軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

城内戦闘1

「フハハハハ!!蹂躙の時間だ!!」

ちぎっては投げ、ちぎっては投げを繰り返し、襲い掛かる兵士どもを無力化していく。

やはり、積極的隠密の犠牲になってもらって、そのまま放置してた兵士どもが見つかってしまったのだろう。

地下牢から出ると同時、こちらの姿を視認され、先程からひっきりなしに俺達の前へとやって来ては陣を組んでいる。

ただ、何と言うか、コイツら……。

「ぐわあああ!!やーらーれーたー!!」

「ケガをしてしまった!!衛生兵、衛生兵!!」

俺が武器を振るうのと同時に、いい感じに 自分達から(・・・・・) 吹っ飛んでいき、刀に触れていないはずなのに、迫真……と言えるかはわからないが、そんなやられた振りをしている。

目配せをすると、コクリ、とこちらに頷きを返して来る、兵士ども。

――つまり、コイツらも、皆が皆王子派に属する訳じゃないってことだ。

それなら、道中のヤツらには悪いことをしたかもしれないな。

許せ、街でクソ兵士に会った後だったから、兵士は皆敵なんだと思ってたんや。後でお肉奢ってあげるから。

「見ろ、国王。アンタどうやら、結構好かれているらしいぞ」

「……あぁ」

国王は目の前に広がる光景を見て、噛み締めるように重く頷いた。

俺もまた、万が一が無いように罪焔の峰の方を使って、いつもより五分の一ぐらいの力で振り回し、高笑いをしながら兵士達と共に茶番を演じる。

「ええい、貴様ら、何をしている!!捕らえろ!!捕らえんか!!」

と、その様子に痺れを切らした指揮官らしい男が現れ、兵士達に向かって怒鳴り散らし、腰の剣を苛立ったようにブンブンと振り回す。

……アイツは、違うな。やっちまうか。

そう即座に判断を下した俺は、一足でその指揮官の前に躍り出ると同時、その勢いを乗せて相手の鳩尾に刀を持ってない方の拳を叩き込む。

「さっさとゴフッ――!?」

バギョ、と鎧の潰れる音。

指揮官はそのまま面白いぐらいに後ろに吹っ飛んでいくと、背後の壁に激しい音を発してド派手に激突し、ガクリ、と倒れた。

「うわあ!!隊長がやられてしまった!!退避、退避ー!!」

すると兵士どもは、これ幸いとばかりにそう叫び、ケガをしてないはずのヤツをさも重症患者のように何人かが肩を貸して引き連れていったり、またお互いに肩を貸し合ったりして、まるで死地から脱出するように撤退していく。

そんな彼らの様子に、俺は思わず苦笑を溢していた。

徹底しているこって。

「――と、そうだ。……よし、お前!はい、今、俺がお前を捕まえた。だから捕虜な」

「ハッ!自分は今捕まり、捕虜となってしまいました。なので、尋問されて口を滑らせてしまっても、仕方がないことでしょう」

すぐにこちらの意を汲み、ノリノリでそう答える捕虜君。

「聞きたいことがある。クソ王子は今どこにいる?そっちに味方する兵士の動向も、出来れば知りたい」

「殿下は恐らく、執務室か謁見堂におられると思われます。殿下の子飼いの者どもは、そのほとんどが今現在城下で暴動が起きたため、そちらの対処に向かいました。城内に残っている者もおりますが、そちらは我々が抑えましょう」

城下で暴動……?

「その暴動ってのは、何が起きてんだ?」

「どうも、教会の者が先頭に立ち、市民と共に騒ぎを起こしているようです。我々は元々、殿下の一派には睨まれていたので、暴動側へ寝返らないようにと城内に残されていたのですが……貴殿のおかげで、ようやく行動を起こすことが可能となりました。我々一同、感謝しております」

「あぁ、いや、気にするな。俺も……あれだ。任務だ。やることをやったまで」

そう言葉を返しつつ、思考を続ける。

……もしかして、あの騒ぎのせいで作戦が早まったか?

そうか、恐らくあのままでは後手に回ると判断して、あの市民の熱狂具合を利用しようと扇動でもしたのだろう。

聖騎士なんて職に就いてるくせに、ようやるわ。

まあいい。ならば恐らく、その騒ぎに乗じて国王救出部隊もすぐにここまで来ることだろう。ソイツらに国王は任せてしまって、俺は今度こそ王子をぶっ殺しに行くか。

あんまり時間を掛けたら、逃げられてしまいそうだしな。

「わかった、ありがとう。国王……様は、必ず安全なところに避難させる。君らも、あんまり無茶するなよ」

「ハッ!!貴殿も、どうかご武運を!!」

国王に対し頭を下げ、俺に敬礼してから、捕虜君は仲間と共に撤退していった。

「よし、国王。恐らくあと少ししたら救出部隊が来る。アンタはその人らと一緒に娘連れてどっか逃げとけ」

「……一つ、いいか」

「何だ?」

「……息子は、殺すのか?」

「――あぁ。殺す」

「…………そうか」

俺が頷くと、国王は眼を瞑り――やがて、何かを決意したようにゆっくりと目を開いた。

「私も、連れて行ってくれないか」

「……悪いが、アンタがいようがいまいが、俺は王子は殺すぞ」

確実に、俺の平穏を脅かす敵だからな。

「そなたが手を下さずとも、アレは国への反逆をした。死は免れん。だが、なればこそ、死に際ぐらいは、見届けてやりたいのだ」

……そうやって思ってしまうのが、親ってもんなんだろうな。

「……邪魔するなよ」

「わかっておる。絶対に手は出さん」

結構頑固な国王様に俺は、小さくため息を吐いた。