軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

現状を把握しよう2

名:ユキ

種族:アークデーモン

クラス:魔王

レベル:1

HP:2100/2100

MP:6700/6700

筋力:651

耐久:685

敏捷:550

魔力:897

器用:1250

幸運:70

スキルポイント:5

固有(ユニーク) スキル:、魔力眼、言語翻訳

スキル:アイテムボックス、 分析(アナライズ) lv1

称号:異世界の魔王

DP:1000

つか、良く見たら俺、人間やめてる上にクラスが魔王じゃねーか。字面が物騒だなオイ。

……いや、どうやらここ―― ダンジョン(・・・・・) を管理するダンジョンマスターのことは、総じて魔王と呼ぶらしい。脳内ウィキ〇ディアに載ってた。

名前も苗字が無くなり、カタカナでユキだけとなっている。自分でも女っぽい名前だと思っていたが、ますますそうなったな。

ステータスに関しては比較するものがないからよくわからんが、とりあえずこの幸運値の圧倒的低さよ。……まあ、事故死するぐらいだからそんなもんなのかもしれん。

器用値が頭一つ抜けてるのはよくわからない。趣味が手芸とか、そんなことはないのだが。

表示されているスキルへ指を滑らすと、その詳細が表示される。

分析やアイテムボックス、言語翻訳はよくある感じのヤツ、分析はスキルレベルの上昇に伴い表示される内容が増え、アイテムボックスは保有する魔力によって収納出来る量が増える。言語翻訳は言わずもがな。

魔力眼は……どうやら種族特性のスキルらしい。相手の放つ魔力を可視化出来るそうだが、有用性はまだようわからんな。

スキルポイントは、スキルの横にある数字、スキルレベルを上げることが出来るようだ。スキルレベルの最大値は10で、それが上がるに比例して必要ポイントが多くなっていく仕様らしい。

次に称号を確認すると、こんな表示がされる。

異世界の魔王:異世界から現れた者。『言語翻訳』を取得。

……あ、うん、やっぱり異世界なんすね、ここは。まあそうだろうとは思っていたけど。

とりあえず一通りの確認が終わったステータス画面を閉じ、次にメニューにある『DPカタログ』の項目を押す。

どうやらこれはそのまま、DP――ダンジョンポイントで交換出来るものを表示する機能のようだ。

剣や盾、防具、杖などのファンタジー的なものから、歯ブラシやコップ、食料品、果ては必要DPがクソ高いがテレビゲームもDPで交換できるようだ。通販かよ。いや、便利でいいですけども。

もしかするとこのDPカタログってのは、ダンジョン自体に元から備わっている物と、俺の認識によってゲット出来る物の二種類があるのかもしれない。そうでなければ、この異世界感ぶち壊しの品々はカタログに載らないだろう。

ただ、地球産の品々はこの世界の品に比べて軒並み高い。入手するのはもう少し先になるか。

『ガチャ』はガチャだ。それ以上でもそれ以下でもない。一回100DP、1000DP、10000DP、100000DPの4つがある。何が出るかは回すまでわからない。

残りの『ダンジョン』は、この場所、ダンジョンの階層を増やしたり、拡張したり、モンスターを召喚したりなどの、ダンジョンとしての主要な機能が詰まっているようだ。

まあ、細かい検証は後ほど行うことにしよう。

――ダンジョンとは、生物だ。

この世界特有の、『魔素』のある場所で生まれる。

生まれたばかりのダンジョンは、生物の例に漏れず力が弱く、簡単に潰されてしまう。

特に潰しに来るのは、人間だ。恐らくだが、ダンジョンの心臓であるダンジョンコア―――あの先程の虹色の宝玉を狙いに来るのだろう。見るからにレア度高そうだからな、アレ。

また、この世界の野生生物である『魔物』なんかも、ダンジョンコアに込められた莫大な魔力に吸い寄せられ、襲いに来るそうだ。

――要するに、周り全てが敵なのだ、ダンジョンは。

そこでダンジョンは、自身の身を守るために、管理者を召喚し、自身の生存率の向上を試みることにした。共生することに、生き残る道を見出した訳だ。

魔王とは、そうして召喚された、ダンジョンを守護し、管理する存在だ。

大抵の場合は近場の魔物と呼ばれる生物を呼び込んで魔王として生まれ変わらせるみたいだが、このダンジョンの生まれたのが魔素の濃度の濃い場所だったため他のダンジョンより力を持つことが可能だったらしい。

その力の大半を用いて、より魔王として適した存在を、と召喚した結果が、どういう訳か異世界で死んで魂だけとなっていた俺だったようだ。

俺、他人?からするとより魔王に適しているらしい。非常に心外である。

俺が人間からアークデーモンに転生したのもまた、ダンジョンの自己防衛機能の一つだ。人間に転生させるよりはそっちに転生させた方がより生存率が上がると判断された訳だ。

これは、その魂に適正が無ければ出来ないことだそうだが……まあ、うん、あれかな。俺がメッチャやり込んでたゲームのキャラの種族が『 上位魔族(アークデーモン) 』だったから、ってのが反映されたのかもしれない。んな訳ねーか。

……ただ、力があるのは悪くない。知識を植え付けられたから理解したが、この世界は前世より大分物騒だ。魔物いっぱい戦乱いっぱい。おまけに知能の低いバカな魔王があちこちで人間殺しまくってるから、魔王に対するヘイトも高い。

そんな世界に魔王として生まれてしまったからには、俺自身の生存率を上げるために少しでも力があった方がいいだろう。

俺は、あの強烈な痛みを与えてくれたクソ忌々しい宝玉―――ダンジョンコアを睨み付ける。

魔王の器の生成にはダンジョンの力が多大に影響しているため、ダンジョンが崩壊すれば魔王は死ぬ。魔王にリソースの大部分を割いているため、魔王が死ねばダンジョンの力が大きく弱まり、結果的にダンジョンもまた滅ぶ。

――つまり、一蓮托生なわけだ。

「ったく、厄介な世界に呼びやがって……」

だが――コイツがいなければ、俺がもう二度と意識を取り戻すことが無かったこともまた、確かだ。

ダンジョンコアへと、もう一度手を触れる。もう、頭痛を伝えて来ることはない。

これは、俺のもう一つの心臓だ。

……せっかく得ることになった二度目の生だしな。

今度こそ好きに生きられるように……コイツを守るのもまあ、悪くはないだろう。

そんなことを考えながら俺は、とりあえずアークデーモンとなってしまってから自身の姿を確認してないなと思い、DPカタログで一覧を開き、手鏡を出現させた――。