながら、ガルディは呪文を唱えた。

黒い球体が具現化し、それがどんどん大きくなる。

「食らえ! 『闇魔球』!」

ガルディが左手を動かすと、その動きに合わせて黒い球体が骸骨兵士にぶつかった。

爆発音がして、骸骨兵士の骨が四散する。

「全員まとめてかかってこい! Aランクの魔法戦士の力を見せてやる!」

ガルディは次々と黒い球体を具現化し、近づいてくる骸骨兵士を倒し続ける。

数分後、全ての骸骨兵士を倒したガルディは、他の団員と合流した。

「やられたのは、五人です」

アドルがガルディに報告した。

「ヘンリクとタルストと……」

「死んだ奴の名前なんてどうでもいい! 他は問題ないんだな?」

「は、はい。ケガ人はいましたが、回復薬を使いましたから」

「……はぁ。俺が指揮してる時に死にやがって。評価が落ちるじゃねぇか」

ガルディは足元に倒れている骸骨兵士の死体を蹴った。

――くそっ! 聖剣の団に入ったばかりでこんなことになるなんて。ついてねぇな。

「……こうなったら、全員まとまって動くぞ。まだ、骸骨兵士がいるかもしれないからな」

「そうですね」

アドルがうなずく。

「サポートメンバーはDランク以下の団員ばかりだから、強化された骸骨兵士と戦えば、さらに犠牲者が出る可能性がありますし」

「……そうだな。使えるのはお前とCランクのウーゴ、ラモンだけか」

ガルディは頭部に生えた狼の耳をかいた。

「とにかく、月光の団より先に調査団を見つけるぞ。そうすれば面目も立つ。お前ら、気合いれろよ!」

その時、建物の陰から、黒い服を着た二十代半ばぐらいの男が姿を見せた。

背丈は百八十センチを超えていて、すらりとした体形をしている。肌は青白く、長く伸ばした髪は銀色。額には魔族の特徴である黒い角が生えていた。

「まっ、魔族だ!」

アドルが叫ぶと、聖剣の団の団員たちが一斉に武器を構える。

ガルディも赤い刃の短剣を魔族に向けた。

魔族は警戒しているガルディたちに無造作に近づき、牙の生えた口を開いた。

「お前たちは誰だ?」

「俺たちは聖剣の団の冒険者だ。お前が骸骨兵士を強化した魔族だな」

「そうだ。俺はダグルード」

魔族――ダグルードはガルディたちを見回した。

「……ふむ。お前たちはいいか」

「いい? 何がいいんだ?」

「新たな奴隷にする必要はないということだ。もう、それなりの数の人族を奴隷にしたからな」

「それなりの数か。どうやら、調査団を拘束しているのはお前のようだな」

ガルディが唇の端を吊り上げた。

「これは運がよかったぜ」

「運がよかった?」

「ああ。お前を倒せば、俺たち聖剣の団の評価が上がるからな」

ガルディは上唇を舐める。

「アドル、ウーゴ、ラモン! お前たちは右に回れ。サポートメンバーは全員左だ!」

ガルディの指示に従って、聖剣の団の団員たちが動く。

「残念だったな、ダグルード。調子に乗って一人で出てくるから、取り囲まれて逃げることができなくなる」

「逃げる必要などないだろう」

ダグルードは淡々とした口調で言った。

「たかが二十人程度の人族など、どうにでもなる」

「それが普通の人族ならな」

ガルディが一歩前に出る。

「お前にとって残念な事実だが、俺は特別なんだ。魔族を倒したこともあるしな」

「……お前は間違っている」

「間違ってる?」

ガルディが首をかしげた。

「何が間違ってるんだ?」

「魔族といっても、強さはバラバラってことだ。オーガレベルの者もいれば、ドラゴンを越える強さを持つ魔族もいる」

「お前はドラゴンより強いって言いたいのか?」

「その通りだ。それに……」

ダグルードが右手を上げると、周囲の建物から、二百体以上の骸骨兵士が姿を見せた。

骸骨兵士たちはカタカタと歯を鳴らしながら、両手に持った曲刀を構える。