軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

激戦

「……ふむ。お前も一人で戦うつもりか?」

ゼルディアの問いかけにシルフィールが微笑した。

「そうしてもいいんだけど、手柄はみんなで分け合ったほうがよさそうだから」

アスロムが側面からゼルディアに突っ込んだ。

その動きに合わせて、シルフィールも前に出る。

「『流星雨』!」

シルフィールの腕がぶれるように動き、双頭光王の刃が連続で突き出される。

ゼルディアは一瞬だけ唇を動かす。半透明の魔法の壁が現れ、双頭光王の刃を防いだ。

「僕の攻撃が残ってるよっ!」

アスロムが七光彩剣を斜めに振り下ろした。ゼルディアは左手を動かし、手の甲の宝石で七光彩剣の攻撃を受ける。

「まだまだっ!」

アスロムは連続で攻撃を続ける。シルフィールも逆方向からゼルディアを攻めた。

二人の攻撃をゼルディアは魔法の壁と手の甲の宝石で受ける。

「死ねっ! ゼルディア!」

神樹の団の戦士がゼルディアに突っ込んだ。ゼルディアは戦士の攻撃をかわし、左手を戦士に向ける。紫色の光線が戦士の体を貫いた。

「があっ……」

戦士は大きく口を開いて、その場に倒れた。

「ゼルディアに近づくな! 僕とシルフィールにまかせろ!」

アスロムは叫びながら、ゼルディアに駆け寄る。

そして――。

「『時神の加護』!」

アスロムの姿が消え、一瞬で数メートル先に移動した。

一瞬、ゼルディアの反応が遅れる。

アスロムが七光彩剣を振り上げた。ゼルディアの左手首が切断される。

「むっ……」

ゼルディアは魔法の壁を四方に出して、追撃を防いだ。

「……見事だ。そんな技も使えるとはな」

足元に落ちた左手が宙に浮かび、ゼルディアの手首にくっつく。

それを見て、冒険者たちの顔が強張る。

「ふむ。お前たちの強さがよくわかった。これは我も本気を出すしかないようだ」

ゼルディアが呪文を唱えると、宙に赤黒い剣が具現化した。

その剣は柄の部分が肉色で眼球が埋め込められていた。刃には魔法文字が刻まれていて、血管のようなものが浮き出ている。

「生きている剣か」

アスロムが言った。

「ほぅ……知っているのか?」

「その剣に殺された人族は多いからね」

「では、こっちは知っているか?」

ゼルディアは紫色の水晶玉を具現化し、それを放り投げる。紫色の煙といっしょに黄金色の鎧と剣を装備した骸骨兵士が十体現れた。

「その骸骨兵士……いや、骸骨戦士は特別な骨を使って我が作った。お前たちがSランクと呼称している冒険者の骨をな」

「Sランク冒険者の骨?」

「そうだ。強者の骨を使えば強いモンスターを作ることができる。さらに魔法の鎧と剣を装備させた。これで周りにいる弱い冒険者たちも戦いに参加できるだろう」

ゼルディアの口角が吊り上がった。

「骸骨戦士よ。冒険者どもを殺せ!」

カチ……カチカチ……。

骸骨戦士たちが歯を鳴らしながら、周囲にいた冒険者たちに襲い掛かった。

黄金色の剣が冒険者の鎧を斬り、血が周囲の草を赤く染める。

「こいつら、強いぞ!」

聖剣の団の団員の顔が恐怖で歪んだ。

「臆するなっ!」

重戦士のダグラスが吠えるように言った。

「数は俺たちのほうが多い。他の団と協力して戦え!」

「おおーっ!」

冒険者たちは雄叫びをあげて、骸骨戦士たちと戦い始める。

「では、こっちも始めるか」

ゼルディアの両手の爪が二十センチ以上伸び、赤く輝いた。

「安心しろ。十二英雄のお前たちの死体は大切に使ってやる!」

魔法の壁が消えると、ゼルディアがアスロムに攻撃を仕掛けた。

同時に浮かんでいた生きている剣が弓で射られた矢のようにシルフィールに突っ込む。

「私が剣か」

シルフィールは双頭光王で生きている剣の刃を叩いた。宙高く飛ばされた生きている剣がブーメランのようにシルフィールの元に戻ってくる。

生きている剣は、透明な人間が手に持って戦っているかのようにシルフィールを攻撃する。

金属音が連続で響き、シルフィールの銀髪の一部が斬られた。

「剣だけと戦うのは面倒ね」

シルフィールは眉間にしわを寄せて、双頭光王を突く。生きている短剣はその攻撃をかわし、シルフィールの背後に回り込む。

ゆらゆらと宙に浮いている生きている剣を見て、シルフィールが舌打ちをする。

――こんな剣にやられるつもりはないけど、壊すのに時間がかかりそう。早くしないと、アスロムがまずいかも。

シルフィールはゼルディアの攻撃でケガをしているアスロムをちらりと見た。