軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

隠れ村の戦い2

薄暗い通路を進み続けると、視界が一気に広がった。

円柱が均等に並んでいて、高い天井と繋がっている。奥には巨大な邪神ドールズの像が建っていた。

像は高さが十メートル以上あって、頭部に無数のヘビを生やしている。

「ここがドールズ教の神殿だったのか」

掠れた声が僕の口から漏れる。

巨大な像から視線を落とすと、祭壇の前に司教のルーガルの姿があった。ルーガルの側には三人のダークエルフと老人がいる。

老人の背丈は高く、額に赤い角が二本生えている。濃い紫色の服を着ていて、手足は長く細い。

両手の甲には赤い宝石が埋め込められていた。

あいつがゼルディアか。

「お前たち……」

ルーガルが僕たちに気づいた。

「何故、ここにいる?」

「そんなことはどうでもいい」

キナコが一歩前に出て、ゼルディアをにらみつけた。

「やっと会えたぞ。六魔星ゼルディア」

「んっ……」

ゼルディアがキナコと視線を合わせる。

「お前は誰だ?」

しわがれた声がゼルディアの口から漏れた。

「俺はキナコ。ジャレゴ村の出身だ」

「ジャレゴ村?」

「お前が滅ぼした猫人族の村だ!」

キナコが声を荒げた。

「お前は猫人族の死体を手に入れるために、村にいたほとんどの猫人族を部下に殺させた。老人も子供もな」

「それのどこに問題がある?」

ゼルディアが首をかしげた。

「この世界は強者が支配する世界だ。猫人族のような弱い種族は殺されても仕方がない」

「仕方がないだと?」

「ああ。それがイヤなら戦って敵を殺せばいい。それがこの世界の理ではないか」

「……そうか。そういう考えなんだな」

キナコがぶるぶると体を震わせた。

「ならば、俺がお前を殺しても問題ないってことだな」

「……ふっ。面白いことを言う」

ゼルディアの青紫色の唇の両端が吊り上がった。

「猫人族ごときが我と戦うつもりか」

「そのために俺は生きてきたからな」

キナコはゆっくりと前に出る。

「お前に殺された同族たちの復讐、ここで果たす!」

「お前はゼルディア様と戦うことなどできない」

長身のダークエルフが口を開いた。

「なぜなら、俺に殺されるからだ」

「お前が護衛部隊の隊長のようだな」

「そうだ。俺はザムド。ゼルディア様の敵は全員俺が殺す」

ダークエルフ――ザムドは紫色の短剣を構える。

「ザムド」

ゼルディアがザムドの肩を叩く。

「その四人はお前たちにまかせる。我は十二英雄のアスロムを殺すとしよう」

「ん? アスロムだと?」

キナコが首を右に傾けた。

「……そうか。神樹の団もエクニス高原に来てるんだな。それで、さっき信者たちが村の外に出て行ったわけか」

「知らなかったようだな」

ルーガルが言った。

「どうやら、お前たちは単独で動いているようだ。ふふっ」

「何がおかしい?」

「頭が悪いと思っただけだ。たった四人だけでここに来るとは」

ルーガルはゼルディアに向かって頭を下げる。

「ゼルディア様。こいつらは私たちにおまかせを。Aランクの冒険者が一人だけで、他は雑魚です。すぐに殺せます」

「わかった。お前たちは後から来い」

そう言うと、ゼルティアは呪文を唱えた。

「逃げる気か! ゼルディア!」

キナコが叫ぶと同時にゼルディアの姿が消えた。

「ちっ……転移の魔法かっ!」

キナコはぎりぎりと牙を鳴らす。

「では、終わらせるとするか」

ザムドがゆっくりとキナコに歩み寄る。

「この猫人族は俺が殺す。お前たちは後ろにいる三人を殺せ」